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『我儘なゲスはしんじゃえ~ 後篇』 14KB 虐待 制裁 自業自得 飼いゆ 赤ゆ 子ゆ ゲス 虐待人間 まさかのエピローグあり あらすじだよ! あらゆるゆっくりの我儘を許してきた愛でお兄さんもついに我慢の限界だった! さあ!鬼威惨のパーフェクトゆ虐教室がはじまるよー!! 現在のゆっくりの数 親れいむ:1 親まりさ:1 成体ありす:1 子れいむ:2 子まりさ:2 子ありす:2 赤れいむ:5(前篇で一匹圧死) 赤まりさ:2 赤ありす:2 【虐待鬼威惨ができるまで(我儘なゲスはしんじゃえ~編)】後篇 手のひらに餡子が付いている。舐めとるとそれは甘かった。 「さて、どうしよっかな~」 鬼威惨は笑みを浮かべていた。これから起こる楽しみを企てながら。 壁に激突し、気絶しているれいむを放っておいて台所に向かっていった。 そして数分後、鬼威惨は手に何かを持って帰ってきた。そう、ゆっくりを虐待するために。 「みゃみゃー!!おきちぇよぉぉぉ!!」 「ぺーりょぺーりょ!」 自分のいる部屋には親れいむと子れいむ、赤れいむ。しきりに母親を心配している。親れいむは依然、壁にぶつかって以来気絶したままである。 隣の部屋にはまだ寝ているゆっくり達がいる。取りあえず起こしに行くことにする。隣の部屋ではありすやまりさ達がすやすやと寝ていた。ゆっくり達が寝ているのを確認した鬼威惨は手に持ったものを高く振りかざし、ぶつけた。 カァンカァンカァン!! 「ゆっ!!?」 「なんなのじぇ!!?」 「うりゅしゃいいい!!」 鬼威惨が持っていたのはフライパンとお玉。それをたがいに打ち鳴らしたのだ。 お寝坊さんな奴も飛び起きる音が鳴り響く。全身が聴覚器官であるゆっくりにはたまったものではない。次々とはね起きる。 「さー!!皆さん朝ですよー!!起きろー!!」 「やめりょぉぉぉ!!」 「うるさいのぜぇぇぇ!!」 「やめろいなかものぉぉぉぉぉ!!」 「アーアー聞こえなーい!!もっと大きな声で言ってみろぉぉ!!」 カァンカァンカァンカァン!!! 「うりゅしゃいぃぃぃ!!ゆっくりできにゃぃぃぃ!!」 「起きろ寝ぼすけ共ー!!」 「ゆぎぎぎぎ・・・っぷぅあ!!?」 「おじびじゃぁぁん!」 とうとう赤まりさが餡子を吐き出した。赤ゆっくりはまだ皮が薄いのだから音のダメージが深刻なのだろう。次々と赤ゆっくりは餡子やカスタードを吐き出していく。 親ゆっくりと子ゆっくりはまだ大事には至っていない。だが可愛い妹やおちびちゃんのもとに駆け寄ろうとするが自身も動けないでいる。 「ゆぎぃぃ!やめろぉぉ!どれぇぇい!!おちびちゃんたちがゆっくりでぎなぐなるぅぅぅ!!」 「ぱ~どぅ~ん?」 「ゆがぁあああああ!!」 そしてついにその時が来た・・・ 「ゆげぽぉお!!」 「もっちょゆっくちちゃかっちゃ・・・ぴゅげろぉ!」 「おじびじゃぁぁん!!!」 「いやぁぁ!!こんなのとかいはじゃないわぁぁぁ!!」 赤ゆっくりたちが永遠にゆっくりし始めた。床には次々と餡子とカスタードがぶちまけられる。子ゆっくり達も限界が近いようだ。歯茎を食いしばって必死に耐えているが餡子を吐き出すのも時間の問題だろう。 すると、ふと鬼威惨が足もとに鈍い衝撃を感じた。 「ん?」 見ると親まりさが自分の足元に体当たりをしていた。 子供のためといえどもあの騒音の中動き、なおかつ体当たりを仕掛けてきた親まりさに驚いた鬼威惨はフライパンとお玉をぶつけるのをやめた。とたんに子ゆっくりたちが歯を食いしばるのを止めた。 子ゆっくり達とありすは既に疲れ切った様子だった。 「じねぇぇぇぇぇ!!おぢびじゃんをごろじだげずなじじばゆっぐりじないでじねぇぇ!!」 静かになると親まりさの苦悶に溢れた雑言が響いてきた。 すると鬼威惨は親まりさの頭に手を伸ばし、帽子を奪い取った。 「!!がえぜぇ!ばりざのおぼうじをがえぜぇぇ!!」 途端に喚き始める親まりさ。ゆっくりはおかざりを取られるのを極端に嫌がる。鬼威惨はゆっくりを虐待したことはなかったがある日、仕事場の同僚が虐待について話していたのを聞きかじったときに聞いたのだった。当時はとんでもないことだと思っていた。が、今となっては鬼威惨はその話を聞いておいてよかったと思っていた。 「どーしよっかなー」 わざとらしく帽子を掲げる鬼威惨。親まりさは必至の形相である。 「がぇぜぇぇ!!」 「やだもーん!こうしちゃえー!!」 ビリビリビリィ! 鬼威惨は躊躇うことなく帽子をびりびりに引き裂いた。親まりさは茫然とそれを眺めるばかりだった。 「おぼうし・・・・・うわぁぁぁあああ!!まりさのおぼうしがあああ!!!」 「おお!丁度いい雑巾だなこりゃ。それ!ごーしごーし!」 「やめろぉぉぉおお!!ばりざのおぼうじでおちびちゃんだじをふぐなぁぁ!!」 「意外と使えるゆっくりっくる!使い捨て!使い終わったら・・・・・ゴミ箱にシュート!!」 カコン 「わああああああああああああああああああ!!!」 くしゃくしゃに丸めたゴミはゴミ箱に見事に入っていった。まりさは砂糖水の涙をこれでもかと撒き散らすことしかできなかった。 「ごめんなまりさ。これお詫びにやるわ」 お兄さんはぼうしに付いていたリボンを申し訳程度にまりさの頭にちょこんと乗せた。 「ゆわあああああああああああああああ!!!」 「さーさー!みんなお隣の部屋に行こうね!そーれ!!」 ボムボムボム! 「おしょらゆげぇ!」 「おぢびじゃんぎゃぽっ!?」 「とかいはっ!!?」 疲れ切ったゆっくり達を蹴り飛ばして隣のれいむ達がいる部屋に鬼威惨は案内した。 隣の部屋では復活したれいむ達が鬼威惨に怒りの目線を向けていた。すると鬼威惨はニヤニヤしながられいむ達の所へ歩み寄っていった。 「どうしたんだい?そんな怖い顔しちゃって」 「ゆ!こわいもなにもないよ!おちびちゃんをよくもころしたね!せーさいするよ!」 「れいみゅおこっちぇりゅよ!ぷきゅーしゅりゅよ!」 「げすなじじいはぷくーでしね!!そのあとせいっさいしてころすよ!」 「げすなにんげんはゆっくりしね!」 「「「「「ぴゅきゅー!!」」」」」 「はっはっは!こわくもなんともないぞ?それがぴゅきゅーなのか?」 「ちがうぅぅ!!ぴゅきゅーだぁ!!ぴゅきゅー!!」 赤ゆっくりはぷくーと言いたいらしい。だがぴゅきゅーでもぷくーでも変わりはない。たかがゆっくりが頬を膨らまそうが人間は何ともない。その必死さが可笑しいと思うぐらいなものだろう。 「そりゃ!」 「ぴゅk!!?」 「ゆびゃ!」 「きゅぴょっ!」 「ぴゅっ!!」 「ぱあ☆」 飽きたお兄さんは赤ゆっくり達の頭上にフライパンを振り下ろした。当然、赤ゆっくり達が耐えられるはずもない。奇妙な断末魔をあげ永遠にゆっくりしていった。 「おじびじゃんがぁぁぁ!!」 「フライパンが汚れちまったなー・・・おっ!丁度いい布巾があるな!」 むんず 「ゆ!?おそらをとんでるみたい!」 「それごしごし」 「いじゃいいい!!あんよさんすれるうううう!!」 「おねーちゃぁぁん!!やめろどれぇぇいい!おねーちゃんをはなせぇぇ!!ぷくー!!!」 「何だ?お前もやりたいのか?いいぞ」 がし 「おそら・・・ぎゃあああああああ!!!」 「綺麗になったな。よっしゃ!シュート!!」 ぽーい・・・どさっ! 「くさいいいいいい!!うんうんさんはゆっぐりでぎないいいい!!」 「ゆげぇぇぇぇぇ!!」 晴れてれいむ姉妹は仲良くゴミ箱行きとなった。今朝取った分のうんうんとさっき捨てた死臭のこびりついたおぼうしのせいで大いに苦しんでいる。もう先も長くないだろう。 それを見ているゆっくり達はみな顔が・・・まあ、全身が顔なのだが青ざめていた。 突然鬼威惨が手を鳴らす。 パンパン! 「さぁさぁここでディナータイムでございまーす!!馬鹿なお前らのためのあまあまのじかんだよー!」 「ゆ!あまあまさん?」 「おいどれい!はやくあまあまさんをもってくるのぜ!」 「「「「あまあま!あまあま!!」」」」 「はやくしてよねいなかもの!」 このゆっくりたちは本当に自分の置かれた状況が分かっているのだろうか。さっきまで青ざめていた顔はあまあまを期待する嬉々とした顔に変っていた。 すると鬼威惨は子ありすを姉妹を鷲掴みにした。 「「おそらをとんでるみたい!!」」 ありす達が間抜けな台詞を呟きながら机の上に乗った。 「いなかもののどれいはさっさとあまあまをもってきてね!!」 「とかいはなありすたちがたべてあげるわよ!!」 「いやいや、それはないだろう」 「なにをいっているの?」 「あまあまになるのは君たちだからだよ」 「へ・・・・・・・・」 言うが早いか鬼威惨は加熱していたフライパンに子ありすのあんよを押し付けた。 「ゆっぎゃあああああああああああああああああああああああ!!!!!ありすのとかいはなあんよがああああああ!!!あづいあづいいじぬうううううううううううう!!!!!どれいいいいたずげろおおおおお!!!」 「まーまーそんなに騒がないで、ゆっくりしていってね!!」 「ありすのとかいはないもうどになにじでるのおおおお!!はやぐやめろおおおおお!!」 「え?加熱処理だけども何か?」 「おぢびじゃああああん!!」 「じゃまくさーい!」 ドガッ! 「ゆぎぼっ!!」 蹴っ飛ばされた親ありすはれいむと同じく壁とちゅっちゅした。 そんなこんなで親たちが慌てふためいている間にも子ありすの加熱処理は終了した。子ありすはもう動けない。ゆっくりの移動機関であるあんよは今やこんがりを通り越して真っ黒焦げに炭化していたからだ。 「おまたせー!子ありすの丸焼(レア)だよー!生きのいいうちにゆっくり召し上がれ!」 「おぢびじゃあああああ!!!」 「おかーさん!!いだがっだよぉぉぉぉ!!」 「ありす・・・・・」 「おいくそどれい!どうしてこんなことするの!」 「え?俺何か悪い事した?」 「したよ!たいせつなおちびちゃんをよくもころしたね!!せいっさいするよ!!」 「へぇ、せいっさい?勝手にしとけよ。いったっだきまーす!!」 ガブリ 「いじゃいいいいいいい!!!」 「う~ん、この暖かい焼き立てほやほやのカスタードが何とも言えないですな!!」「シェフになれますよ貴方!才能ありますって!!(裏声)」 「うわああああ!!おじびじゃあああああん」 「うっめ!これめっちゃうっめ!あれ?お前たち食べないの?せっかく作ったのに」 「たべられるわけないでしょぉぉぉぉぉぉ!!」 「ふーん。じゃあ俺が貰うね!」 「おそら・・・」 ガブ 「いだいいいいいいいいい!!」 「はふっはふっ!美味い!しあわせだああああ!!」 「「もっと・・・ゆっくり・・・したかった・・・」」 「あぢびじゃあああああ!!」 「ふぅ。おいしいおちびちゃんありがとね!また食べたいな!」 「わあああああああああああああああ!!!なんで!なんで!なんで!!!」 「どうしたのそんなに叫んで?あ、食べちゃまずかった?」 「どぼじでごんなごどずるのおおおおおおお!!!」 ありすはわからなかった。何故この奴隷、人間が自分にこんなことをするのかが。ついさっきまでは従順な奴隷だったのに。愛する我が子を殺され、食べられた事が。 それを聞いた鬼威惨は笑顔のままありすのもとに近づいた。途中、れいむとまりさ達がおびえていたが鬼威惨は気にも留めずにありすにむかって話しかけた。 「ほー。本当にわからないんだな?自分が何故こんなことされるのか」 「そうよ!なんでこんなことをするのよ!」 「・・・・・・・・・・・・・・・・」 「あやまれ!しんだおちびちゃんとありすにあやまれ!それとどれいははやくしんでね!それといしゃりょうにあまあまをたくさんよこせ!!」 「あ゛?」 ガッ!! 「ゆぶっ!?」 ありすの顔が凹んだ。鬼威惨の強烈なストレートが顔面に命中したからだ。鬼威惨の顔からは笑顔が消え去っていた。かわりに鬼のような形相がそこにあった。 「あ゛あ゛?てめぇ本当に自分が何をしたのかわかってねぇのか?オラァ!!」 ドムッ! 「ぐぇぼっ!!」 「挙句にあまあまよこせだぁ?はっ!とんだ屑饅頭だな」 「ぐへぇぇっ!ごほぼぶぅぇぇぇぇ・・・」 カスタードと涙を流すありすの髪の毛を掴み、こちらを恐ろしげに見ているゆっくり達に鬼威惨はありすの顔が見えるように置いた。 顔は潰れかけ、おまけにカスタードと砂糖水のせいで余計ぐずぐずになっていた。 すると鬼威惨はどこからともなく金網を取り出した。正方形の穴が無数に開いたそれを団扇のようにして鬼威惨は自分にむけて扇ぐ真似をしてこんなことを言った。 「今日は暑いな」 「びゅぅ・・・・ふびゅぅ・・・」 「ま、都心に近いせいか。今夜は熱帯夜だなもう10月だってのに」 「ぼう・・・・やべで・・・・」 「所で俺はところてんが好きなんだ。あのちゅるちゅるッとしたやつがな。喉越しがよくてな」 「ありずに・・・ひどいこと・・・」 「そこで!今日はお前らにところてんをごちそうさせてやろうと思う。たっぷり召し上がっていけ!!」 「あああああ・・・・・・・」 鬼威惨は金網をありすの頭部に軽く当てた。トンっと小さな音が鳴る。そして・・・・ 「ふん!!」 ダンッ!! ありすの体はところてんのごとく1cm四方に短冊切りになり、そこらに散った。 「ゆ・・・ゆ・・・・ゆぎょぉぉぉ!!」 「ぎゅぴぃっ!」 子まりさ達が餡子を吐き出し始める。ショッキングな光景に親れいむ達も顔が真っ青になっている。人間が全身ばらばらになった光景を子供に見せたようなものなのだから無理もない。だが、鬼威惨は笑顔で言った。 「ささ、召し上がれ!!」 傍らにはカスタードまみれの金網が置いてあった。 「ああ、ごめんごめん。取り皿を持って気忘れちゃったね」 そう言うと鬼威惨は台所にまた歩いて行った。親れいむとまりさはその間必死で我が子を舐めていた。 「ゆぶぶぇ・・・」 「ゆっ・・・ゆっ・・・」 「おちびちゃん!あんこをはいちゃだめなのぜ!!」 「いやぁ!おちびちゃぁぁん!あんこさんはいたらゆっくりできなくなるよ!!ぺーろぺーろ!!」 「たっだいまー。ん?なにやってんだお前ら?」 親まりさは即座に判断した。鬼威惨が帰ってくるなりそこに顔をつっぷして土下座をした。 「おにいさん!ごめんなさい!!」 「はぁ?」 「いままでごめんなさい!!あやまります!だからおちびちゃんをたすけてください!!」 もうこれ以上酷い目に会いたくない。人間がこんなに強いと思っていなかったまりさはこれ以上苦しみを味わいたくないがためプライドを捨て、人間に助けを請い、この場をどうにかしようと考えた。 「いいぞ」 「ぼんどうでずがあああ!!ありがどうございまずううう!!」 「ほれ」 チョロチョロ・・・・・ 「・・・・・・ゆっくりー!!」 さっきまでよわよわしいうめき声をあげていた子まりさが復活した。鬼威惨のかけたオレンジジュースによって餡子が幾分か組成したからだ。 「ゆゆ~んおちびちゃんがゆっくりしたよぉ」 「おあかーしゃん!ゆっくりしていってね!!」 「ゆゆ~ん」 「おにいさん!もうひとりのおちびちゃんにもおねがいするのぜ!!」 「やなこった」 「え・・・・・・・・・・・・・・・・」 「どぼじでぇぇぇ!!?」 「そ!そうなんだぜ!」 「ま、お前らの行動によっちゃ考えてやってもいいがな。カー!美味い!バ○リース!!」 「こ?こうどう」 「ああ」 「ど、どんなことをすればいいのぜ?」 「そうだな・・・・・」 しばらく考えた鬼威惨は突然邪悪な笑みを浮かべ、こう告げた。 「まりさ、これを見ろ」 「ゆ?」 すると鬼威惨はれいむの頭を押さえると手で振動を与えた。 「ゆゆゆ?・・・・・・ゆふ~ん」 すると発情したれいむがぺにぺにをふるいたたせた。 「まりさ、このれいむのな・・・・・・・ ぺにぺにを噛みちぎれ」 「へ?」 「聞こえなかったのか?このれいむのぺにぺにを噛みちぎれと言ったんだ」 「な・・・そんなことできないのぜ・・・」 「へー。じゃあこいつは死ぬな。おーい子まりさ!ぱぱはおまえを見殺しにするらしいぞー」 「そん・・・にゃ・・・・・ぴゃぴゃ・・・・」 「ゆ!?ゆゆっゆ!ゆゆ?」 「まりさぁぁぁすっきりしようよー」 「・・・・・・・・・」 「さあどうする?」 「れいむ・・・ごめんなのぜ」 ブチィ! 「いうあ・・・・ゆっぎゃあああああああああああああああ!!!」 噛みちぎられたれいむのぺにぺにがあった場所から餡子が流れ始めた。 「ばりざああああああ!!なんでぇぇぇぇえええ!!?」 「ごめんなのぜれいむ・・・・でもおちびちゃんを救うにはこれしか・・・・さあ!おにいさん!やくそくどうりおちびちゃんをたすけてね!」 「わかったよ」 プシュ! 「くれてやるよ・・・・」 チョロロロ・・・・ 「ゆ・・・」 「特製のにがにがをな!!」 「ゆぶぇぼっふああぁあああぁっぁああ!!?」 「!!?」 鬼威惨はかけた。子まりさに・・・・・・・コーヒーのブラックを。 大量の苦味をその身に浴びたまりさは一瞬でその命を失った。 『もっとゆっくりしたかった』 の台詞も吐けずに・・・ 「おじびじゃあああああああああああああああああああああああん!!!」 鬼威惨は終始笑顔であった。 現在のゆっくりの数 親れいむ:1(生殖器使用不能) 親まりさ:1(おかざりほぼ消滅) 子まりさ:1 【虐待鬼威惨ができるまで(我儘なゲスはしんじゃえ~編)】後篇 おわり 【虐待鬼威惨ができるまで(我儘なゲスはしんじゃえ~編)】エピローグに続く ダーク♂過去作品 anko2473 我儘なゲスはしんじゃえ~ 前篇 anko2468 タタタタタタタタ
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Can ゆー defend? 後編 30KB 虐待-普通 悲劇 理不尽 赤子・子供 現代 虐待人間 今までで一番長いです。 書いた人 ヤリまむあき 書いたもの ふたば系ゆっくりいじめ 703 ゆー具 ふたば系ゆっくりいじめ 708 売ゆん婦 ふたば系ゆっくりいじめ 717 売ゆん婦2 ふたば系ゆっくりいじめ 723 売ゆん婦3 ふたば系ゆっくりいじめ 730 ゆー具 鬼畜眼鏡編 ふたば系ゆっくりいじめ 772 情けはゆっくりの為ならず ふたば系ゆっくりいじめ 798 売ゆん婦4 ふたば系ゆっくりいじめ 867 Can ゆー defend? 前編 ふたば系ゆっくりいじめ 960 Can ゆー defend? 中編 ふたば系ゆっくりいじめ 962 他ゆん事 『Can ゆー defend? 後編』 一、 地面に染み付いた黒い餡子となった子れいむ。 生前の愛らしい姿は土と混ざり、何処がどの部位だったか、最早皮以外区別がつかない。 まりさの耳には、子れいむのゆっくりできたおうた、そして死ぬ寸前の濁った声が残っていた。 (なんで? おちびちゃんのおうたはとってもかんどうできたのに、なんでにんげんさんはおちびちゃんをあんなひどいめにあわせたの? どうしておちびちゃんがころされなきゃいけないの?) どうしてあのおうたが少年達の心を揺さぶらなかったのか。 まりさなりに考えた結果、結論を出した。 「わかったよ……」 「分かった? 何が?」 顔を上げたまりさの顔は、理不尽に心優しい我が子を奪われた憎しみに染まっていた。 憎しみで相手が殺せたら、と思っているであろう。 「……にんげんさんたちは、どうしようもないげすなんだね!!」 「ゲス?」 「にんげんさんは、あんなにゆっくりしてたかわいいおちびちゃんがうたったとってもじょうずなおうたをきいたのに、もうひとりのおちびちゃんをはなしてくれなかったよ!! ありすにあやまらなかったよ!! それどころかおちびちゃんのおくちをちぎって、おちびちゃんがおうたをうたえないようにして、こ、ころしちゃったんだよ!! これがげすじゃなかったらいったいなんなのぉおおおおお!? どうみたってげすでしょぉおおおおおお!!!」 興奮しているせいで大変聞き取りにくい話だったが、内容を整理するとこういうことだ。 良心の呵責があるならば、あんなに感動的な歌を聴いておいて悔い改めない筈が無い。 すぐさま子れいむの要求を呑み、これまで一家や群れの仲間達に対しての罪を謝罪するのが当然だ。 それなのに少年達は、寛大にも彼等を許そうとした子れいむを惨殺した。 これが鬼畜の所業でなかったら一体なんだと言うのか。 一応、話の筋が通っていないというわけではない。 「ふうん、そんなこと考えてたんだ」 「わかったらおちびちゃんをかえしてよぉおおおおお!! できないでしょ!? ゆっくりはね、しんじゃったらずっとゆっくりしたままなんだよ!? おちびちゃんでもそんなことしってるのに、にんげんさんはわからなかったのぉおおお!?」 「れいむがぽんぽんをいためてうんだのにぃいいいい!!」 「れいみゅのおうたはすごかったんだよ!! あのおうたがもうきけにゃいなんて、しぇかいのそんしつだよ!!」 「ゆぇえええええええええん! おにぇーちゃぁああああん!!」 まりさ一家が拙いながらも死んだ子れいむの命の尊さを少年達に訴えかける。 人間にとってまりさ達ゆっくりの命など、羽のように軽いということにまだ気がついていないのだろうか。 「いや、俺達だって知ってたけど」 「しってておちびちゃんをころしたの!? だったら、にんげんさんはくずだよ!! あくまだよ!! ゆっくりでなしだよ!!」 「当然だ、ゆっくりじゃないからな」 少年達は、命が一度失われたら二度と戻らないことを理解していた。 理解してやったというなら、彼等は救いようの無い極悪人だ。 許してはおけない、しかし、先程自分の攻撃がまったく少年達に通用しなかった事を考えると、どうしても彼等に制裁を加えることに対し二の足を踏んでしまう。 そうなっては無駄死にだ。 (ごめんね、おちびちゃん。まもるっていったのに……。おちびちゃんのかたきもとれないまりさは、だめなおとうさんだよ……) こうなっては、できるだけ下手に出て残りの家族だけでも守るしかない。 腹に据えかねても、まりさは彼等に勝てないのだから。 「に、にんげんさん。まりさたちのだいじなかわいいかわいいおちびちゃんをころしたことは、ゆるしたくないけどゆるしてあげるよ」 「まりさ!?」 れいむがまりさの言葉に驚き声を荒げる。 「れいむはだまっててね! ……まりさだって、ほんとはこんなげすゆるしたくないけど、みんなをまもるためなんだよ!!」 「ゆぅ……」 全身の震えからまりさの苦渋が見て取れる。 屈辱や憎悪を押さえ込み、奥歯を噛み締めていた。 「だから、だからもうまりさたちにかまわないでほしいよ!! まりさたちは、ここでゆっくりしてただけなんだよ!! むしさんやおはなさんをたべて、しずかにくらしてただけだったんだよ!! にんげんさんにめいわくなんてかけてなかったよ!!」 事実上の敗北宣言だった。 「おとーしゃん、こんなのってないよ……」 子まりさは少年の掌の中で悔し涙を流す。 その感触は握っていた少年を不快にさせ、ほんの少しまた力が込められた。 「ゆぎいいいいいい!!」 「おちびちゃん!! まりさは、まりさたちにひどいことしないでっていったよ!! ゆるしたくないけどゆるしてあげるっていったよ!! だからさっさとおちびちゃんをはなしてね!!」 まりさ達からすれば認め難い条件を呑んでやるというのに、なぜこの人間達はまだおちびちゃんを解放しないのだろう。 そういう肝心な所で上から目線な態度が更に状況を悪化させているのに、それを止めようとしない。 「クロボウシ、お前の話には間違いがある。一つは、あのチビ赤リボンのおうたとやらが騒音だということを理解していないことだ」 別の少年が赤ゆ達に近づき、傍にいたれいむが反応できないほどの速度で彼女達を奪い去る。 気がついた時には、赤ちゃん達は少年の手の中にいた。 「「おしょりゃをとんでりゅみちゃい!!」」 「「おしょりゃをとんでりゅみちゃい!! ……ここきょわいよぉおおお!! おろしちぇええええ!!」」 急に高所に持ち上げられて視線の高さ驚き、状況も理解できず暢気に喜んでいる赤れいむ二匹に怯える赤まりさ二匹、危機感は赤まりさの方が強いようだ。 「あかちゃぁああああん!!」 「れいむのあかちゃんかえせぇえええええ!!」 これで子供達全員がゆん質にされてしまった。 それより、子れいむのおうたが雑音だというのはどういうことか。 ゆっくりしていない人間は芸術に対する感覚すら狂ってしまっているのかもしれない。 「あんなものが歌なら、それこそ鳥の鳴き声の方がましだぜ」 「にんげんさんのおみみはくさってるの!?」 まりさは子れいむの名誉のために少年に反論する。 あれは、確かにゆっくりできたおうただったのだから。 「じゃあ、お前等が言う上手な歌の基準はなんだ?」 「かわいいおちびちゃんがうたったおうたがへたなはずないでしょ!! とりさんなんかといっしょにしないでね!!!」 それはまりさ達にとっての確定事項。 多少親馬鹿の贔屓目もあるが、ゆっくりにとって自分達がゆっくりした生活をしているということは存在意義にも関わることで、おうたはいわば“文化”なのだから。 時々聞こえる鳥さんのおうたは、五月蝿いだけでちっともゆっくりできない。 「おもいっきり身内贔屓じゃん。それを言うなら、お前等ナマクビマンジュウごときが出す雑音と歌を混同するなよ」 少年は赤れいむの一匹の左右のもみあげをつまみ、振り子のように揺らし始める。 前後への運動を加えらることで赤れいむのもみあげには自身の全体重が掛かるが、双方のもみあげを掴んでいるので負荷は分散されすぐに千切れるほどではなく、長く悲鳴と痛みに耐える表情を楽しめる。 主にれいむ種とぱちゅりー種に使われる緩めの虐待方法だ。 「いぢゃいいいいいいっ!! れーみ゛ゅのもみあげしゃんちぎれちゃぅううううう!!! おにぇがいだからはにゃしちぇえええええ!!!」 「手、離してやってもいいけどさ。そしたらお前落ちるぞ? 痛いぞ? それでもいいって言うんなら離してやるけど」 赤れいむは尻をぷりんぷりんと振って痛がる。 自慢のゆっくりしたもみあげは、今や己を苦しめる枷となっているのだ。 そして、言われたように少年の手から落ちたらどうなるだろうか? (ちにちゃくにゃい!! れーみゅはおにぇーちゃんみちゃいにちにちゃくにゃいよ!!) 姉のように、ぐしゃぐしゃに潰れてしまうのだろう。 赤れいむも己の危機に気がつき、少年に命乞いをする。 「はにゃさにゃいでぇえええええ!! おちたりゃれーみゅちんじゃうよぉおおお!!」 「ほほう、ならばもっと強く、落ちないように引っ張ってやろう」 ぐいっ、とさらにもみあげが引っ張られる。 髪の根元が何本か抜ける感触がした。 「ゆびぃいいいいい!!」 「おお、いい声だ。お前、お姉ちゃんなんかよりよっぽど歌上手いんじゃね? 俺等はこっちの方が好みだぞ」 赤れいむの悲鳴は、少年達にとっての音楽。 少なくともおうたのような雑音より楽しめることは間違いない。 「いたがってるよ!! やめてあげてね!!!」 「あかちゃんがないてるでしょぉおおおおお!! それのどこがおうたなのぉおおおおお!?」 まりさとれいむの訴えは通じない。 やがて、耐久力の限界に達したもみあげが遂に音を立てて両方とも千切れた。 「ゆ゛ぅううっ!!!」 赤れいむは宙を舞う感覚を一瞬味わい、柔らかい背中から地面に落ちた。 ぺしゃっ、という軽い音だが、赤れいむにとっては体内の餡子が全て吐き出されそうなほどの衝撃である。 その口の端からは黒い餡子が流れ始めた。 子れいむのもみあげを持った少年は、まるでゴミのようにそれらを放り捨てる。 「あかちゃぁああああんっ!!! なおってね!! ゆっくりしないでなおってね!!」 まだ赤れいむには息がある、手遅れではない。 今度こそ可愛い子供を死なせるものか。 「れいむはあかちゃんをぺーろぺーろしてなおしてあげてね!! まりさはそっとあかちゃんをひっくりかえすよ!!」 「わかったよ!!」 少年達はまりさ達の行動を阻みはしない。 無力なゆっくりがどこまで希望を捨てずにいられるか楽しんでいるのだ。 それゆえまりさとれいむだけはあえて捕獲しておらず、自由に動けるようにしている。 一応ゆん質がいるのだから無謀な行動はしないだろうし、逃げたら逃げたで楽しめるのだ。 「まりさのあかちゃん!!! まりさがたすけてあげるからね!!!」 まりさ達には家族愛という概念があるのか、子供を見捨てるようなことはせずひたすら傷ついた赤ちゃんを助けようとしている。 親としてはそれでいいのかもしれないが、さっさと見捨てて逃げ出して、また新しい子供を作った方が生存率が高い。 どうしようもなく貧弱なナマモノとしては、自分達の能力を弁えていない間違った生き方だ。 「おちょー、しゃ、れーみゅ、いちゃい……」 「あかちゃん!! いたいのいたいのとんでけー、だよ!!!」 「ぺーろぺーろ!!! あかちゃんのせなかさんはゆっくりしてね!!!」 もみあげを失い、すっかりゆっくりできない風貌になった赤れいむ。 そんな子にも変わらぬ愛情を示すまりさ達。 「間違い二つ目。お前等ちっとも可愛くないから」 「ふざけたこといわないでね!! まりさとれいむのおちびちゃんたちはみんなかわいいんだよ!!!」 「ふーん。なら、今そこに転がってる汚いのは本当に可愛いのか?」 「「ゆっ!?」」 少年の問いに即答できなかったまりさとれいむ。 確かに、今の赤れいむはぼろぼろでとても可愛いとは言えない。 もみあげはなく、飾りも汚れてしまっている。 だがここで即座に否定しないということは、少年の言葉を認めてしまっているのと同義。 「……れーみゅ、きゃわいくにゃいにょ? ……れーみゅ、いらにゃいこにゃにょ?」 赤れいむは何も言わない両親に縋るような瞳を向ける。 ここで自分の存在を認められなかったらどうしようと、その瞳は不安で涙に濡れていた。 「そ、そんなことないよ!! ま、まりさのあかちゃんがかわいくないなんてことないよ!!」 「も、もみあげさんがなくてゆっくりできなくなっちゃったけど、それでもれいむのあかちゃんなんだよ!!」 「俺は、こいつが可愛いかどうかを聞いたんだ。もう一回聞くぞ、本当に可愛いのか?」 両親は必死に少ない語彙の中から言葉を捜し、場を取り繕おうとする。 だが、少年は灰色の回答を許さなかった。 あくまでも今の赤れいむが可愛いかそうでないかということだけを尋ねる。 「ゆぅ……」 「可愛くないとは言いたくない、けど、どう見ても可愛いとは言えないんだな。 よかったな、ちび赤リボン。お前が可愛くないことはお前のお父さん達のお墨付きだぞ。自分が可愛くない事が分かっただろ? そんなお前は、生きる価値が無いんだよ。りきゃいできりゅ?」 ストレートな悪意はそのまま赤れいむへの害となり、未熟な精神を傷つけた。 大好きな両親に自分の存在を肯定してもらえず、瞳からは生気が失われる。 生きようとする意志が感じられなくなり、 「あかちゃぁあああん!! おねんねしちゃだめだよ!! いまおねんねすると、ずっとゆっくりしちゃうんだよぉおおお!?」 赤れいむはゆっくりと瞼を閉じていく。 眠くてしょうがないのだ。 それに、さっきから背中から熱い何かが漏れ出していた。 「まりさ!!! おちびちゃんのあんこさんがとまってくれないよおおお!!!」 たたでさえ薄い赤ゆの皮は、衝撃ですっかり脆くなっていた。 そんな部分を懸命に舐めたらどうなるか、れいむは我が子を救おうと必死だったのだろうが、それは赤れいむの命を縮めるだけだった。 唾液が皮をふやけさせ、舌は皮を破ってしまったのである。 「れーみゅ、おねんね、しゅるにぇ……」 少しの間寝息を立てた後、赤れいむは静かに逝った。 その死に顔は、本来自分を優しく包み込んでくれる筈の両親から否定されたことによる諦観がはっきりと現れていた。 二、 赤れいむが死んだことを認められないまりさとれいむは、その亡骸の前で呆然としていた。 「こいつ等自分で子供に止め刺してやんの!」 「可哀想だねー」 何を言う、赤ちゃんに大怪我をさせたのはお前達じゃないか。 あんなに痛そうに泣いて、もみあげだってお前達が奪ったんじゃないか。 「ゆがぁあああああああああっ!! あかちゃんがしんだのはにんげんさんたちのせいでしょぉおおお!? まりさとれいむは、あかちゃんをたすけようとしただけだったのに!!」 肉体的な死因は主に少年達によるものだが、赤れいむが真に絶望したのは両親からの否定だったことをあくまでも理解しようとしない。 もう少し思い知らせてやる前に希望を与えてやろうと、少年達は子まりさを解放することにした。 「ほれ」 「ゆ? おとーしゃぁああああん! おかあしゃぁああああん! まりしゃこわかったよぉおおお!!」 そっと地面に降ろされた子まりさは、振り返ると両親の元に跳ねていった。 よほど怖かったのだろう。 「おちびちゃん! よしよし、よくがまんしたね!」 「おとーしゃん、れいみゅが、まりしゃのいもうとがぁああああ!!」 子れいむと赤れいむの死を悼む子まりさは、れいむのもみあげに撫でられながら嗚咽を漏らす。 自慢の俊足が敗れ、二人の妹達は殺されてしまった。 でも、絶対に人間には敵わないのだ。 純粋なスピードだけなら負けないのに。 「おい、小さいクロボウシ。ゲームをしよう」 「ま、まりしゃになんのようなにょ?」 「お前、俊足が自慢なんだってなぁ? だったらご自慢のスピードでこいつを助けてみろよ」 少年達の一人が子まりさを指名する。 その指先には、一緒に追いかけっこをして遊んだ妹の赤まりさが握られていた。 「おにぇーちゃぁあああん!! まりちゃをたちゅけちぇにぇえええええええ!!!」 「いもうとをいじめないでにぇ!! まりしゃにできることならするから、はやくたすけてあげてにぇ!!」 「まあまあ、話を聞けよ。ルールは簡単だ、こいつを落とす。それをお前が受け止めればこいつは返してやる。 でも、落ちる前にお前が受け止められなかったらそのまま地面に激突。単純だろ?」 子まりさは今度こそ自分の土俵で勝負できると思った。 なるほど、これなら勝敗を決めるのは純粋にスピードのみでそこに何らかの不正が介入する余地は無い。 人間の恐ろしいほどの力だって関係ないのだ、勝つ可能性は充分にある。 でも、もし間に合わなかったら妹は死んでしまうのではないか? 「ちなみに、勝負から逃げたらこいつはすぐ潰す。ゆっくりと、じわじわ苦しめて潰す」 「ゆぴぃ!?」 子まりさの逡巡を見抜いたかのようなタイミングで少年が話を続ける。 赤まりさは明確な処刑宣告に悲鳴を上げ、それが子まりさに決断をさせた。 「わかったよ! まりしゃ、やるよ!! にんげんしゃんにかっていもうとをとりもどすよ!!」 「そうこなっくっちゃ」 「おちびちゃん! まりさがかわるよ!!」 「駄目駄目、親の介入は禁止」 見かねたまりさが代わりに勝負を受けようとするが、それは不可能である。 これは、子まりさ自身が持つ“俊足”に対する自信をぶち壊すための遊び(ゲーム)なのだから。 「いいか、この線の後ろからスタートしろ」 「わかったよ!」 少年は地面にバットで一本の線を引き、スタートラインを作る。 そこと赤まりさの落下点と思われる場所はそう距離があるわけではなく、そんなに無茶な条件ではないと感じられた。 「俺が腕を振り上げたらスタートしていいぞ」 「かんたんだにぇ! にんげんしゃんに、こんどこそまりしゃのしゅんそくのしんかをみせてあげるよ!!」 子まりさは自信満々で、赤まりさにも笑顔を振り撒く。 「もうちょっとまっててにぇ! おねーちゃんのおぼうしさんでやさしくうけとめてあげりゅよ!!」 「ゆゆーん! おにぇーちゃんありがちょー!!」 赤まりさは大好きな姉に全幅の信頼を向け、自分が助かると疑ってすらいない。 「おちびちゃんならできるよ!」 「がんばってね! れいむたちがついてるよ!!」 まりさとれいむも、ゲームの条件が酷い物ではないと思ったのか、子まりさに全て任せる事にしたらしい。 自分達がしゃしゃり出て人間の機嫌を損ねたらいけないと判断したようだ。 「それじゃ、いくぞ」 少年が腕をゆっくりと振り被って赤まりさを自分の頭上まで持ち上げようとする。 赤まりさは先程よりさらに高くなった視界から見える世界に驚くが、これも姉が自分を助けてくれるまでの辛抱だと思って楽しむことにしたようだ。 (しゅっごくたかいにぇ!!) またスタートでの加速のために身体を曲げていた子まりさも、妹達をこ全ての方法で助け出してみせる、と考えていた。 自分が勝ったら人間さんは悔しがる筈、その後に挑発すれば、自分に有利なこのゲームを継続させる事ができる、と。 「ゆぅっ……!」 遂に少年の腕が頂上に達する。 それがスタートの合図となり、ほぼ同時に子まりさは走り出した。 フライングではなく、ほぼ完璧なスタート。 このまま順調に行けば、赤まりさが落ちてくる前に落下予測地点へと先回りできて悠々と妹を受け止められる。 だが、 「大地にっ、還れぇえええええええっ!!!」 「おしょりゃびゅっ!?」 少年は全力で赤まりさを握った腕を振り下ろし、彼女を落下予測地点へと寸分の狂いもなく投げた。 それは、もう投げるどころか叩きつけると言った方が正しかっただろう。 ゆっくり程度の反応速度では追いつくことすら許されず、赤まりさは地面に餡子色の花を咲かせ、数テンポ遅れてそこに到達した姉の顔にべったりと中身を付着させた。 風圧で、赤まりさのものだった帽子がやや離れた場所に落ちる。 「綺麗に弾けたな」 「ゆ? ま、まりしゃのいもうとは……?」 確かに妹は少年の手から離れた、それは分かっている。 なら、ここにいなくてはいけない赤まりさは一体何処に消えてしまったのか。 子まりさはきょろきょろと前後左右にせわしなく顔を向ける。 それは、赤まりさが潰れた瞬間を視認してしまったことを誤魔化す為の虚しい行為であった。 「あ、あかぢゃんがぁあああああ!?」 「ひどいぃいいいいい!! またしんじゃったよぉおおおおお!!!」 後ろから見守っていたまりさとれいむは、三匹めの我が子が殺されたことを嘆く。 両親の言葉を聞いた子まりさも、赤まりさが死んだことをようやく認めた。 「まりしゃは、しゅんそくで……。はやくて……。いもうともたすけて……」 自分の俊足は、肝心な時に何の役にも立たなかった。 なら、こんなあんよに何の意味があるのだろう。 妹一人すら救えない、こんなあんよに。 「何が俊足だよ。全然駄目じゃん」 「……ゆぐっ」 「そんなスピードでよく助けるだとか守るとか言えたもんだ、笑わせる」 「ゆぇええええええん!!!」 恥も外聞もなく、子まりさは泣き叫んだ。 信じていたものが、誇りが、思い上がりが打ち砕かれ、後には何も残らない。 「そんな役立たずな足は……」 「ゆえっ?」 少年の一人が子まりさを摘み上げると、そのあんよと顔の境目にハサミの刃を滑らせる。 「ゆひぃっ!!」 冷たい金属の感触は無機質な恐怖感を与えるものだった。 その刃にはクリームがついていてべとべとしており、子まりさの前にも誰かゆっくりがゆっくりできない目に遭わされたのだろうと分かってしまった。 そして、勢い良く刃は子まりさのあんよを切断する。 「ゆ゛ぎゃぁああああああっ!!!」 ざくっ、と小気味良い音がした後には、子まりさのあんよは体から離れていた。 「まりじゃの、まりじゃのがもじかのようなびぎゃぐがぁあああああ!!!」 己の命とお飾りと、同じくらい大切なあんよ。 それは永遠に子まりさから奪われた。 「いらないよなぁ?」 あんよは地面に投げ捨てられると、少年に踏まれ執拗なまでに磨り潰される。 よほどゆっくり風情に速さが足りないと侮辱されたことが頭にきたのだろう。 「まりざゆずりではんざむなおちびぢゃんの、ずまーどなあんよぐぅぁあああああ!!!」 「どぼじでごんなごどずるのぉおおおおお!?」 「勝負に負けたから罰ゲーム」 「そんなごどぎいでないよぉおおお!?」 「そりゃそうだ、今初めて言ったんだから」 両親の相手はほどほどに切り上げ、子まりさの餡子が零れ落ちないように地面に降ろす。 その際に、中身が直に地面と接触するような置き方をし、子まりさに苦痛を与える。 「い゛っ! い゛っ!!」 人間で言うなら、腰から下を切り落とされて臓器が露出したものを何の手当ても受けず、雑菌だらけの地面に置かれると言った方がその痛みの程度が伝わりやすいだろうか。 気が狂いそうな痛みが断続的に続き、今にも体を揺すって暴れたくなる衝動を必死に抑える子まりさ。 中身が失われたら、それは己の死に繋がることを本能的に分かっているのだろうか。 「でかいのに忠告するぞ。そいつ、下手に動かすと死ぬから」 「「ゆ゛うっ!?」」 まさに子まりさへと駆け出す寸前だった両親は、少年の忠告を聞いて思い止まる。 さっき赤れいむを過失によって死なせてしまったばかりなのだ。 「じゃあどうすれば……」 「放っておけば?」 自分がしておいて実に無責任なことを言う。 しかし、子まりさを少しでも長く現世に留めておきたいならば放っておく事が一番だった。 ゆっくりの治療などではかえってずっとゆっくりさせてしまうことになりかねないからだ。 ただ、それが本当に子まりさへの愛情になるかは疑問が残る。 一刻も早く楽にしてあげたほうが良いのかもしれない。 「そうそう、間違い三つ目。お前等、俺達に迷惑掛けてないって言ったな?」 「そ、そうだよ!! なのにどうしてこんな」 「生きてるだけで迷惑なんだよ。俺達だけじゃなくて、この地球上の生き物皆にとって」 「「ゆゆゆっ!?」」 それを言うなら人間もある意味ゆっくりと同じ部類に分類されるかもしれない。 だが幼い少年達は、まるで何処かの国のように彼等だけの理屈を強引にまりさ達へと押し付ける。 「そうだ、今俺達地球防衛軍ごっこやってるんだよな」 「うん。やっぱりこいつ等駆除するのって、地球の為になるんだね」 「善は急げだ、他のも手っ取り早く始末しよう」 のた打ち回って苦しむ子まりさを尻目に、少年達は淡々と“遊び”の続きの為の準備を始めた。 三、 五体満足な子供達は、赤れいむと赤まりさが一匹ずつ。 少年達は二匹を見比べると、赤れいむをチョイスした。 「赤リボンにしよう。さっきの奴の雑音がまだ耳に残っててすっげーむかつくから」 「どうちてぇえええええ!?」 子れいむの渾身のおうたは、赤れいむに八つ当たりの矛先を向けさせてしまった。 とんでもないとばっちりである。 「きゃわいいれーみゅがこまってりゅんだよぉおおお!!! おちょーしゃんもおかーしゃんもどーちてたちゅけてくれにゃいにょぉおおお!?」 他力本願だが、無力な赤ゆにとって両親はこの場で唯一頼れる存在なのだ。 姉達の内一人は死に、もう一人はかろうじて生きてはいるが動けない状態とどうしようもない。 「おねがいです!! れいむににたおちびちゃんはもう、そのあかちゃんしかいないんですぅううう!!! だからころさないでくださいぃいいい!!!」 自分に似た可愛い娘はもう赤れいむしかいない。 必死で何度も土下座をするれいむ。 上から目線だった言葉遣いも敬語になり、今までとは違う。 「分かったよ。殺さなきゃいいんだな?」 「はい! ありがどうございまずぅううう!!!」 「何勘違いしてやがる」 「ゆ?」 少年は正義の味方というより悪人らしい笑顔を浮かべると、赤れいむを持って近くに生えている木まで近付く。 「にゃにしゅるにょ!?」 「お前のお母さんが泣いて頼むもんだから、死刑だけは勘弁してやるよ」 丁度良い細さの枝を探し当てると、 「奥義、百舌鳥の早贄!!!」 「えげぇえええええっ!!!」 赤れいむの口を枝が貫く。 少年が強引に赤れいむを枝に突き通したのだ。 傷ついたのは口と、貫通した背中の傷だけなので餡子は漏れず、すぐに死に至ることはない。 モズは獲物を食べもせず木の枝に突き刺したままにすることがあるという。 この光景はまさしくそれに近いものがあるだろう。 もっとも、残酷さはそれを軽く上回っているが。 「一瞬で殺してやることもできたんだけどな、お前のお母さんが余計なこと言うから」 「れ、れいむのせいなの!?」 「ああ、可哀想に」 棒読みで少年がれいむを非難する。 「れ、れいむはあかちゃんを……」 「次はクロボウシな」 悲嘆に暮れるれいむを無視し、最後の赤ちゃんが標的にされた。 「もう、やめでぇえええ!!!」 「嫌だね」 もう何度懇願しただろう、まりさの願いはまたも黙殺される。 赤まりさは、夫婦にとっての最後の希望なのだ。 唯一五体満足で、少年達が思い止まればこれからもゆっくりできる可能性がある。 子まりさはあんよをうしなってもう動けないし、木の枝に縫いとめられて奇妙なオブジェと化した赤れいむはもう助からない。 だから、この赤ちゃんだけは……! 「痛いことはしない、でも、じわじわ苦しめてやる」 「ひゃみぇひぇひぇ! ひゃいひゃひょおひゅひ!!」 (やめちぇにぇ! まりちゃのおくち!!) チューブのようなものを咥えさせられ喚く赤まりさ。 抵抗していると、チューブの中から苦い液体が放出された。 形容し難い味が口内いっぱいに広がっていく。 (にぎゃいぃいいい!!! まじゅいぃいいい!!! こりぇどくはいっちぇりゅ!!!) 甘味を好むゆっくりの味覚にとって絶対に受け付けない味。 いや、およそ生きとし生けるものにとって、その味を好む物は存在しないだろう。 (こんにゃまじゅいもにょまりちゃにのましゃりゅなんちぇ!!) 文句を言ってやろうと口を開けようとすると、違和感を感じる。 (ゆ!? ゆゆ? ゆゆゆ!?) どうやっても口が開かないのだ。 「成功したか」 赤まりさが口に入れられたもの、それは瞬間接着剤。 口が小さい赤ゆに対してならそんなに多くの量を消費せず、容易に口腔を接着できるのだ。 これで、赤まりさは一生口を開く事ができなくなった。 それは、食事もできないということであり、死を意味する。 「ほれ」 「あかちゃん!!」 まりさの目の前に赤まりさが返還されるがうんともすんとも言わず、ただ涙を流し続けるだけだった。 「あかちゃん! しゃべれないの!?」 こくり、と体を前に倒す赤まりさ。 我が子達に待ち受ける暗い運命に、まりさは呻いた。 四、 これで、今生きているまりさの子供達の中で無事な者は誰一人いなくなった。 「よくも……」 落ち込んでいるまりさの耳に、これまでに一度も聞いた事が無い程低いれいむの声が聞こえた。 「よくも、れいむのかわいいかわいいおちびちゃんたちをぉおおおおおおっ!!!」 れいむが少年達に向けて特攻していたのだ。 人間に勝てないことはこれまでのことで分かっている、しかし理性を感情が上回ったのだ。 憎しみが導くままに、歯を剥き出しにして少しでも彼等に手傷を負わせてやろうとしたのだ。 おちびちゃん達の苦しみを、少しでも! こんなゲスにおちびちゃん達は理不尽に殺されて、傷つけられたんだ! 「だめだよ……」 まりさは、この次に起こる事を半ば予想していた。 「まって……」 少年がバットを流れるような動作で構えて、れいむが地面を蹴って飛び上がった。 「おねがいだから……」 少年の上半身が捻られ、バットがれいむ目掛けて襲い掛かる。 「やめてぇえええっ!!!」 それは、どちらに向かっての言葉だったのだろうか。 愛するれいむか、はたまた憎き少年か。 いずれにせよ手遅れだった。 「げべぇええええええっ!!!」 吸い込まれるように、れいむの体に少年のバットが直撃した。 上顎から上は衝撃で吹き飛び、後方にいたまりさと赤まりさに餡子や皮がまるでシャワーのように降りかかる。 勢いを失って落ちた下顎はしばらく舌をびくびくと痙攣させていたが、やがてその動きも止まった。 「れいむぅうううううううううううっ!!!」 たった今れいむを撲殺した少年は額を拭う仕草をして、 「正当防衛だからな」 と言った。 まりさは、結局家族を誰一人守れなかったのだ。 「あ……。ゆぁあっ……!」 呆然としている間に帽子が奪われ、ハサミで切り刻まれる。 「これで、お前はもうゆっくりできない」 「……して」 「え?」 「まりさを、まりさたちをころしてください……」 家族を誰一人守れない父親は、存在価値が無いのだ。 子まりさ、赤まりさ、赤れいむも長くはあるまい。 寧ろ、もう生きていたくないのだ。 早くあの世に行ってまた家族で皆仲良く暮らしたい。 今のまりさの願いはそれだけだった。 「どうする?」 「ん~」 少年達は考えながら時計を見て、 「却下」 それだけを告げた。 「……なんで? にんげんさんなら、まりさたちをころすなんてかんたんでしょ!?」 頼みもしないのに散々まりさ達を傷つけて殺したくせに! 「もう疲れた」 「それに、自分から殺してって言われたから萎えた」 「ていうか、飽きた」 「腹減ったし」 子供は飽きっぽいのだ。 勝手な理由で行動し、勝手な理由でそれを止める、自由気儘な存在。 その行動の対象が、今回偶々まりさ達一家やその所属していた群れだっただけの話。 ゆっくりにはどうしようもない、天災みたいなものだ。 「じゃーな」 「生きてたらまた会おうぜ」 「元気でなー」 「楽しかったぜ」 遊ぶだけ遊ぶと、少年達は足早に立ち去って行った。 彼らは家に戻り、暖かい夕食を食べて心地良い疲れと共に熟睡することだろう。 「……ゆ、ゆがぁああああああああああああああああああああああああっ!!!」 後には、ほんの少し前までとてもゆっくりしていたまりさ一家の成れの果てが残された。 五、 緩慢な動作でまりさは動き始めた。 「おちびちゃん……」 子まりさは、蟻に群がられていた。 自慢の俊足もあんよが失われていては逃げられず、餡子が漏れないように体を僅かに揺らすしか抵抗手段はない。 それなのに、蟻は小さい体を生かして地表から直接子まりさの体内に潜り込んで餡子を奪っていくのだ。 「ありざんやめでぇえええ!! まりじゃのあんごもっでがないでぇえええっ!!」 普段は遊び感覚で獲物としていた蟻、そんな矮小な存在に、今自分が捕食されようとしている。 「もうありざんたべまぜん!! だからやめでぇええええ!!!」 内側から侵食される恐怖を味わう子まりさを、まりさは救う事ができない。 子まりさ目当ての夥しい数の蟻から、赤まりさを守ることで手一杯だったのだ。 「おとーじゃんだじゅけでぇえええ!! なんでたじゅげでぐれないのぉおおお!! おがーじゃあああん!! れいみゅぅううう!!」 もう意識が混濁して喚き散らすことしかできず、子まりさは蟻達の栄養となるしかなかった。 真っ黒な塊と化し、声さえ出せなくなりながらも死ぬまでには翌日までかかり、貪られ続けたのである。 「ごめんね……」 赤れいむは、夕暮れ近くになってやってきたカラスにその身を啄ばまれていた。 何でも食べるカラスにとって赤ゆっくりはご馳走である。 「からすさんはおちびちゃんをたべないでね!! ぷくぅううううううっ!!!」 痛む体に鞭打って威嚇をするが、地面から見上げるだけでは当然カラスに太刀打ちできず、赤れいむがカラスの胃に収まるのを黙って見ているだけだった。 「……」 赤まりさを口に入れて巣の中に帰り、眠りにつく。 ご飯を食べる気分ではなかったし、食事ができない赤まりさの前で一人だけ夕食をとるのは憚られたからだ。 そうすれば、今日の事は悪夢で、目が覚めればまたゆっくりした家族の顔があるのだと儚い希望を抱きながら。 六、 目が覚めたまりさはおうちの中を見渡すと、そこには赤まりさしかいなかった。 現実は厳しく、夢ならばどんなによかったか。 「おはようあかちゃん……」 「……」 赤まりさは返事ができなかったが、目線を返す。 やはり食事をしていないから弱っているようだ。 「おとうさんは、だれかいきてるゆっくりがいないかみてくるよ。いいこにしててね」 「……」 外に出ると、昨日の惨劇の爪痕が色濃く残っていた。 れいむと子供達の死体は捕食されて幾らか減ってはいたが、それでも凄惨な光景だった。 「ゆ、ゆげぇえええっ!!!」 まりさはあまりの気分の悪さに餡子を吐き出し、荒い呼吸をする。 ありすの死体も、虫が集って直視できない状態になっていた。 その場から逃げ出すように急いで広場へと向かう。 「みんな、いない……」 そこも似たような有様で、息をしているゆっくりは一匹もいなかった。 比較的まともな形で死んでいるものはまだ良い方だったぐらいだ。 「……」 ありすのおうちだったところにも足を運んでみたが、やはりそこにも絶望しか残っていなかった。 ぱちゅりーは死んでいて、その付近には、彼女とありすの一粒種になる予定だった筈の赤ちゃんらしき死体が転がっているだけ。 これで、まりさの知り合いは皆死んでしまった事になる。 「ただいま……」 とぼとぼとおうちに帰ると、赤まりさは目を閉じていた。 「あかちゃん、おねむなの?」 舌で舐めると、こてん、と転がったまま微動だにしない。 「あかちゃん? おとうさんだよ?」 呼びかけても一向に起きない。 赤まりさは、餓死したのだ。 「みんな、しんじゃったよ……」 おうちは、相変わらず立派だった。 でも、大切な物は。 「れいむも、おちびちゃんたちも、ゆっくりぷれいすもなくなっちゃったよ」 家族や群れのゆっくりした仲間がいてこそのゆっくりプレイス。 「まりさは、なにもまもれなかったよ。やくそくしたのに、まもれなかったよ……。まりさは、まりさは……」 広くなったおうちの中で、まりさの呟きだけが何時までも聞こえていた。 七、 一方、まりさ一家を悲しみが襲った日、家に帰った少年の一人は用意されていた夕食を母親と食べていた。 「今日お父さん遅くなんの?」 「そうみたいね」 「今日はな、俺、地球を守ってたんだぜ」 「この子は訳分からないこと言って……」 溜め息をつく母親に、誤解されないよう分かりやすく説明する。 「えーと、地球防衛軍ごっこだよ。森入ってゆっくり殺して遊んでたんだ」 「何だ、いつもと似たようなことしてただけじゃないの。また大袈裟な」 人間にとって、このようなことは日常茶飯事なのであった。 餡庫始まってもう一年になるんですね。 この道に興味持って半年未満の自分ですが、おめでとう、とだけ言わせて貰います。 ふたば系ゆっくりいじめ保管庫見たら売春婦4に新しい挿絵が! 儚いあき様、有難うございます!! Can ゆー defend? 中編の子れいむのマクロスの奴パクったおうた、あれ自分で口ずさみながらチェックして書いてたんですが、親に聞かれて恥かいたのは黒歴史。 ヤリまむあきでした。 ヤリまむあきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る この世にゆっくりが居れば罪のない虫が殺される事もないと思った作品でした -- 2012-02-07 14 08 23 す、す、すっきりーー!!!!めっちゃ最高だよ!!!パネェQNQNだよ!!! あー面白かったww子供の虐待は明るくて後味が爽やかでいいよね! やっぱり変にこった設定や虐待方法がなくても丁寧に心を壊していく虐待は最高だね 話や構成もとても丁寧かつしっかりと練りこまれていて奇抜さ無いけどとても重厚な読み心地でしたw ゲス制裁も面白いけど、やはり私はゆ虐の王道たる善良理不尽虐待が大好きです♪ -- 2011-11-16 06 19 24 鬼威家の親戚の子かな? -- 2011-08-11 19 12 22 ↓中国行ってスナッフビデオでも見てろよエイユウ志望様 -- 2011-07-20 15 33 27 どっちもゲス 人間のクソガキを鬼意山がブチ殺して「お前らクソガキもゆっくりも同じゴミなんだよ!」とか、そういう面白い展開無いかな -- 2011-03-11 19 25 56 子供達がマクロスを汚すなとか言ってるけど、その年齢でマクロスを網羅してるのか?しかも三人とも? にわかのガキがマクロスFだけ見て言ってるんだったら腹立つな。 -- 2011-01-21 21 58 24 ゆっくりできたよー! 童心の遊びってこんな感じか。 昔苛めた虫も喋れればこういう事を言ってたのかな? …いやゆっくりと比べたら虫に失礼か -- 2010-12-05 22 19 35 これは嫌だ -- 2010-10-13 18 30 42 子供たちは善良を自称するゲス饅頭軍団から森の生き物たちを守ったんだよ…… 食べ物がいくらでもあるとのたまう饅頭どものことだ、調子にのって無計画に森の生き物を食い尽くすに違いない 行き詰まった宇宙生物どもはやがて必ず人間の街を侵略するだろう。その危機を未然に防いだんだ -- 2010-09-22 00 34 50 ゆっくりに守れるものなんてあるの? -- 2010-08-31 10 31 21 「あかちゃん! しゃべれないの!?」 何でか解らないけどこういう台詞が凄くゆっくりできる ピンチのゆっくりが感傷的な台詞を言うのは余裕ありそうで嫌だが、必死な状況確認は胸が熱くなるな 「あかちゃん」というのもGOOD -- 2010-08-18 10 04 16 ゲスいじめは悪をこらしめるってゆーいわゆる勧善懲悪ってかんじだけど善良なゆっくりいじめはほんといじめてる感がある。 -- 2010-08-17 10 15 49 善良なゆっくりのほうが虐待しがいがあると思うな。いかにもいじめてますってかんじがいい。 -- 2010-08-06 10 54 51 ガキうぜぇw 鬼意山の無慈悲な虐待のほうが面白いな -- 2010-08-05 22 30 27 子供って、こういう昆虫を面白がって殺したりするの 一回はやるものですよね。面白かったです。 ゲスなゆっくりだったらもっと良かったかも。 -- 2010-07-23 02 43 17 いいお話でした。ゆっくりー。 -- 2010-07-10 12 11 39 ゴミ掃除くらい誰でもするでしょ -- 2010-06-30 00 44 17 日常茶飯事ってw -- 2010-06-22 16 26 02 ゆっくりできたよ -- 2010-06-14 03 30 16 ゆっくりはどうでもいいけど、このガキがむかつきすぎてゆっくりできないぃいいいい -- 2010-04-17 04 20 52
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越冬のススメ その台詞は言わせない の登場人物出てきます。 一部ガチ愛で描写あり。 『越冬』 それは餓死の祭典、ゆっくりの死亡フラグ。 ゆっくりの共食いと餌強奪の実に9割が、この時期に集中することからもわかるように、 ゆっくりの先見性と勤勉さと、強運(これが一番重要)が試される毎年の恒例行事。 ゆっくり達は、意外に多様な方法でこの『越冬』を行っていることを、皆さんはご存じでしょうか? 今回は、ゆっくり達が冬に見せるさまざまな『越冬』の様子をお送りしましょう。 先ずは、スタンダードな『越冬』の様子から。 ■1 備蓄 ~山中にて~ 超小型のカメラが侵入したのはこちら、れいむとまりさの愛の巣です。 「ゆぴゃああああっ! れいみゅゆっくちできないよ~!」 「さむいのじぇ! すーりすーりしてくれのじぇ!」 おっと、どうやら愛の結晶、赤れいむと赤まりさも、元気に泣いて居るようですね。 「ゆうぅ……どうかゆっくりしてほしいのぜ、おちびちゃんたち」 「おかあさんがすーりすーりしてあげるからね! そうしたら、いっしょにすーやすーやしようね!」 ここでカメラには、この巣の"しょくりょうこ"を映して貰いましょう。 ご覧下さい。食料庫には、山菜や干し柿、きのこや、虫などが山と積まれて居るではありませんか。 この餌の総量は、成体のゆっくりがおよそ5体は『越冬』出来る程に蓄えられているのです。 人間の畑から盗んだ野菜が見当たらない辺り、このつがいはかなり賢い個体のようです。 それでは、『冬に赤ゆは死亡フラグ』と言われる理由をお見せしましょう。 「ほら、すーりすーり……」 「ゆうぅぅ……おかあしゃんのすーりすーりはゆっくちできりゅよ!」 「ゆふふ、まりさおねえちゃんも、おかあさんにすーりすーりしてもらうのぜ!」 「おとうしゃん! まりしゃはおなかがすいたのじぇ! むーしゃむーしゃしたいのじぇ!」 どうでしょうか? 赤まりさがごはんを欲しがる様子が見えましたか? 実はこの家族、つい先程ごはんさんを存分に食べたばかりなのです。 「……まりさ」 「しかたないのぜ……おちびちゃん、むーしゃむーしゃするのぜ」 「ゆわーい! ほしがきしゃんなのじぇ! むーしゃむーしゃ……ちあわしぇええ!!」 「おねーしゃんずるいよ! れいみゅにもむーしゃむーしゃさせちぇね! たくしゃんでいいよ!」 ご覧のように、ゆっくり達は足りない"ゆっくり"を食事によって補充しようとします。 ゆっくりがゆっくりを感じるための食事は、実際の所、活動を維持するために摂る食事よりも 多くを必要とするのです。 「ゆふーん。おちびちゃんたちゆっくりしてるよ~」 「ゆゆゆ……だけどれいむ、ごはんさんがたりないかもしれないのぜ……」 そして、賢ければ賢いゆっくりである程、赤ゆの暴食によって不安を感じ、今度は親ゆっくり達が ゆっくり出来なくなるのです。その"ゆっくりできない"雰囲気が、さらに赤ゆに感染します。 これを繰り返すのが『ゆっくりスパイラル』という現象なのです。 一般的に、親ゆ二体+子ゆ二体という構成の家族が六割以上『越冬』を成功させるのに対して、 赤ゆっくり二体を抱えるつがいの家族は、一割も冬を越せないと言われています。 親ゆっくりが赤ゆ達を切り捨てるのか。 あるいは、母性(笑)の"おたべなさい"をする事になるのか。 親れいむのでいぶ化、親まりさのゲス化もあり得るでしょう。 「「むーしゃむーしゃ……しあわしぇ(なのじぇ)~~!」」 「「ゆっくりできないよ!」」 この巣の撮影は継続して参りますので、家族の顛末は春の特番でお楽しみ下さい! ■2 母性 ~山中にて~ 今回取材班は、加工所職員Aさんの協力を得て、特殊な越冬方法をとるゆっくりの発見を成し遂げました。 カメラに映し出された壁のようなもの……皆さんはなんだかわかりますか? 画面端に映るぴこぴこで、これが何だか分かった方も居られるのはないでしょうか。 そう、これは肥満体のゆっくりれいむなのです。 念のために申し上げておきますが、これは"でいぶ"ではありません。ぴこぴこのわさわさの中に、 ちいさな赤ゆっくり達が見えます。しかし、食料の備蓄は何処にも見当たりません。 少し時間を進めて、この親子の食事風景を観察してみましょう。 「おねえちゃん、ゆっくちちていっちぇにぇ!」 「おにゃかしゅいたー!」 「……おかあしゃん、れいみゅゆっくりおなかしゅいたよ!」 「おちびちゃん、ゆっくりしていってね。いまごはんさんをよういしてあげるからね」 そういうと親れいむは、舌で巣の中の土をすくい取り、噛み始めました。 「もーぐもーぐ……ぺっ! さあ、おちびちゃん。むーしゃむーしゃしてね」 「ゆゆ~ん。おかあしゃんのごはんさん、ゆっくりしてるよ~」 「むーしゃむーしゃ……しあわせー」 「おいちいにぇ、おねえしゃん!」 親れいむのわさわさの中で、赤れいむも赤まりさも、ゆっくりとした食事を摂っています。 それを眺める親れいむの表情も穏やかです。 なんとこのゆっくりれいむ、「越冬前に全ての食料を食べて置いて、後で餡子を吐き与える」 という越冬方法をえらんだのです。 土と混ぜ合わせた餡子は甘すぎず不味くなく、赤ゆ達の繊細な味覚を壊すこともありません。 効率の良い餡子の摂取によって、処理が必要なうんうんの量も少なくて済むのです。 ご存じの通り、ゆっくりは"ゆっくり"さえ足りていれば非常に燃費がいいナマモノ、体の大きな 母れいむが体内に餡子の形で保存しておけば、おちびちゃんたちが盗み食いする心配もありません。 常に親子のふれあいからゆっくりを感じ合う事で、この家族の『越冬』は恐らく成功するでしょう。 「ゆ~ん……おにゃかいっぱいになったよ」 「おかあしゃん、ねむたくなってきたよー」 「ゆふふ……それじゃあおちびちゃんたち、すーやすーやしようね」 え……つがいのまりさ? まりさは犠牲になったのです……越冬の犠牲に。 大きな大きな三角帽子が、赤ゆっくりと親れいむの足下で、冬の冷気を遮ってくれています。 なお、この巣は加工所建設予定地となった山で、事前の調査によって発見された物です。 工事の開始は春。 夏になれば、ぴかぴかの加工所で、このゆっくり親子も元気な姿を見せてくれることでしょう。 ■3 ドス ~山中にて~ 皆さん、この一見草が生えているだけの岩壁に、ゆっくりの姿があるのが分かりますか? それでは正解――この、固そうな岩の表面をカメラマンがつついてみます。 ぶにゅおん。ぶにょん。どうでしょうか? 岩の壁が凹んだのが見えましたでしょうか? これは、越冬中の"ドスまりさ"を捕らえた貴重な映像です。 見た目には岩の壁がそびえているようにも見えますが、実は体高3m程のドスまりさが、 洞窟の入口を自らの体で塞いでいるのです。 これが、一般に"ゆっくりステルス"と呼ばれる能力の効果なのです。 ドスの表面は凍っていますが、中枢餡は分厚い餡子の向こうに保護されていて、冬の間中 損傷を受けることはありません。 ドスが顔をどちらに向けているのか気になりますか? ……はい、カメラをやや下に寄せると、なにやら小さな穴があるようです。 ドスのあにゃるか、あるいは閉じた口なのでしょう。 カメラマンさん、適当な枝を中に突っ込んでみて下さい。 「(……ゆっ!)」 ――はい、岩壁がびくりと震えましたね。どうやらあにゃるのようです。 「(ゆっゆゆゆゆっゆゆゆゆ――)」 ああ、カメラマンさん! そんな満面の笑顔で抜いたり差したりこねくり回しては駄目ですよ。 「(――すっきりー!)」 「(ゆん? なんかねばねば……!!)」 「(どぼじでくきさんがはえでるのおおおぉぉぉ――!?)」 「(ゆふ~ん。れいむのあたらしいおちびちゃんもゆっくりして……ゆゆゆ!)」 「(おちびちゃんたちにくきさんはえてるよー! わからないよー!)」 「("えっとう"ちゅうにドスがすっきりしちゃだめでじょおおぉぉ……エレエレエレ)」 どうやらドスの精子餡が、洞窟の中に飛び散って新たな息吹を誕生させてしまったようです。 ナマモノの神秘は素晴らしいですね。 このように、ドスの穴掘り能力が不十分な場合、外部の影響から群れを守りきれない場合もあるのです。 ドスの居る群れはゆっくり出来るというのが、ゆっくり達の間では常識になっています。 ですが、ドスもまた一割ほどが、『越冬』に失敗してしまう事があるそうです。 主な原因は、食料備蓄の不足によって群れのゆっくりが洞窟の内部からドスを食い荒らす事。 先程大量の赤ゆが生まれた洞窟の群れでも、春に近くなればドスを食い破って、成体ゆっくり達が 外に飛び出してくるでしょう。 我々撮影スタッフは引き続き取材して参りますので、その決定的瞬間は春の特番をお待ち下さい! ■4 真空 ~お兄さん宅にて~ ここまでは、自然界で苛酷な『越冬』に挑むゆっくり達の様子をお送りして参りましたが、 中には"にんげんさん"の手を借りて、更に死亡フラグの強化に挑む、果敢なゆっくり達の姿も あるのです。 "越冬に手を貸して欲しい" そんなゆっくりの願いに耳を貸す奇特な――もといドS(親切)なお兄さんのお宅に、 今日はお邪魔をしています。お兄さんこんにちは。 「こんにちは、お兄さんはお兄さんです。ゆっくりしていって下さい」 ……はい、実際にゆっくりを『越冬』させる様子をうかがいましょう。 お兄さんが取り出したのは、皆さんご存じ"透明な箱"。これは一家族が入る防音タイプですね。 中には、見るからにやせた、ゆっくりれいむの一家が居ます。越冬の為の餌を採り損ねたのでしょう。 「私に"越冬"の手伝いを頼むゆっくりは、大体こんな家族構成です。とくにれいむ種が多いですね」 それでは、親れいむの鳴き声を聞いてみましょうか。 「れいむはれいむだよ! ゆっくりしていってね!」 はいはい、ゆっくりゆっくり。 「おにいさんはゆっくりしないで、れいむたちを"えっとうっ"させてね! はるまででいいよ! "えっとうっ!"したら、れいむはむれのまりさとすっきりーするんだよ!」 これは親れいむ、逞しい声で鳴いてくれました。カメラマンさんはビキィッ! しないで下さいね。 ではお兄さん、作業の方にどうぞ。 「はい、まず最初に親ゆっくりを、子ゆっくりの見えない所で分解します」 「ゆゆっ! れいむおそらをとんで――ゆっ!? りぼんさんかえしてね!」 おおっと、此処でお兄さん、親れいむのお飾りを取ってしまいました。 「舌と髪と目も取って、子ゆ達に食べさせます。今回はこちらに、分解し終わった成体のまりさを 用意してありますので、親れいむは脇の箱に――」 「おりぼんさんかえせえええ……おそらをとんで――ぼふっ!」 「ゅ……ゅ……」 成体まりさは、先程の子れいむの箱に入れて食べさせるわけですね? 「そうです――こうやって。この時、箱の中のおちびちゃんたちを潰さないように気をつけて下さい」 ハゲ饅頭の元まりさを、お腹をすかせたおちびちゃん達が猛然と食べ始めます。 「「むーしゃむーしゃ……ちあわちぇー!」」 こうして、『越冬』の作業に耐えられる体力を、子ゆ達につけさせるのだとか。 しかし、親ゆっくりを潰してしまって良いのでしょうか? 「生存率は五割を保証してありますので……」 五割? 「"たくさん"のおちびちゃんが"えっとうっ"できるんだね、だったらいいよ! と、親ゆっくりからは快諾を貰っています」 なるほど、それでしたら安心です。 「もっ……ゅ……」 その間に成体まりさが永遠にゆっくりしてしまいましたが、まだ半分以上残っていますね。 「時間がかかりますので、こちらの"透明な箱"に、食べ終えた子ゆ達を用意してあります」 「おなかすいたのぜ! おにいさんははやくまりさにむーしゃむーしゃさせるのぜ! あまあまでいいのぜ!」 「彼らに今度はラムネを食べさせます」 親ゆを食べて栄養たっぷりになった子まりさ達が、投げ入れられたラムネに食いつきはじめました。 「うっめ! これめっちゃ……うめ…………ZZzz」 「完全に眠った子ゆ達の入った"透明な箱"がこちらです。この子ゆ達を、眠らせたまま布団圧縮袋に入れます」 血色の良いぱちゅりーが三つほど、すーやすーやしていますね。 お兄さん、布団圧縮袋の中に、まりさ種のおぼうしが入っているようですが、これはなんでしょうか? 「子ゆっくりをそのまま圧縮すると潰れてしまうので、緩衝材を入れます。プチプチでも構いませんが、 今回はまりさ種のおぼうしが大量に余っていますので、それを使っています」 なるほど、おぼうしの出所には触れない方が良さそうです。 「後は、普通に掃除機を使って中の空気を抜いて貰えば完成です。 こちらに、パックの終わった圧縮袋があります。保存は、日の当たらない冷暗所が良いでしょう」 はい、ちぇん種の子ゆっくりが、見事に真空パックされています。 ゆっくりは呼吸しなくても死にませんが、活動のためには生意気にも酸素を利用しているとのこと。 ゆっくりを仮死状態に置くためには、真空パックにする事が効果的なんです。 アダルトビデオを思い出したカメラマンさんは、明日病院に行って下さいね。 しかし、なぜまたゆっくりの『越冬』を手伝おうという気になったのでしょうか? 「冬場はゆっくりが寄りつかないので、甘味が不足するんですよ」 ……え? 「――え?」 食べるんですか? 「食べないんですか?」 先程五割とおっしゃいましたが? 「冬の間に少しずつ食べて、半分くらいは残りますから」 …………以上、お兄さんによる『五分でできる、ゆっくり保存食講座』でした! ※なお、番組に使用したゆっくりは、後でスタッフが美味しく頂きました。 ■5 冷凍 ~町役場、ゆっくり対策課にて~ 「……なにやってんだ、あの馬鹿?」 画面に知り合いの顔を発見したお姉さんは、あきれ顔でテレビを消すと、手元のパックから餌用 ゆっくりまりさ(混ぜ物一切無し、一体150円)を取り出して背中に放った。 「ゆゆっ! おしょらをとんじぇ……ふらんだーーーっ!」 「うー!」 空中キャッチ、吸餡、咀嚼、咀嚼、嚥下。 末期の台詞も吐けずに、赤まりさは金バッジを着けたふらんの口に収まった。 「美味いかよ、ふらん?」 「うー……あまあま……」 お腹が一坏になったふらんは、おおきなまぶたをとろんとさせて、波に揺られるビーチボールのように、 ゆらゆらと上下運動を始めた。 「やっぱし、そろそろ冬眠の季節かねえ……」 真っ赤に塗られて、『こうまかん』と書かれた冷凍庫をちらりと見る。 「おねえさん、ふらんをとじこめる?」 「そんなんじゃねえよ。春まで寝てて貰うだけさ」 「ふらん、ひとりでとじこめられる? ふらん、ゆっくりこんてにゅーできない?」 「そんなんじゃねえって」 膝の上に降りたふらんを撫でながら、お姉さんは静かに、相棒の不安を宥めた。 事務用椅子に座ると足が床に届かないお姉さんの足下へ、銅ばっじをつけためーりんが寄ってくる。 「じゃおおお」 「ほれ、めーりんも言ってるじゃねえか。ふらんはひとりじゃ無いってよ」 「じゃお!」 「めーりん……」 お姉さんの足下で、めーりんが胸を張るようにのけぞった。 春になったらめーりんの銀バッジを狙ってみるか、と思い始めたお姉さんの膝で、ふらんは不安に眠れないでいる。 「なあ、ふらん。よく聞けや。アタシは何も、ふらんが可愛いだとかゆっくりできるだとか、 そんな○○玉の抜けた愛で野郎どもみてえな理由でお前の世話してんじゃねえんだ」 「うー?」 「ふらんのその食いっぷりが気に入ってるから、お前を相棒にしてんだよ。 今年の春から、お前がどれだけ野良や畑荒らしのゆっくり共を食ったか分かるか?」 「うー……ふらんわからない」 「驚くなかれ、千と五百に二十匹――だ。さっきの十匹は、経費で買った餌だから数えるなよ」 「それ、"ひゃく"よりたくさん?」 「百が十五個より、ちっと多いな」 「じゃおおお!」 ふらんがお姉さんに褒められていることを察したのか、足下のめーりんが我が事の様に喜んでいる。 「おねえさん」 「ん?」 「らむねさんちょうだい。ゆっくりでいいよ」 「おお……ちょっと待ってな」 掌にラムネを盛るお姉さんの足に、めーりんがぽすん、と体当たりをした。 「あん? なんだよめーりん?」 「じゃお! じゃおじゃお!」 「うーん……弟や"あの馬鹿"と違って、めーりんの言葉までは分からないんだよな、アタシは」 「じゃじゃお……じゃおおおぉぉ!」 のーびのーびを繰り返すめーりんは、真剣そのものの目をふらんに向けていた。 「……ひょっとしてお前、ふらんと一緒に冬眠するって言ってんのか?」 「じゃお!」 「はは、……捕食種だってーのに好かれたもんだなあ、ふらん」 「ふらんもめーりんはすきだよ。おねえさんもゆっくりしててすき」 「そうかい」 お姉さんは、あんよについた埃でスーツの裾が汚れるのも構わず、めーりんを膝に乗せた。 「ほれ、半分こしな」と言って、両手から直接ラムネをむーしゃむーしゃさせる。 「あまあまでしあわせー、だね。……めーりん」 「じゃおおお……」 「おねえさん」 「なんだ?」 「おねえさんは、こんてにゅーできるよ。ゆっくり……していってね……」 やがて寝息をたててすーやすーやを始めたふらんとめーりん。 2ゆを即座に冷凍庫に入れることはせずに、お姉さんは赤と金色の頭を撫でていた。 そんなゆっくりとした気分を遮る、甲高い電話のコール。 「……ちっ!」 こんな季節に、ゆっくり対策課の緊急回線が鳴る用事など、一つしかない。 膝上のゆっくりをやさしく冷凍庫の中に横たえると、お姉さんは餡子に黒く染まった 愛用の得物を携えて、ゆっくり対策課のドアを潜った。 ■6 こどく ~加工所にて~ 「は~い、それじゃあゆっくりの皆、ゆっくり"えっとうっ!"しようじゃないか!」 「ゆっくちりかいしちゃよ!」×500 「ただ、お兄さんはごはんさんを用意していないんだな、これが!」 「ゆっくちちないで、あみゃあみゃをもってきちぇね、くしょどれい! すぐでいいよ!」×500 「あまあまは、そう! 君達自身です!」 「――ゆ――?」×500 「どうかお互いに食い合い殺し合いむさぼり合って、最後の一ゆになって下さい!」 「どぼじでぞんなごどいうのおおおおおーーー!?」×500 ぱたん。 加工所職員Aさんは、30程並んだ選別槽の、最後のフタを閉じた。 ここは加工所の最下層。虐待用に出荷されるゆっくりの母体は、こうして生命力優先で選別される。 二体以上のゆっくりが選別槽から出てきたことはないが、逆に全滅した選別槽も未だかつて無い。 これは、孤独を生み出す箱であった。 「ああ、聞こえる。ゆっくり達の織りなす阿鼻叫喚の調べが!」 れいむ、まりさ、ありす、ぱちゅりー、ちぇん、みょん。 適当に入れて置いても、春に生き残る種類はなかなか偏らないものだと、Aさんは毎年の経験から知っていた。 「む……むむむ? 私には聞こえる。私には分かる! これはドスの足音ですね。 こんな時期に外を出歩くとは……ああ! 全く持って勿っ体っないっ!」 ■7 越冬失敗例 ~冬空の下~ Aさんの加工所から20km程離れた国道沿い。 飢えに耐えかねて山を降りたドスの群れは、ぎらぎらと粘つくような視線を、 道の真ん中で通せんぼをする"にんげんさん"の小さな姿へと向けていた。 「六尺五寸――って所か。小せえドスだな……」 ヒールを履いてぎりぎり五尺のお姉さんが、巨大なドスを見下した様に言った。 「にんげんさんはゆっくりここを通してね! ドスは"きょうてい"をむすびに行くんだよ! ドスたちは――」 「腹へってんだろ? メシをたかりに行こうとしてんだろ?」 「……ゆ?」 「言わなくても分かってンだよ。手前ーらが学習机だのランドセルだの、欲しがるわけねーだろうが」 ドスは、何故かゆっくり出来ない気配を感じて首(体全体)をかしげた。 このお姉さんは体も小さく、お飾りも無くてゆっくりしていない。 なのに何故か、れみりゃやふらんのような捕食種の気配を感じる。 「おい、そこのドス。悪いことは言わねえから、手前ぇ……今の内に死んどけ」 「ゆ……いきなりなにいってるのおおぉぉ!?」 「餌を溜めとく計画性も無え……。人間の危なさも分かってねえ……。にっちもさっちも行かなくなって、 いざ飢え死ぬって段になって、人間様を倒せば英雄か? 危機管理のできねえ無能なリーダーなんざ、 居ない方がマシだ。さっさと体真っ二つにかっ捌いて、"おたべなさい"しろや。そうすりゃ群れの一個ぐらいは、 ドス食って生き延びられるだろうが」 『ドスが群れを引き連れて人間のテリトリーに入った』 その事実が見過ごせない以上、ドスの命はもはや無い。 ただ、ドスの使い道が残っているだけだ。 「ドスじゃなくてにんげんさんがしねばいいんだよー。わかってねー!」 と、ドスの後ろから、成体になったばかりらしきちぇんが飛び出して言った。 「そ、そうなんだぜ! にんげんさんがおとなしくごはんさんをむーしゃむーしゃさせてくれれば、 いたいめをみずにすむのぜえ!」 「むきゅ! ゆっくりしたドスが、ドスすぱーくをつかえば、にんげんさんもたおせるわ!」 若いちぇんの勇姿に心を打たれたのか、成体のまりさとぱちゅりーがしゃしゃり出てくる。 場の勢いに乗って、ドスの背後からも群れのゆっくり達がやんややんやと声を上げはじめた。 「あ゛ぁ゛?」 「ゆ……ドスはにんげんさんのおどしにはくっしないんだよ!」 お姉さんが凄んで見せても、ゆっくり達に引く気配はない。 危険な様子が分かっていないのだ。餓えが、野生の勘を削いでいた。 「交渉決裂ぅ……。まったく、どうせなら町長ん家の方に向かえっての。そしたらドススパークの一発ぐれーは 見逃してやんのによぉ。――よりによってあの馬鹿ん家の方に来やがる」 お姉さんはちらりと、背中の方に見える山を向く。 それは、もりのけんじゃ(笑)からすれば、致命的な隙にも見えた。 「むきゅ! いまよドス! いまのうちにドスすぱーくをつかうのよ!」 「ゆん! そうだね、ぱちゅりー!」 ドスは慌てて、おぼうしの中からすぱーく用のキノコを取り出す。 そしてキノコを口に含もうとしたその瞬間、ひゅん、と一陣の黒い風が吹いて、ドスの舌が根本から寸断された。 「ゆ? ドスの……ドスのべろさんがーー!」 「おーおー、流石ゆっくり。舌が無くてもしゃべれるんだな」 「もどってね、べろさんゆっくりしないでもどってね! ぺーろぺーろ……できないいいいいぃ!」 舌を口に戻そうとしてむーしゃむーしゃしてしまう程混乱したドスの前で、ひゅんひゅんと鳴る風は お姉さんの手元に巻き戻り、一束のトゲ付きワイヤーとなる。 「ちゃらららん。"ゆー死鉄線"~~」 効果音付き大山のぶ代で。 お姉さんは餡子の染みついた凶器――"ゆー死鉄線"を掲げた。 ひゅん! 放たれた"ゆー死鉄線"が、一瞬の内にドスの全身に巻き付く。 「ゆ――ほどいてね! おねえさんこれほどいてね!」 芯まで染みついたとてつもないゆっくりの死臭が、ドスの全身を苛んで、あまりにもゆっくりできない。 見れば、お姉さんがおもむろに取り出した二本目の"ゆー死鉄線"が、意志ある蛇のように群れのゆっくり 一体一体にまきついてゆくではないか。 「言いたいことがあるんなら、口がある内に言っとけや……」 そして、お姉さんは小さな体を一坏に使って、"ゆー死鉄線"をゆっくり、ゆっくりと締め上げはじめた。 「このアタシのプリティーな耳の穴よーくかっぽじって、命乞いから断末魔までガン無視してやっからよお!」 「がえりまず! おうじがえりまずがら! ごれほどいてえええええ!」 お姉さんは宣言通りに。 耳を貸すことは、無かった。 ■8 越冬成功例 ~辛い季節を越えて~ 「やれやれ、やっと取材スタッフの方も帰ってくれましたね」 今年の『越冬』分真空パックゆっくりを抱えたお兄さんが、保存庫にしている納屋へと足を運んでいる。 「あとは、ここに全部放り込んで置いて……と」 がらがらがら……どさり。 「あ」 納屋の扉から出てきた物は、がりがりにこけた頬、干からびた白玉の目玉、よれよれのお帽子。 「ゆっ……ゆっ……ゆっ……」 去年の冬に入れたまま、出し忘れた成体まりさの真空パックだった。 「もっと……ゆっくり……したかった……」 断末魔のまりさを見下ろして、お兄さんはほっと一息。 「良かった。どうやら、越冬は成功していたようですね」 納屋にゆっくりパックを放り込んで、扉をそっと閉ざした。 終わり。 過去作品 anko1521 その台詞は言わせない3 anko1508 その台詞は言わせない2 anko1481 その台詞は言わせない
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激辛れいむと珈琲ありす 前編 55KB 虐待 実験・改造 家族崩壊 同族殺し 姉妹物 赤子・子供 現代 独自設定 「餡子ンペ09」参加作品です ※独自設定注意。山盛り出てきます。 ※人間に因る虐待表現はほぼ0です。 ※何故か書く度に長くなる罠。しかも前後編。 ※今までの話とは繋がっていません。……今のところ。 書いた奴:一言あき 本日の激務を終え、片道一時間程の郊外に構えた4LDKの我が城へ帰り着けたのは午前三時。 これで明日は朝九時出社だと言うのだから、ブラックにも程がある。 「ただいまー」 サラリーマン夢の一戸建てではあるが、ここに住んでいるのは俺一人。 田舎暮らしが性に合うらしく両親はこちらに出向こうともしないし、俺は独り身なので妻も子供も居やしない。 だが俺の帰宅の挨拶に、誰もいない筈の家の中から応えが来る。 「おにーさん、ゆっくりおかえりなさい!」 家の奥からぽいんぽいんと跳ね寄って来たのは、半年程前から俺のペットになったゆっくりれいむだ。 「きょうもおしごとごくろーさま!ごはんはどーするの?」 「あぁ、帰りにコンビニ寄ってきたから……」 「またそんな『じゃんくふーど』ばっかりだとからだこわすよ!きをつけてね!」 「……俺のオカンかお前は。風呂は沸いてる?」 「ぬるくなってるから、おいだきしたほうがいいよ!すいっち、いれてくるね!」 「頼んだ。……ああ、忘れてた。頼まれてたお土産買って来といたからな」 オール電化の恩恵で、ゆっくりでも操作できる風呂場に向かった背中に放った俺の言葉に、目を輝かせて振り返るれいむ。 「ゆっ!ありがとうおにーさん!ゆわ~い!」 一層軽快な足取りで跳ねて行くれいむを見送りながら、俺はビニール袋から買ってきた弁当とビール、そしてお土産の小壜を取り出す。 ビールで喉を潤し、揚げ物中心のカロリー過多な弁当をもそもそ喰っていると、追い炊きのスイッチを入れたれいむが戻って来た。 目をキラキラさせて俺の言葉を待つ様はご褒美をねだる子供そのもので、思わず苦笑いしながら俺は小壜を掲げてれいむに見せる。 「ほら、これだろ?今開けてやるから待ってろ」 「ゆっくりしないでさっさとあけてね!……ゆっ!?」 無意識のうちに口走ったのだろう、言い切ってからはっとした顔になるれいむ。 先程までの輝いた顔が嘘であるかのように意気消沈してしまう。 「……れいむ……お前な……」 「ゆぅ……ごめんね…………かってにおしゃべりしちゃうんだよ………」 嘘ではない。ゆっくりの本能なのか、こいつらは思ったことをそのまま口に出してしまうのだ。 調べた所、本来気心の知れた仲間同士で生活するこいつらは気遣いと言うものを知らないらしい。 おまけにとても物覚えが悪く、持って回った言い方が通じないため本音や直球で会話するのだそうだ。 人間で言う空気の読めない発言や、自分勝手な発言が多いのはその所為だ。 逆に空気が読めるゆっくりは本音を隠すのが上手いゲス候補なんだとか。 しかし、このれいむは普通のゆっくりとは違う。 こいつはとある事情で俺に頼らなければ生きていけない。それが解ったとき、 『お゛に゛い゛じゃ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛ん゛!!ごべん゛な゛じゃ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛い゛ぃ゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!』 と、こいつはボロボロ泣きながら何度も俺に頭を下げ、餌を貰う代わりに家の雑用をすると言い出したのだ。 雑用とは言ってもゆっくりの出来る事はたかが知れているが、この家でなら大概の事はスイッチを入れるだけで済むので、れいむでも結構使えるだろう。 そんな出来の悪い小間使いを雇う程度の気持ちで飼い始めたれいむだが、存外役立っていた。 基本午前様の俺を出迎え、風呂やら郵便物の受け取りやら、こいつが出来る範囲の事を一生懸命やり遂げようとしてくれる。 何より一人暮らしの身には、たとえゆっくりでも同居人が居ることが何よりも安らぐのだ。 世間一般で言われるゆっくりの評価が当て嵌まらない程出来の良いれいむは、最早俺にとって家族同然の存在だ。 しかし、そんなれいむでさえゆっくりの本能には逆らえないのか、たまにこんなゆっくり出来ない事を口走ってしまう。 そしてその都度、こうやって落ち込むのだ。 「まあ仕様がないさ。ゆっくりの宿命みたいなもんだろうよ、気にすんな」 俺の慰めに、れいむは力無い笑いを浮かべる。 「……でも、れいむはふつうのゆっくりじゃないよ。れいむはもうほかのこたちといっしょにゆっくりできないのに、こんなところだけゆっくりのままなんて……」 泣き出しそうなれいむを、俺は小壜の蓋を開けながら励ます。 「何、時間はまだまだあるさ。大体、生まれて半年経ってない子供が悟った事言うなよ。それに……」一旦言葉を切り、部屋の奥に目を向けながら続ける。 「仲間ならもうすぐ増えるさ。あいつ、どうやら成功みたいだしな。」 それを聞いたれいむの目が再び輝きを取り戻す。 「ほんとう!?あのこ、れいむとおなじになるの!?」 「お前と同じって訳にはいかないが、少なくとも普通のゆっくりとは違うわな。ほら、開いたぞ。丁度良いし、これで乾杯するか!」 「ゆわ~い!ありがとうおにーさん!」 俺はビールの缶を、れいむは口に銜えた小壜を合わせて乾杯する。 「「かんぱ~い!!」」 ビールを喉に流し込む。晩酌代わりの一本だが、今の俺には高級シャンパン並みの美味さに思えてくる。 俺は『タバスコ』の小壜をラッパ飲みする『真っ赤な髪』のれいむを見ながら、あの日の事を振り返っていた。 『激辛れいむと珈琲ありす 前編』 その日、俺はいつものように激務を終えて疲れた体を引きずり、午前様の帰宅を果たした所だった。 「ゆっ!ここはまりさたちのゆっくりぷれいすだよ!!じじいははやくでていってね!!」 「れいむはあかちゃんがいるんだよ!!じじいはあまあまをもってきてね!!あとしんでね!!」 だが、誰もいない筈の家の中で待っていたものは、割れた窓ガラスとぐちゃぐちゃに掻き回された室内、そして頭に茎を生やした汚い饅頭共だった。 「きこえないの!?ばかなじじいはさっさときえて「お前が消えろ」ゆ゛べじっ゛!!」 「ばり゛ざぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?!?!?」 只でさえ疲れていた上に饅頭の相手などしていられない。黒い帽子を被った饅頭に思いっきり足を振り下ろし、素早く生ゴミになってもらう。 「生ゴミは静かで良いな。んじゃ、ゴミの始末はよろしく。あ、こいつらそれまで人質な」 「でい゛ぶの゛あ゛がじゃ゛ん゛がえ゛ぜぇ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!!」 赤いリボンを付けた掃除機が騒音を撒き散らすが、俺は掃除機がさっさと仕事を終えるよう、掃除機に生えていた雑草をもぎ取って人質にする。 尚も抵抗する掃除機だったが、俺が雑草に付いてた実を潰そうとすると大人しく仕事を始めた。 その姿を見ている内にふと思い付き、俺は茎を刺している花瓶代わりのグラスにあるものを混入する。 俺がそんな事をしている事に気付かないまま仕事を終えた掃除機が、また「あ゛がじゃ゛ん゛がえ゛じで!!」と喚き出したので適当に痛めつけてからガムテープで拘束。 身動きの取れない掃除機の目の前に、俺は茎を刺したグラスを置いてやった。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!でい゛ぶの゛!!でい゛ぶの゛あ゛がじゃ゛ん゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!」 掃除機の顔色が真っ青になる。その目線の先に居たのは、グラスに注がれたタバスコの所為で黒ずんだ実。十個近く実っていたプチトマトサイズのそれが、一個を残して全滅していた。 辛いもの、渋いもの、苦いものはゆっくりにとって劇物だ。一個残っただけでも奇跡だろう。 「良かったな、一個は無事だぞ」 「よ゛ぐも゛あ゛がじゃ゛ん゛を゛ぉ゛お゛お゛お゛お゛!!じね゛ぇ゛!!じじい゛ばじね゛ぇ゛え゛え゛え゛え゛!!」 再び騒音を立て始めた掃除機を隔離するため、玄関に置いてあった魚の居ない水槽をひっくり返して被せ、俺は眠りに付いた。 翌朝、会社に出かける前に茎の様子を伺うと、もう目鼻が判別出来るくらいに育っていた。おそらく今晩辺りに生まれるんだろう。 「でい゛ぶの゛ばでぃ゛ざを゛がえ゛ぜえ゛え゛え゛!!でい゛ぶの゛あがじゃ゛ん゛を゛がえ゛ぜえ゛え゛え゛!!」 一晩中喚き散らしていたらしい掃除機の水槽にグラスを入れておく。ガムテープで固定された掃除機は動けないからグラスを割られる心配は無いだろう。 「赤ちゃんと仲良く語らってな。それじゃ、行ってきますっと」 「ぐぞじじい゛ばじね゛ぇ゛え゛え゛え゛!!じね゛ぇ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!」 何か言ってるが、相手している時間がなかったので軽く無視して出社する。 何時ものように激務をこなし、何時ものようにコンビニに立ち寄り、何時ものように午前様で帰宅。 そして俺の帰宅を待っていたかのように、飲まず喰わずで喚きっ放しだった為か瀕死の掃除機の目前で、茎に付いていた実が震えてぽとりと落ちる。 「……で、でいぶの………あか……ちゃ……………ん……………?」 「……何だこれ?」 目を丸くする俺と掃除機を余所に、落ちた実は二、三回伸びをするように体を震わせて、勢い良く目を開ける。 「ゆっ、ゆっくちしちぇいっちぇね!!」 ご挨拶と言う奴なのだろう、舌足らずな甲高い声で定番の台詞を吐いたそいつは掃除機と同じれいむ種のように見えた。 だが、掃除機は黒髪なのに対してこいつは見事な赤毛をしていた。それも染毛剤による赤毛でなく、アニメとかに出てきそうな不自然な、それでいて自然な紅。 親と同じ色のリボンが隠れて見えなくなるような、完全な赤毛であった。 「…………ゆ?」 呆然としていた俺と掃除機の様子に小首を傾げる赤れいむ。ご挨拶の返事が返ってこないので不思議がっているらしい。 「ゆっくちしちぇいっちぇね!!」 「……解った、ゆっくりしてけ」 もう一度繰り出されたご挨拶に、俺は思わず返事してしまった。 途端に、赤れいむが目を輝かせて俺に跳ね寄って来た。 「ゆっ!おちょーしゃん!」 「……ゆ゛っ゛!?」 「……何?」 間違いない。今、こいつは掃除機じゃなく俺を見て『おとうさん』と呼んだ。おいおい……。 まさか刷り込みって奴か?生まれた直後に見たものを親だと思うってあれ。 ゆっくりの場合は最初の挨拶に返事を返した奴が親だって事か?危ない習性だな、それ。 「……俺はお前の親じゃないぞ?お前の親はこっち」 「お、おちびちゃん………、れいむがおちびちゃんのおかーさんだよ……?そっちのじじいじゃないよ………?」 爺って、まだそんな事言ってるのかこいつは。ムカついたので掃除機を叩き潰してやろうと振り上げた拳は、続く赤れいむの言葉に行き場を無くした。 「ゆっ!ちぎゃうよ!おきゃーしゃんはりぇいみゅに『ちねぇ!!』にゃんていわにゃいよ!!」 「ゆ゛ぅ゛う゛う゛う゛う゛!?!?!?」 そうか!こいつは茎に付いている時に聞こえた言葉を覚えているんだ。 そして本当の親がずっと垂れ流していた呪詛を聞いていたんだろう。 そりゃあ、子守唄の代わりに恨み言を聞かせる親なんざ親だと思いたくないわな。 「ち、ちがうよ!れいむはおちびちゃんにいってたんじゃないよ!!こっちのじじいにいってたんだよ!!」 「そりぇにおきゃーしゃんはしょんなゆっくちできにゃいことをいわにゃいよ!!!」 「ゆ゛ぎゅ゛う゛う゛う゛う゛う゛っ゛!!」 「まあ、そりゃそうだな。普通なら『じじい』なんて呼ばれてゆっくりできる訳無いって解るもんな。偉いぞ、ちび」 「おちょーしゃんにほみぇりゃれたよ!!ゆわ~い!!」 「じじいはだまっててね!!おちびちゃんはれいむのおちびちゃんなんだよ!!」 「あ、そうだ。ちび、お前ご飯まだだったろ?今喰わせてやるよ。この茎で良いんだよな?」 「でい゛ぶの゛ばな゛じを゛ぎげぇ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!!」 喚き散らす掃除機を無視して俺は赤れいむの餌を準備する。とは言っても生まれたての赤ゆが喰うものは決まっている。 先程まで自分が実っていた茎。こいつが赤ゆの初めての餌になるらしい。胎生型とかだと自分の餡子を喰わせてやったりするようだが、植物型はこれが定番だ。 でも待てよ?タバスコに浸かっていた茎だぞ?赤ゆが喰っても大丈夫なのか? 不安になった俺はとりあえず掃除機に毒味をさせる事にした。 「そんなに言うなら、お前がやるか?確か茎を噛み砕いて柔らかくしてやるんだよな?」 「とうぜんだよ!!れいむのおちびちゃんなんだから、れいむがごはんをあげるにきまってるでしょお!?」 「五月蝿いぞ。喚くんじゃねえ」 こいつらは飾りが無くなったり欠けたりしただけで育児放棄するらしいのに、こんな明らかに異相の子供を見捨てないなんて見上げたもんだ。 そこだけは認めてやっても良いかもな。 そんな事を思いながら、俺はグラスから引き上げた茎を掃除機の口の中に押し込んでやった。 「むーしゃ、むーしゃ………ゆ゛げぇ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!!」 咀嚼を始めた直後、掃除機が大量の餡子と一緒に茎を吐き出した。 「ゆわぁああああああ!?」 「うわ!汚ねえ!!吐き戻しやがった!!」 やはりあの茎はタバスコを吸い上げていたようだ。咀嚼した途端に口内に入って来た劇物に体が過剰反応を引き起こしたんだろう。 「ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛………」 掃除機が痙攣を起こし始めている。これはもう駄目だな。 「ちび、お前の親が死に掛けながら砕いてやった飯だ。きちんと喰ってやれ」 「ゆぅ……ほんちょうにおきゃーしゃんにゃの……?」 「ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛………」 「ああ、本当だ。お前の為に死に掛けてるのが何よりの証拠だろ?だから俺はお前の親じゃない。呼ぶんなら『お兄さん』にしとけ」 大体俺はまだ二十代だ。お父さんと呼ばれる年じゃねえ。 俺の言葉にようやく納得したのか、赤れいむは痙攣を繰り返す掃除機の傍に寄り、ガムテープの隙間から見える素肌に頬擦りを始めた。 確か、『すーりすーり』だったか?手足の無いこいつらのコミュニケーション方法だった筈だ。 「おきゃーしゃん……ありがちょう…………りぇいみゅ、がんびゃってゆっくちしゅりゅよ……」 頑張ってゆっくりするって、矛盾してないかそれ? 内心浮かんだ疑問を口に出さず飲み込んでいる間に、赤れいむは噛み砕かれた茎に近付く。 茎に齧り付こうとした所で、痙攣する掃除機が「ま゛……ま゛っ゛で………お゛ぢびじゃ゛ん゛……」とそれを止めた。 「……おきゃーしゃん……?」 「………その……くきさんは………からいからいだよ……………おかーさんの……あんこさんを…………たべてね………」 ああ、そう言えばそうだった。こいつ、茎を齧ってこうなったんだっけ。 しかし増々見上げた根性だ。自分の子供が知らずに毒を食べようとするのを止める為に、残った力を振り絞ったか。 その上自分の餡子を食べさせようとするなんて、いや人間でも中々いないんじゃないのか、こういう親。 結構良い親子になれたかも知れないな、尤もこいつを許すつもりは毛頭無いが。 「わきゃったよ……あんきょさん、ゆっくちりぇいみゅにたべられちぇね……、むーちゃむー……ゆげぇえええええっ!!!」 「おちびちゃぁあああ゛あ゛あ゛ん゛!?!?!?……ゆ゛ふ゛っ゛!!!!!!」 「わ!何だ何だ、何事だ!?」 餡子を口に含んだ途端、今度は赤れいむが餡子を吐き出した。 それを見た掃除機は余りのショックで今度こそ昇天したらしい。 そりゃそうだ。身を挺してまで助けようとした我が子が死に掛けたんだからな、しかも自分の餡子で。そりゃショック死位するわな。 しかし……何なんだこりゃ? 赤れいむは幸い致死量まで吐いた訳じゃないらしいが、吐いたものが問題だ。 赤い。何か見事に赤い。親の餡子と比べるまでもなく別物だ。 どうやら赤れいむの中に詰まっているのは餡子じゃないらしい。と、いうよりあの赤さはどこかで見覚えが……? 「!そうか、おいちび!そっちの餡子は喰うな!!餡子を避けて茎だけ喰え!!」 「……ゆ、ゆぅ………?」 「お前は親と違って辛いものしか喰えないんだよ!甘いものがお前にとって毒なんだ!!」 他のちびは耐えられずに死んじまったが、こいつは自分の中身を変える事で生き延びた。 その代償に、他のゆっくりと同じものが喰えなくなったんだ! 「ゆ……むーちゃむーちゃ……ち、ちあわせぇ~!」 やっぱりそうだ、茎だけならこいつは吐かずに喰える。 まさか、俺は気付かないうちにゆっくりの品種改良に成功してしまったっていうのか? なんてこった、面白いじゃないか! ゆん生初の食事を終えた赤れいむに、俺は事情を説明してやる。 流行病に罹ったれいむとまりさが、己の身も顧みず人里へ助けを求めに来た事。 その病は生まれる前の子ゆっくりにある治療を施す以外、助かる見込みが全く無い事。 その治療法でさえ助かる可能性はごく僅かである上、副作用で普通のゆっくりでは無くなってしまう事。 しかも治療の為には、ゆっくりでは到底払い切れない高額の費用がかかる事。 それを聞いた親まりさが自分の身と引き換えに、子供達の治療を要求した事。 その熱意に打たれ治療を施すも、赤れいむ以外の姉妹は治療に耐え切れず死んでしまった事。 全てを見届けるため、病気が進行して危篤状態だった親れいむが無理を押して赤れいむの誕生に立ち会った事。 そして、赤れいむにご飯をあげようとして毒性を持った茎を食べ、餡子を吐き出して死んでしまった事。 俺はある事ない事取り混ぜて、赤れいむに説明した。 一時間以上掛けた洗脳にとりあえず赤れいむは理解を示し、次いで自身の現状を問うて来た。 親を殺した猛毒の茎を食べて、自分は大丈夫なのかと。 「おそらく、これがお前の副作用なんだろう。普通のゆっくりなら甘いものが最大の栄養源だからな。それが逆転したんだ」 「………りぇいみゅ、ちぬの?きゃらいきゃらいしゃんは、どくなんでちょ?」 「いや、多分お前の体質自体が変わってるんだよ。要するに、お前には辛いものが毒にならない代わりに、甘いものが毒になるんだ」 「……ゆぅ………」 「まあ、この治療法で助かっただけでも御の字だろうさ。お前の姉妹は十匹近く居たんだぞ?それがお前残して全滅だ」 「……おにぇーちゃん……」 話が姉妹の事になった途端、赤れいむが涙ぐむ。天涯孤独になった事を今更実感したんだろう。 「生き残れた事を幸運に思えよ。でないと、親も姉妹も何の為に死んだのか解らないだろ?」 「……にゃんで?」 「お前を助ける為に命を張ったに決まってんだろが。そのお前がいつまでもグジグジ泣いててどうするよ。 頑張ってゆっくりするんだろ?だったら泣いてる暇なんか無いだろうに」 「…………ゆん!わきゃったよ!りぇいみゅ、がんびゃってゆっくちしゅりゅよ!」 泣いた烏がもう笑いやがった。と、思ったらよく見ると泣くのを我慢して無理に笑っているらしい。 (結構根性あるなこいつ) そう思った俺は暫くこいつの面倒を見る事を決めたのだ。 回想と食事を終え、烏の行水を決めた俺はゴミを捨てるついでに奥の様子を伺いに行く。 納戸の扉に平仮名で『ちりょうしつ』、その上に漢字で『実験室』と書かれたここに、れいむは殆ど近付かない。 扉を開けた途端に漂ってくる甘い香りが怖いらしい。れいむを怖がらせないよう、俺は素早く中に入って扉を閉める。 そこにあったのはわざわざ持ち込んだスチール棚に並んだガラス瓶やグラスの山。その中に満たされているのは様々な液体。 タバスコ、ラー油は言うに及ばず、古今東西の調味料や酒類、お茶の類いに至るまでがここに集められている。 そしてそれらの液体に浸かっているのは、貴重な休日に野山を駆け巡って収集して来た赤ゆっくりの茎だ。 ここは『新種のゆっくりを作り出す実験』をしているのだ。 勿論れいむには本当の事は教えていない。『これは治療だ』と言い張っている。 こうして実験するのももう何十回になるのか、未だ成功したのはれいむ一匹だけ。 茎が生えてから大体一週間くらいで生まれるらしいが、そこまでたどり着かずに黒ずんでしまう。 黒ずんだ赤ゆが放つ甘い匂いでむせ返りながら、俺はあるマグカップの前に立つ。 他の茎と同様に黒ずんだ赤ゆが鈴生りに実る中、一匹の赤ゆだけが寝息を立てている。 赤いカチューシャからしてありすらしいが、おそらく誰もそうだと思わないのではないか? 何故なら、ありすの特徴的な金髪が濃い茶色に染まり切っていたからだ。 俺は持って来たポットの中の液体をマグカップに注ぐ。 芳醇な香りが一瞬赤ゆ共の死臭を押しのけるが、すぐに混じって判別が付かなくなる。 マグの中で湯気を立てているのは、砂糖やミルクの一切入っていないコーヒーだ。 今の所、このありすが品種改良の成功例第二作となるのだろう。 この茎は出来立てホヤホヤのレイパー被害者から採取して来たもので、今日で五日目になる。 そろそろこの部屋から出しておいた方が良いかも知れない。 俺は黒ずんだ実ゆを毟り取りながら、マグカップをリビングへ運んだ。 「れいむ、そろそろ生まれそうだからリビングに出すぞ」 「ゆっ!あかちゃん、ぶじにうまれてきてね!」 フローリングの床に直接マグカップを置く。頼りなく茎にぶら下がるありすを、れいむが心配そうに見守っている。 「……おうたは禁止な。やるんだったら俺が居ない時にしてくれ。近所迷惑にならないように閉め切っておくから」 「ゆん!れいむ、うるさくしないよ!」 念のために釘を刺し、俺は短い睡眠を取るため自室に向かった。 振り返ると、れいむがマグカップの前に陣取る姿が見える。どうやら一晩中付いているつもりらしい。 (……随分とご執心だな。あれが噂に聞く『ぼせい(笑)』ってやつかね?) そんな事を思いつつ、俺は眠りに付いた……。 れいむは空調に合わせて揺れる実ゆを見守りながら、これまでのゆん生を振り返っていた。 れいむの一番古い記憶は、絶え間なく聞こえてくる『しね……しね……』と言う呪詛である。 生まれ落ちる寸前の一番ゆっくりするべき時期に聞かされたそれは、れいむの中に呪いとなってこびり付いた。 (りぇいみゅはいりゃないこにゃの?おきゃーしゃんはりぇいみゅがきりゃいなの?) ゆっくりのにんっしんっとは即ち中枢餡の発生である。そして中枢餡の原料は、親となるゆっくりの餡子そのものだ。 すっきりー!と呼ばれる行為で分泌される精子餡を受けた餡子が変異したそれが、胎生ならまむまむと呼ばれる器官に、 植物性なら茎を通して実ゆと呼ばれる外殻の中に移動した時点で、ゆっくりはその生態の大部分を形作る。 即ち、にんっしんっした時点で聴覚・嗅覚・触覚を肌で感知する統合感覚、『ゆっくりしたい』と願う本能、そして基本的な知識と自我は既に出来上がっているのだ。 ゆっくりが生まれる前の赤ゆにやたら話しかけたり、おうたを聞かせたりするのはそれを本能で理解しており、赤ゆをゆっくりさせようとするからなのだが…… このれいむは親の励ましやゆっくり出来るおうたの代わりに、最もゆっくり出来ない呪詛を聞かされ続けたのだ。 れいむは怯えた。まだ見ぬ親に、れいむをゆっくりさせない呪詛に。 (おきゃーしゃん、りぇいみゅいいこにしゅるよ!わがみゃみゃもいわにゃいよ!おきゃーしゃんのいうとおりにしゅるよ! だきゃら、だきゃらりぇいみゅをきらわにゃいで、りぇいみゅをころしゃにゃいで………!!) 恐怖に怯えながらも無事生まれ落ちたれいむが最初に見たものは、全身を茶色い帯でぐるぐる巻きにされたゆっくりと、大きな胴付きゆっくりだった。 「ゆっくちしちぇいっちぇね!!」 「……解った、ゆっくりしてけ」 産声代わりのご挨拶にお返事が無かった事を不審に思ったれいむが再度ご挨拶をした時、お返事を返してくれたのは胴付きの方であった。 お返事を返してくれた方が親に違いない。そう感じたれいむは胴付きの方へ駆け寄って呼び掛けた。 「ゆっ!おちょーしゃん!」 「……ゆ゛っ゛!?」 「……何?」 その言葉に激しく反応したのはぐるぐる巻きにされたゆっくりだった。 「……俺はお前の親じゃないぞ?お前の親はこっち」 「お、おちびちゃん………、れいむがおちびちゃんのおかーさんだよ……?そっちのじじいじゃないよ………?」 『おとーさん』が親である事を否定する脇から、恐る恐るといった様子でぐるぐる巻きのゆっくりが話しかけてくる。 しかし、れいむはその声に聞き覚えがあった。 それが生まれ落ちる寸前まで聞こえて来た呪詛と同じ声だと気付いたれいむは即座に否定した。 「ゆっ!ちぎゃうよ!おきゃーしゃんはりぇいみゅに『ちねぇ!!』にゃんていわにゃいよ!!」 「ゆ゛ぅ゛う゛う゛う゛う゛!?!?!?」 れいむの言葉に仰天して顔色を失ったぐるぐる巻きのゆっくりだが、すぐに言い訳を始める。 「ち、ちがうよ!れいむはおちびちゃんにいってたんじゃないよ!!こっちのじじいにいってたんだよ!!」 だが、その言葉はれいむの怒りを逆撫でしてしまった。 (おちょーしゃんをじじぃってよんだにぇ!!もうゆるしゃにゃいよ!!) ゆっくりは舌足らずながら、生まれた直後から言葉を使ってコミュニケーションをとる事が出来る。 それは即ち『会話に必要な経験を既に会得している』事を意味している。 人間や動物でさえ『学習』しなければ会得できない『経験』を、ゆっくり達は餡子を繋げる事でクリアしているのだ。 生まれたての餡子脳に蓄えられた僅かな語彙の中から、『じじい』と言う言葉が蔑称である事を理解していたれいむは、 更なる怒りを込めて目の前の汚物に言い放つ。 「そりぇにおきゃーしゃんはしょんなゆっくちできにゃいことをいわにゃいよ!!!」 「ゆ゛ぎゅ゛う゛う゛う゛う゛う゛っ゛!!」 「まあ、そりゃそうだな。普通なら『じじい』なんて呼ばれてゆっくりできる訳無いって解るもんな。偉いぞ、ちび」 悶絶する汚物と裏腹に、正しいご挨拶が出来た事を褒めてくれる『おとーさん』。 生まれる前から死に怯え、親との対面に恐怖すら抱いていたれいむにとってそれは何物にも勝る福音だった。 だが、そんなしあわせー!な時間は長くは続かなかった。 生まれて初めての食事、その一連の騒ぎの中で自分があの汚物の娘である事を突付けられてしまったのだ。 『おとーさん』の冷たく突き放したような言葉、自分を犠牲にしてまでれいむをゆっくりさせようとしてくれた親らしきゆっくり。 それらが全てあのぐるぐる巻きのゆっくりが母親である事を証明している事を受け入れたれいむは、茶色い帯の隙間に覗く母の頬にすーりすーりする。 「おきゃーしゃん……ありがちょう…………りぇいみゅ、がんびゃってゆっくちしゅりゅよ……」 そして母の忠告に従い美味しそうな匂いがする茎を避け、何故かゆっくり出来ない雰囲気を醸し出す餡子をむーしゃむーしゃした時、悲劇は加速した。 「あんきょさん、ゆっくちりぇいみゅにたべられちぇね……、むーちゃむー……ゆげぇえええええっ!!!」 口内に走る激痛、同時にこみ上げてくる吐き気と悪寒に、れいむは自分の餡子を吐き出してしまったのだ。 もし『おにーさん』の的確なアドバイスが無ければ、れいむのゆん生はそこで終わっていただろう。 一命を取り留めたれいむは、『おにーさん』から事情を聞かされた。 にんっしんっしたゆっくりが罹るというと言う流行病に感染した両親が、せめて子供達だけはと自分の身と引き換えに治療を依頼したと言う事、 治療が成功したのはれいむ只一人であり、それを見届けた母が錯乱してあんな奇行に走った事。そして…… 「………りぇいみゅ、ちぬの?きゃらいきゃらいしゃんは、どくなんでちょ?」 れいむの中身が、母の命を奪った毒物で出来ている事を。 『おにーさん』によれば、それでれいむが死んだりする事は無いが、通常のゆっくりにとってのご馳走である甘味が猛毒になる為、普通のご飯は食べられなくなったらしい。 「まあ、この治療法で助かっただけでも御の字だろうさ。お前の姉妹は十匹近く居たんだぞ?それがお前残して全滅だ」 この病に感染した大人のゆっくりはまず助からないそうだ。 生まれる前の赤ちゃんだけは助けられるらしいが、万に一つの確率でしかない。実質、不治の病で死の病なのだという。 れいむは心の中で両親と姉妹に何度も謝罪した。 そんな事も知らず、れいむは母を罵倒した。心の中で汚物扱いさえしてしまった。命を懸けて自分の誕生を見守ってくれていたのに。 父はゆっくりの身では購い切れない治療費の為に自ら加工所へ向かったそうだ。そこまでして助けてくれた事に、れいむの胸が熱くなる。 十人近く居た姉妹は治療に堪え切れず永遠にゆっくりしたという。見た事も無い姉妹が自分の代わりに犠牲になったようで、れいむの心に罪悪感となってのしかかってくる。 だが、涙を流して死んでしまった家族達に詫び続けるれいむを、『おにーさん』は一喝した。 「お前がいつまでもグジグジ泣いててどうするよ。頑張ってゆっくりするんだろ?だったら泣いてる暇なんか無いだろうに」 「…………ゆん!わきゃったよ!りぇいみゅ、がんびゃってゆっくちしゅりゅよ!」 『おにーさん』の励ましを受け、れいむはそのゆん生の第一歩を踏み出した。 しかし、れいむのゆん生はいきなりの挫折を迎えた。 自分を治してくれた『おにーさん』の厚意によって当面の住居と食事を確保したは良いが、その『おにーさん』が全然ゆっくりしてくれない。 毎日、朝早くに慌ただしく出かけて行ったっきり深夜になるまで帰ってこないのである。 如何にれいむの聞き分けが良くてもまだ生まれたての赤ゆだ。 本来なら付きっきりで面倒を見なければいけないのだが、そんな事おかまい無しで『おにーさん』は出かけてしまう。 留守の間はここに居ろ、と入れられた水槽の中で一人寂しく遊びながら、れいむは不満を募らせていた。 (りぇいみゅいいこにしてりゅよ……わがみゃみゃもいわにゃいよ……おにーしゃんのいうとおりにしてりゅよ……。 ……にゃんで、おにーしゃんはりぇいみゅとあちょんでくりぇにゃいの……?) 我侭の一つも言わず、ゆっくりの常識からすれば有り得ない『赤ゆだけのお留守番』を続けるだけの日々。 日を追う毎にれいむの不満は膨れ上がっていく。そしてその不満はとうとう爆発した。 「……おにーしゃぁああああん!ゆんやぁああああああああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 突然泣き出したれいむに吃驚した『おにーさん』。慌ててれいむを宥めながら話を聞く。 「……ぐすっ……おにーしゃん……なんで、りぇいみゅをおいちぇいくにょ……?りぇいみゅのこと……きらいなにょ………?」 りぇいみゅをおいちぇ、どきょにいきゅの……?いっちょにゆっくち、しちぇくりぇにゃいにょ………?」 「あん?何処にって……会社だよ。仕事をしに行ってるんだよ」 さも当たり前のように返された言葉に、れいむは顔を上げて質問を重ねる。 「……おしぎょちょ……?」 「あー………、お前らで言う狩りみたいなもんだ。もっと難しくてややこしいがな」 「にゃんで、しょんにゃこちょしゅりゅにょ……?」 「そりゃ俺が人間だからだよ。人間は仕事をしなきゃ食って行けないんだ」 その答えに、れいむは頭だけで器用に首を傾げた。 「……にんげんしゃん?」 『おにーさん』が詳しく調べた所、どうやられいむの餡子脳に焼き付いたゆっくりの常識は相当曖昧になっているらしい。 今まで人間とゆっくりの区別がついていなかったのかよ、と『おにーさん』は呆れたが、どうやら原因は彼にあるようだった。 「実験もとい治療の副作用だな。こんな結果が出るとは俺も思ってなかったが」 治療の為に母親の頭から切り離されたため、本来生まれ落ちるまでに受け取る筈だった記憶や経験が一部受け継がれていないのが原因らしい。 「ゆぅううううん!じゃあおにーしゃんはにんげんしゃんなんだにぇ!」 「ああ、そうだ。んで、お前はゆっくりって訳だ」 たっぷり時間を掛けた説明により、れいむにもようやく『おにーさん』達が『人間さん』と呼ばれる種族で、ゆっくりとは違う生き物らしいことが理解出来た。 そして『人間さん』は毎日お仕事をしなければいけないと言う事も。お仕事って何をするの?と尋ねるれいむに、『おにーさん』は苦笑しながらこう応えた。 「そうだな、お前にも解るように言うなら『他人をゆっくりさせる』事だ」 その答にれいむは仰天した。他人をゆっくりさせる!?その為に、『おにーさん』は毎日ゆっくり出来ないのに!? その疑問を素直にぶつけて来たれいむに対し、『おにーさん』はこう返したのだ。 「いいか、れいむ。俺は野菜を作れないし、服だって作れない。家なんて尚更だ。でも、野菜を作る農家の人や服を作る職人さん、家を建てる大工さんが出来ない事を俺は出来る。 だから俺が出来ることで誰かをゆっくりさせてあげて、同じように俺の出来ない事でゆっくりさせて貰うんだ。それが、仕事をする、働くって事なんだよ」 そう言ってお仕事に向かう『おにーさん』の背中を呆然と見送りながら、れいむの中にある思いが芽生えていた。 そうだ、いつまでも泣いてばかりは居られない。父や母、そして姉妹が分けてくれたゆっくりのおかげで生き残った自分には、やらなければならない使命がある。 人間さんが他人の為にゆっくりしないで頑張るように、れいむもまた皆をゆっくりさせねばならない。自分が貰ったゆっくりを、皆に返さないといけないのだ。 命と引き換えにしたゆっくりを、十人分以上も貰ったのだ。これから先の生涯全てを掛けても、はたして果たせるかどうか解らない。 (……しょりぇでも!りぇいみゅはやりとぎぇてみしぇりゅりょ!!おきゃーしゃん、おちょーしゃん、おにぇーちゃん、りぇいみゅをゆっくちみちぇちぇにぇ!!) れいむは知らなかったが、それは『ゆっくりがえし』と呼ばれる行為だった。 ゆっくりさせて貰った分、相手をゆっくりさせるという最も原始的なゆっくりの価値観であり、現在を生きるゆっくり達から失われてしまった美徳である。 図らずもれいむは両親から受け継ぐ筈だった記憶の代わりに、祖先の価値観を復活させた『先祖返り』を起こしていたのだ。 とはいえ、ゆっくりはゆっくり。どんなに壮大な目標を掲げようが、生物界で最弱を誇る饅頭に出来る事などたかが知れている。 『おにーさん』のお仕事を手伝おうにも何がなんだかさっぱり解らなかったし、ご飯を集めてこようにも何処に何があるのかすら知らなくてはどうにもならない。 れいむの意気込みは早々に頓挫した。 「お゛に゛い゛じゃ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛ん゛!!ごべん゛な゛じゃ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛い゛ぃ゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!」 しかし自分が何も出来ない無能であると知ったれいむが号泣しながら『おにーさん』へ謝った時、彼はこう言ってくれたのだ。 「お前、まだ赤ゆだって事忘れてないか?何も出来ないなら、出来る事を覚えりゃ良いんだよ。 第一、子供の仕事は勉強だぞ?お前はまだ何も勉強してないだろうが。俺が教えてやるから、勉強してみろ」 『おにーさん』が教えてくれたのは、お家の中に沢山ある『ぴこぴこさん』の使い方だった。 『ぴこぴこさん』は大抵黒い小窓とセットになっており、使う度に小窓に何かが表示される。 『おにーさん』が言うには小窓に浮かんでいるのは文字と言う物で、『ぴこぴこさん』が何をしてくれるのかを教えてくれるらしい。 だが、文字はとても種類が多く、れいむがどうにか読めるようになったのはアラビア数字が精々。 最終的には二桁まで数える事が出来るようになったものの、平仮名や片仮名は幾つか読める程度以上にはならなかった。 それでも、れいむの赤ゆ言葉が抜ける頃には殆どの『ぴこぴこさん』を扱えるようになっていた。 「これでぴこぴこさんはつかえるようになったよ!」 「ぴこぴこじゃなくてリモコンだっての。……まあ、これだけ使えるなら留守番くらいは出来るか」 手狭になった水槽から出されたれいむに与えられた仕事は『おるすばん』である。 流石に来客の応対などは不可能なので、主にやるのは『おにーさん』の帰宅に合わせて風呂の追い炊きやエアコンのスイッチを入れる程度だが。 『おにーさん』からは『家の中を汚したり物を壊したりしなければ何をしてても良い』と言われていたが、れいむはなるべくリビングから出ようとはしなかった。 (おにーさんのたいせつなおうちは、れいむがまもるよ!!) そんな使命感に駆られ、れいむはリビングのサッシから毎日お外を見張っていたのだ。 決してリビングで日向ぼっこをしていたり、専業主婦よろしく昼ドラに見入っていた訳ではない、と思う。多分。 れいむが留守番を任されるようになってから一ヶ月余り経った頃、事件が起きた。 「ゆっ!ここをれいむたちのゆっくりプレイスにするよ!」 「「「「「ゆ~♪」」」」」 遅刻寸前だった『おにーさん』がうっかり閉め忘れた玄関から、野良らしきれいむの一家が侵入して来たのだ。 「ここはおにーさんとれいむのゆっくりプレイスだよ!!かってにはいってきちゃだめだよ!!」 「ゆん?おかーさん、あそこにへんなれいむがいるよ?」 「ゆ?……ゆっくりできないれいむはゆっくりしねぇ!!」 全く無遠慮に、我が物顔で上がり込んでくる一家を押しとどめようと姿を現したれいむに向かい、全力で体当たりしてくる親れいむ。 生まれて二ヶ月しか経ってないれいむが抵抗できる筈も無く、呆気なく吹き飛ばされてリビングの中央まで吹き飛ばされた。 「ゆぎぃ……いじゃいよう………」 「おちびちゃん!あんなへんなかみのけさんのれいむにちかづいちゃだめだよ!かみのけさんがあんなふうになるよ!」 「かみのけさんがあんないろになるのはゆっくりできないよ!」 「へんなかみのけのれいむはゆっくりしないでしんでね!」 れいむの髪は真っ赤に染まっている。勿論天然だが、明らかな異相を持つれいむをこの一家は『ゆっくりできない』と認定した。 しかしれいむは殺されなかった。病気か何かだと思われたからだ。 痛みに悶えて動けないれいむを尻目に、一家はリビングの様子に目を奪われていた。 カーペットが敷かれたリビングはとても広く、今まで暮らして来たお家とは雲泥の違い。 日当りの良さそうな窓際に置かれたムートンの座布団はふかふかで、実に座り心地が良さそうだ。 お城の形に積み上げられた積み木はカラフルで様々な形が用意されており、いくら遊んでも飽きないだろう。 車輪の付いた滑り台の階段は緩やかで、子ゆっくりでも簡単に登れるようになっている。 犬用の給水器に蓄えられたあまあまジュースは一家全員でも飲み切れまい。 その側に置かれた餌皿には、見た事も無いゆっくり出来そうなご飯が山盛りにされていた。 まさに一家が思い描いた理想の『ゆっくりプレイス』がそこにあった。 余りの感動にしばし無言になっていた一家だったが、一番小さな子れいむが鳴らした腹の音で我に帰る。 「ゆっ!みんな、あそこのごはんさんをいっぱいむーしゃむーしゃしようね!!」 「ほんとう!?あんなにいっぱいむーしゃむーしゃしていいの?ゆわ~い!」 「あんなごはんさんはみたことないよ!おいしそうだね!」 親れいむの言葉に一番大きな子まりさが喜び、恐らく次女であろうれいむがその味を想像して涎を垂らす。 そして一回り小さな子まりさ二匹と子れいむが餌皿に向かって駆け出した。 「まりしゃがいちばんさいしょだじぇ!」「まりしゃがさきだじぇ!!」 「おにぇーしゃんずるい!れいみゅもむーちゃむーちゃしたいよ!」 その姿に苦笑しながら、親れいむも食事をするべく餌皿に向かう。 その足を止めたのは、背後から聞こえて来たか細い声だった。 「……だめだよ……それは、れいむのごはんさんだから………たべちゃ、だめなんだよ………」 「なにいってるの!れいむはしんぐるまざーなんだよ!かわいそうなんだよ! そんなれいむからごはんをうばおうとするれいむはゆっくりしないでしんでね!!」 痛みで涙目になりながらも、赤髪のれいむは餌皿に向かう一家を制止する。 が、親れいむには只の強がりにしか見えなかった。 潰してしまいたいのを我慢しながら、親れいむは餌皿に目を向ける。 視線の先では一着を取ったらしい子まりさが、大きく開けたお口でご飯に齧り付く所であった。 「ゆっくちいただきます!むーちゃむー……ゆげぇえええええ゛え゛え゛え゛え゛え゛っ゛!!」 「ま、まりさぁああああ!?!?!?」「おにぇーしゃぁああん!?」「ゆわぁあああ!?まりさのいもうとがぁあああ!!」 だが、そんな微笑ましい光景が即座に地獄に変わる。 餌に齧り付いた子まりさが突然、明らかに致命傷な量の餡子を吐き出したのだ。 仰天した親れいむが駆け寄るが、子まりさは既に「ゆ゛っ゛……ゆ゛っ゛……」と虫の息。もう助からないのは一目瞭然だった。 それでも一縷の望みを懸け、親れいむは給水器のジュースを勢い良く吸い込んだ。 「……ゆ゛っ゛!?!?!?」 最初に感じたのは違和感。舌先が痺れるような、ちっともあまあまじゃない感覚。 一瞬遅れて襲って来たのは、全身を打ち抜く途轍も無い衝撃であった。 「ぶべぇ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛っ゛!!!!!な゛に゛ごれ゛ぇ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛っ゛!!!!!」 口に含んでいたジュースを思いっきり吹き出す親れいむ。その飛沫は、子れいむの周りに集まっていた子供達に直撃した。 真っ赤なそれが無防備な子供達に降り掛かる。次の瞬間、子供達は魂消るような絶叫をあげて苦しみ出した。 「ゆぎゃああああ゛あ゛あ゛あ゛!!!い゛じゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛い゛い゛い゛い゛ぃ゛ぃ゛っ゛!!!!」 「おべべがぁ!!りぇいみゅのきれいなおべべがぁああ゛あ゛あ゛!!!」 「いだい!いだいぃい!!とって!これとってぇええ゛え゛え゛!!」 「おぎゃあぢゃぁあああん!!いだいよぉおおお!!はやぐべーろべーろぢでぇええ゛え゛え゛!!」 阿鼻叫喚に陥る一家。山盛りになった『激辛スナック菓子』と『タバスコの希釈液』という劇物がもたらした悲劇であった。 「ゆ……だからいったのに………」 赤髪れいむがぽつりと漏らす。耳聡くそれを聞きつけた親れいむが鬼の形相で詰め寄った。 「おばえの、おばえのしわざだね!!ゆるさないよ!!」 「れいむのせいじゃないよ……、れいむはとめようとしたんだよ……。 それより、このままじゃおちびちゃんたちがしんじゃうよ、きっちんにいけばおみずがあるから、それであらえば……」 「ゆっ!だったらゆっくりしないでさっさとおみずさんをもってきてね!!」 「きっちんのながしだいは、れいむたちじゃとどかないよ……、はしごさんをもっていかないと………」 痛む体を引き摺って、赤髪れいむはキャスター付きの滑り台へ向かった。 実はこの滑り台、赤髪れいむの手が届かない所をカバーする為に用意された足場なのだ。 ゆっくり用の遊具の中で、足場代わりになりそうなものがこれしか無かった為である。 車輪が付いているので、赤髪れいむでも一生懸命押せば動かす事が出来た。 「ゆんしょ、ゆんしょ……」 とはいえ、それは万全の体調だった場合の話。 倍程も違う親れいむに突き飛ばされた赤髪れいむに、そんな力は出せなかった。 「なにやってるの!ぜんぜんうごいてないよ!このぐず!!れいむはぐずはきらいだよ!!」 そして赤髪れいむの怪我の元凶である親れいむは手伝おうともしないで、必死に踏ん張るれいむに罵声を浴びせるだけだった。 そうこうしている合間にも、子供達の苦痛の声は続いている。そしてとうとう、一番小さなれいむが痙攣を起こし始め、 「……もっちょ………ゆっくち……しちゃかっ………」 その言葉を最後に、遂に動かなくなってしまった。 「ゆ゛わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!お゛ぢびぢゃ゛ん゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」 番だったまりさが残した大切な忘れ形見の、あまりにもゆっくり出来ない最後に母れいむは絶叫する。 何故、どうしてこうなった?母れいむの脳裏で渦巻く疑問。 まりさが死んでご飯が獲れなくなり、周りの草花を喰い尽くして虫さえ寄ってこなくなったお家の代わりを探しているうちに見つけた大きなお家。 随分慌てた様子で人間さんが出て行くのが見えた。恐らくこのお家がゆっくり出来なくなったので他のお家を探しに行ったのだろう。 だったらこの空き家は自分達が貰おうとお家宣言した途端、突然現れた変なれいむに邪魔をされた上に大切なおちびちゃん達を殺されてしまった。 そうだ、全てこの気持ち悪いれいむの所為に違いない! あまりにも身勝手な、真実とは程遠い捏造された記憶から導き出された結論に突き動かされ、親れいむは赤髪れいむに躍りかかった。 「げずな゛れ゛い゛む゛ばゆ゛っ゛ぐり゛じな゛い゛でじね゛ぇ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!!!」 「ゆっ!?」 醜く歪んだ凶相を振りかざして勢い良く跳ね上がって踏み潰そうとする親れいむの姿に圧され、赤髪れいむは咄嗟に転がって避ける。 目標を見失った親れいむは、そのまま先程まで赤髪れいむが動かそうとしていた滑り台に激突した。 赤髪れいむより大きな質量を叩き付けられた滑り台が、与えられた運動エネルギーのままに勢い良く走り出す。 その車輪の先にいたのは、未だにタバスコに苦しみもがく子供達であった。 「ゆ゛ぎゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!ごろ゛ごろ゛ざん゛ごっ゛ち゛ごに゛ゃ゛い゛で゛ぇ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!」 慌てて横へ転がり、逃げ出す子れいむ。 そして逃げ遅れた子まりさ達が気付いた時には、滑り台は目前に迫っていた。 そして、 「ゆべっ!!」 まだ小さな子まりさを引き潰し、その皮と餡子を車輪に巻き込み、 「ゆがっ!!」 大きい子まりさを跳ね飛ばして、ようやく滑り台は止まった。 「ゆ~おそらを……づみ゛ぎざん゛どい゛て゛ぇ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!ゆ゛びゃ゛っ゛!!!!!」 跳ね飛ばされた子まりさを受け止めたものは、お城の形に積み上げられていた積み木だった。 ガラガラと崩れ落ちる積み木に埋もれるまりさを一先ず置き、親れいむは車輪に車輪に巻き込まれたまりさの元へ向かう。 何故なら、それだけの大惨事にも拘らず、まりさはまだ生きていたから。 「おぎゃあじゃああああん………いぢゃいよぅ…………たぢゅけでぇええ…………」 とはいえ、最早助からないのは明白だった。 生まれて間もない赤ゆの柔らかい肌が仇となり、体の大部分を車輪に巻き込まれてしまった為に動く事すら敵わない状態。 溢れた餡子が車輪に押し戻され、塞がれていたのも不運であった。 自力で這い出す事も出来ず、傷口を車輪で塞がれているので失餡死すら出来ず、まりさに出来たのは母に助けを求める事だけだった。 「おぢびじゃあああああん!!いまたすけるからねぇえええ!!」 「ゆっ!だめだよ!いまうごかしちゃったら……!!」 赤髪れいむの制止すら聞かず、親れいむはまりさの上に鎮座している滑り台を退かそうと動かした。動かしてしまった。 「ゆ゛ぐぁ゛w゛ぜd゛r゛f゛t゛g゛y゛ぶじごl゛p゛!!!!!!!!!」 声にならない叫び声をあげ、まりさがぷくーっ!したかと思った次の瞬間、餡子を散らして爆ぜた。 何が起こったのか理解できずに硬直した親れいむに、返り餡が浴びせられる。 ほかほかの、まだ温かい餡子が親れいむの金縛りを解いた。 「お………おちびちゃぁあああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん゛ん゛ん゛ん゛っ゛!!!!!!!!!」 先程までの絶叫を超える、とんでもない声量の絶叫に窓ガラスがビリビリと震える。 親れいむが滑り台を動かした事で体内の餡子が押し出され、まりさの体が内圧に堪えられずに破裂したのだ。 赤髪れいむの制止を聞いていれば、あるいは助かる可能性があったのかも知れない。 よりによって親れいむは自分でその可能性を摘み取ってしまったのだ。 しかし親れいむはそれを認めなかった。 餡子をフルに回転させ、自分の子供を殺した犯人を捜す。 瞬き程の時間を掛け、親れいむは赤髪れいむが犯人であると確定した。 「こぉおおおのぉおお!どげすがぁあああああ!!!」 「ゆ゛っ゛!?」 鬼の形相で睨みつけてくる親れいむに、赤髪れいむの全身がすくみ上がる。 「おちびちゃん!このげすをころすよ!てつだってね!………おちびちゃん?」 自分の呼び掛けに返答が無い事を不審に思った親れいむが、積み木のあった場所に目を向ける。 そこにあったのは、全身を積み木に貫かれたまりさの姿だった。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ゛!!!」 最早何度目かも解らない親れいむの絶叫が響き渡る。 積み木は前日に赤髪れいむと『おにーさん』によってお城の形に積み上げられていた。そこにまりさが突っ込んだのだ。 屋根に使われていた三角錐、城壁に使われていた立方体に直方体、塔に使われていた円柱や角柱。 怪我をしないよう角を丸く削った配慮も意味を成さず、方体に削られ、円柱に打たれ、とどめに中枢餡を三角錐に貫かれたまりさは悲鳴を上げる間も無く即死したのだ。 一先ず置かれた時にはもう死んでいたのは幸いだったのだろう、親れいむに見捨てられる瞬間を目撃しなくて済んだのだから。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!でい゛ぶの゛お゛ぢびぢゃ゛ん゛だぢがじん゛じゃ゛っ゛だぁ゛あ゛あ゛あ゛!!!…………ゆっ!?」 相次ぐ愛娘の死に狂乱していた親れいむがふと気付く。 親れいむのおちびちゃんはまりさ、れいむ、まりさ、まりさ、れいむ、の順番である。 その内死亡が確認できたのはまりさ、まりさ、まりさ、れいむ、だ。 (……そうだよ!れいむにはまだれいむににたおちびちゃんがいるよ!) そう、次女に当たるれいむはまだ無事な筈だ。先刻、滑り台がぶつかる寸前に逃げ出したのを親れいむは目撃している。 だが、先程の呼び掛けに返事を返してくれなかったので忘れていたのだ。 まさかタバスコにやられてしまったのか?不安になった親れいむが視線を巡らすと、親れいむから若干の距離を置き、子れいむがこちらの様子を伺っているのが目に入る。 「おちびちゃあああん!!ぶじだっ「こっちくるなぁああああ!!」ゆ゛っ゛!?!?」 我が子の無事を喜び駆け寄ろうとした途端に拒絶され、親れいむの足が止まる。 よく見れば子れいむは警戒心を露にしており、親れいむの事を仇を見る目で睨みつけていた。 「ど……どうしたの、おちびちゃん?れいむはおかーさんなんだよ……?どうしてそんなめでみるの……?」 恐る恐る問いかける親れいむに、子れいむは憎悪の篭った昏い瞳を向けて吐き捨てる。 「ゆっくりごろしのゆっくりできないおやは、ゆっくりしないでしね!!」 「どぼじでぞん゛な゛ごどい゛う゛の゛ぉ゛お゛お゛お゛お゛お゛!?!?」 愛娘から浴びせられた罵声に目を剥いて驚愕する親れいむ。 しかし、子れいむは親の言葉を一蹴した。 「どうしてって、よくいえるね!れいむのいもうとたちをころしたのはおまえじゃないかぁあああ!!」 そう、自分の所行をまるで理解していない親れいむの凶行を、子れいむは全て目撃していたのだ。 毒を食べる様命令して妹まりさを殺し、自分達に痛くなる液体をぶち撒けて妹れいむを死なせ、滑り台で姉まりさを跳ね飛ばした上に妹まりさを轢き、とどめまで刺した。 いや、それ以前にこの地獄のような場所に子れいむ達を連れて来たのは他でもない、この親れいむである。 既に子れいむには目の前のゆっくりが親であるという認識は無い。姉妹を殺し、自分をも苦しめた仇敵にしか見えなかった。 一方、親れいむは娘の拒絶に困惑していた。 一体何を言っているのか?親れいむが子供達を殺しただなんて、とんでもない言い掛りだ。 第一、子供達を殺したのはあの気持ち悪いれいむであり、一緒に制裁しようとして無事な娘を呼んだのに。 そこまで思考が及んだ時、親れいむの脳裏に閃くものがあった。 (……ゆ?もしかして、おちびちゃんはあのげすのなかまなの?) それは証拠も何も無い思い付きだが、親れいむはその仮定をあっさり肯定してしまう。 途端に親れいむの視界から娘が消えた。その代わり、ゆっくり出来ないゲスれいむが目の前に居る。 体の奥底から湧き上がる憎悪に身を任せ、親れいむは先刻まで愛娘と信じていた子れいむに踊り掛かった。 「ゆっくりできないげすはしねぇええええええ!!」 突然跳ね上がった親れいむを、子れいむは滑り台の時と同じく転がって避けようとする。 「ごーろごーろするよ!!……い゛じゃ゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!」 子れいむが転がった途端、余りにも堪え難い痛みが全身を貫く。皮のあちこちにタバスコが染み込み、火傷と同じケロイド状態になっていたのだ。 何かが触れる度に悶えて転げ回れば転げ回る程、被害は拡大していく。 痛みに霞む子れいむの視界に、上空から親れいむのあんよが急速に近付いて来る様が映し出される。 「ごっ゛ぢぐる゛な゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」 激痛で満足に動けない体では避ける事も出来ず、子れいむは親れいむの踏み付けを喰らうしか無かった。 「ゆ゛びぃ゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!!い゛じゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛い゛い゛い゛い゛い゛ぃ゛い゛い゛い゛い゛!!!!!!」 一回り大きな親れいむの体が子れいむを押し潰す。だが、子れいむは生きていた。 中途半端に避けた所為で、体の大部分を潰されても中枢餡は無事だったからだ。 どうあっても助からないのは目に見えていたのだが。 「ゆっくり!!できない!!くずは!!ゆっくり!!しないで!!しねぇ!!!」 「ゆ゛ぎっ゛!!い゛だい゛っ゛!!や゛べで!!ぢん゛ぢゃ゛う゛!!でい゛ぶ!!じん゛じゃ゛う゛ぅ゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!」 親れいむが子れいむの上で飛び跳ね始める。子れいむにとどめを刺すつもりなのだ。 「や゛べで!!お゛ぎゃ゛あ゛じゃ゛ん゛や゛べでぇ゛え゛え゛え゛!!」 「うるさいよ!!おやにしねっていうげすは!!れいむのおちびちゃんじゃないよ!!」 微妙に中枢餡を外して執拗に繰り返される踏み付けに、子れいむが先程までの遣り取りを棚に上げて助命を懇願するが、母れいむは耳を貸さない。 子れいむは必死で逃げ出そうとするが、動き出すよりも先に母れいむの攻撃が当たる為に動く事もままならない。しかしその時、双方にとって不測の事態が起きた。 「ゆわあっ!?」 「ゆ゛っ゛!?」 子れいむの執念が通じたのか、親れいむが足を踏み外して無様に転げ落ちたのだ。その隙に子れいむは這いずるように逃げ出す。 「ゆ゛びぃ゛……ゆ゛ぐぅ゛………」 子れいむの体は半分が潰され、餡子が半分程も流れ出した状態であった。 こうなっては最早手の施しようは無い。むしろ一息に潰してしまった方が余程慈悲深いだろう。 それでも、子れいむは母から逃げるように這いずり始める。 激痛に顔を歪め、一歩ごとに餡子を漏らしながら、それでも尚見せる生への執着を、 「どこへいくの!?にがさないよ!!」 粉微塵に粉砕するべく、親れいむは猛然と子れいむに襲い掛かった。 満身創痍の子れいむと殆ど無傷の親れいむ。普通に見ればもう結果は見えているも同然であったが、それでも子れいむは歩みを止めない。 いよいよ母の兇手が届こうかという正にその時、子れいむはギリギリで目的の場所に辿り着いた。 「ゆ゛わ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ゛!!」 「ゆぎゃああああぁああ゛あ゛あ゛あ゛っ゛!?!?!?」 親れいむが再び転げ回る。しかし今度のは自爆ではない。 「ゆ゛ぎぃ゛い゛い゛い゛い゛!!でい゛ぶの゛あ゛ん゛よ゛がぁ゛あ゛あ゛!!でい゛ぶの゛びぎゃ゛ぐがぁ゛あ゛あ゛あ゛!!」 親れいむが勢いよく踏みつけたのは、子れいむが最後の力を振り絞って引き寄せた積み木だった。 そう、子れいむは姉まりさの命を奪った積み木を目指していたのである。 「ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛……ざまあみろ、おねーちゃんといもうとのかたきだ……ゆぶぅっ………」 壮絶な笑顔を貼付け、子れいむはみっともなく転げ回る母を一頻り嘲笑うとそのまま力尽きた。 瀕死の体に鞭打ってまで求めたのが本当に敵討ちだったのだろうか?最早それは誰にも解らない。 ただ一つ確かなのは、子れいむ達姉妹が全滅した事で親れいむがしんぐるまざーからただのゆっくりに戻った、という事だけであった。 赤髪れいむは目の前で置きた出来事が信じられなかった。 母と娘が互いを罵り合い、そして殺し合った光景が。 「なんで……どうして……、おかあさんなんだよ………おちびちゃんなんだよ………かぞくなんだよ………」 見知らぬ自分の為に加工所へ行った父、知らずにとはいえ自分の為に毒を食べた母。 無償の愛を受けて生まれた赤髪れいむにとって、子を殺す親の存在なぞ理解の範疇に無い。 まして『ゆっくりがえし』を目標に立てている身からすれば、親を殺す子は居てはいけないもの。 混乱の極地に陥り、ただ震えているしか出来なかった赤髪れいむの漏らしたつぶやきを、親れいむは激痛の極地に居ながらも聞き逃さなかった。 「お゛ばえ゛ぇ゛……お゛ばえ゛の゛ぜい゛だぁ゛あ゛あ゛……でい゛ぶの゛お゛ぢびぢゃ゛ん゛が……み゛ん゛な゛じん゛じゃ゛っ゛だじゃ゛な゛い゛がぁ゛あ゛あ゛あ゛…………!!」 「ゆ゛う゛ぅ゛う゛う゛う゛う゛う゛!?!?」 とんでもない言い掛りだが、赤髪れいむにはそれを否定することも抗議する事も出来なかった。 角の丸められた積み木にあんよの大部分を引き裂かれ、先程の子れいむを彷彿とさせる大怪我を負いながら。 鬼の如き形相で睨みつけ、地獄の底から響くような声で呪詛を叩き付けてくる親れいむの姿に、一切の思考が麻痺してしまったのだから。 「ぞごぉ゛お゛お゛お゛う゛ごぐな゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……………お゛ばえ゛だげばゆ゛る゛ざな゛い゛よ゛ぉ゛お゛お゛お゛…………」 「ゆんやぁああああああぁああああああっ!!こないでぇえええええぇえええええええ!!」 幽鬼のようにずり、ずりと這い寄ってくる親れいむ。その余りの迫力に赤ゆのようにしーしーを漏らしながら、赤髪れいむは涙を流して怯えるだけ。 金縛りになった赤髪れいむの目前に立ち、親れいむは鬼の形相のまま彼女に迫った。 「じぃ゛い゛い゛い゛い゛い゛ぃ゛い゛い゛い゛い゛ね゛ぇ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛ぇ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!!!!」 「ゆぎゃぁあああああ゛あ゛あ゛あ゛!!……ゆ゛げぇ゛っ゛!!」 恐怖が限界に達したのか、赤髪れいむが餡子を吐く。血よりも尚真っ赤な色をした餡子が返り血のように親れいむに降り掛かる。 「ゆ゛ぎべぎゃ゛お゛ごお゛お゛お゛う゛う゛ぅ゛う゛う゛う゛!?!?!?!?」 次の瞬間、名状し難き悲鳴を上げて悶絶したのは、親れいむの方であった。 全身を苛む痛みを一瞬で吹き飛ばす激痛に転げ回り、先程赤髪れいむが漏らしたしーしー溜まりに親れいむが突っ込む。 「ゆ゛じゃ゛ぎゃ゛ぎごげぐぐぐぎぼぉ゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!!!!!!!」 破けたあんよから覗く親れいむの餡子を、赤髪れいむのしーしーが強烈な痛みで灼いていく。 灼熱する痛みに脳裏を真っ白にして悶え苦しむ親れいむに度肝を抜かれ、赤髪れいむは立ちすくむのみ。 「どぼじで…………でい゛ぶが…………ごん゛な゛べに゛……………、も゛っ゛ど………ゆ゛っ゛ぐり゛………じだがっ゛………………」 たっぷり苦しみ抜いた後、末期の言葉でさえ自分の罪を認めないまま、親れいむも先立った子供達の後を追う。おそらくあの世でも殺し合うのだろうが。 後に残された赤髪れいむはそのまま『おにーさん』が返って来るまで呆然としていたのだった。 『ゆっくりは、ゆっくり出来ないと判断したものを排除しようとします。 ゆっくり出来ないものには個体差がありますが、大きく分類すると『自分の命を脅かすもの』と『自分を不快にさせるもの』に分かれます。 前者は言うまでもありませんが、後者は矯正が必要な場合が多々ありますので、注意が必要です。 ゆっくりは異相の同属を認めません。自分と同じようで違うものを見せられて不安になってしまうからです。 お飾りを無くしたゆっくりが排除されるのも同様で、自分がお飾りを無くした様に感じられて不安になる為です。 ですので、同属への攻撃癖を矯正する場合は不安を取り除く方向で教育しましょう。 また、ゆっくりは自分の罪を受け入れる事をしません。悪い事をした、と認めてしまうとゆっくり出来ないからです。 その為往々にして『自分は悪くない、全部あいつが悪い』と責任転嫁してしまう事がよくあります。 まずは自分がやった事を認めさせる事から始めましょう。 この際にお仕置きは控えましょう。苦痛から逃げる為に口先を合わせて来る事がありますが、心の中では事実を認めていません。 一方的に責め立てるのでは無く、こんなことをしたらゆっくり出来なくなる、と認識を変えさせる事を第一にしましょう。 悪い事をしたら、誰が、どのようにゆっくり出来なくなるのかを理解できるまで説明してあげてください。 根気のいる作業ですが、この基本の躾が出来ないとゆっくりはゲスになり易くなってしまいます。 何事も基本が肝心、ゆっくり躾けていきましょう』 ~新ゆっくりバッジ認定協会監修『ゆっくりの躾け方 バッジ取得マニュアル』より抜粋~ 長い回想から目覚めたとき、れいむは自分に掛けられたタオルケットに気が付いた。 どうやら回想しながら眠ってしまったらしい。時計に目をやれば朝の八時、『おにーさん』はもうとっくに出掛けてしまってる時間だ。 起き抜けで霞む目を瞬かせると、頬が何やらごわついているのを感じる。 (ゆっ、れいむ、ないたままねちゃったんだ……。 れいむがなきながらねてるのをみて、おこさないようにしてくれたんだね……。ありがとう、おにーさん……) 涙に暮れる様を見られて尚落ち着ける程、れいむの肝は太くない。その事を慮ってくれたのだろうとれいむは察していた。 あの野良れいむ親子の襲撃において、親れいむを悶絶死させたれいむの体液を調べた『おにーさん』は、残酷な事実をれいむに告げたのだ。 「れいむ、お前……多分、子供が作れない体質になったんだ」 『おにーさん』に因れば、れいむの中身は豆板醤と呼ばれるものに近いらしい。餡子と同じく豆を原料にしているからだろうか。 ただ、一般に出回っている豆板醤の辛さを大きく上回っており、殆ど唐辛子ペーストと呼んで良い程なのだと言う。 それ故れいむから排出される全ての体液が辛味を帯びているのだ。親れいむが死んだのはその所為だ。 問題はそれが『全ての体液』に含まれている事にある。しーしーやうんうんだけじゃなく、汗や涙に唾液、そしておそらく精子餡にも。 すーりすーりやぺーろぺーろ等、ゆっくりのスキンシップには体を触れさせるものが多い。それは即ち汗や唾液に触れる機会が多いということ。 ゆっくりにとっての劇薬で構成されている今のれいむには、それらが一切出来ない。 それだけではない。子供をにんっしんっするならパートナーとのすっきりーっ!が必要だ。すっきりーっ!で放出される体液は精子餡だけではない。 まむまむから分泌される潤滑液や快感に伴う発汗、ぺーろぺーろ等の前戯で交わす唾液等、互いの体液が満遍なく混じり合うのがすっきりーっ!である。 そんな行為をれいむが出来る訳が無い。更にいえば、れいむの中身に触れた精子餡は例外無く死滅するであろう事も解っている。 つまり、れいむは子供を生む事も生ませる事も出来ないのだ。 あのれいむ親子のように、いや自分を生んでくれた両親のように自分のおちびちゃんとゆっくりする事が出来ない。それはどんな拷問よりも尚深い苦しみだった。 この体質を治せないのかと尋ねても、『おにーさん』は「それは出来ない」と即否定した。 「お前の体質は実験、もとい病気の治療に因るものだ。こればかりはどうしようも無いな」 身も蓋もない断定に、れいむの絶望は深くなるばかり。 今でこそこうして昔話にも出来るが、当時は自殺しなかったのが不思議な位の荒れようだった。 ……いや、本当は今でも引き摺っている。 れいむが『おにーさん』のお家から一歩も外に出ないのは、あの野良の親子のように迫害されるのを怖れるだけではない。 もし、お外で優しいゆっくりと電撃的な出会いを果たしても、すっきりーっ!はおろかすーりすーりすら出来ない身ではどうしようもないのだから。 『おにーさん』をゆっくりさせようと頑張るのも、もしかしたら番を迎える事すら出来ない事の代償なのかも知れなかった。 時折、あの親子の事を思い出す事がある。 想像を絶する殺し合いを始めるまで、あの親子はとても仲良さそうにしていた。れいむには到底望めない家族の団欒があった。 その度にれいむは涙する。恐怖からではなく、羨望で。 『おにーさん』もその事は知っている。だから今日も涙に濡れて眠るれいむを起こさないでくれたのだろう。れいむは『おにーさん』の温情に感謝する。 リビングに置かれた茎の上で、空調に揺れるありす。 このありすはれいむとは違う体質になる可能性が高いらしい。その為ぺーろぺーろもすーりすーりも禁止されている。 この子はどんな子になるんだろう。れいむの様に生きてるだけでゆっくりを殺しうる危険なゆっくりになるのだろうか。 それとも、他のゆっくりとも一緒にゆっくり出来るゆっくりになるのだろうか? 「ゆ~♪ゆんゆんゆ~♪ゆっくりうまれてね~♪」 TVの児童番組で覚えた下手糞な子守唄を歌って聞かせながら、れいむは思う。 (おちびちゃん、ゆっくりしたこにうまれてね。れいむがゆっくりできないぶん、みんなをゆっくりさせてあげてね!) 父母と姉妹から貰ったゆっくりを、この子にも与えよう。そしてその分この子が誰かをゆっくりさせてくれるなら、れいむは最高にゆっくり出来る。 ありすが身震いを始める。生まれる前兆だ。 さあ、まずはどんなおはなしをしようか。 そんな事を思いながら、れいむはありすの誕生をゆっくり見守っていた。 ※と、いう訳で一言あきの「餡子ンペ09」参加作品です。 テーマは3.改造「失敗作の末路 or 無双 or リハビリ」。 ……実はこれ書き始めたの十月だったりします。 「遅ぇよ!」「長ぇよ!」等のお叱りはご勘弁を。本人が一番気にしてますんで。 ……後編も順調に滞っています。本当に十二月中に書き上がるのだろうか…… いや、書き上げなきゃ駄目なんですが。頑張ります。 お読みいただき、ありがとうございました。 ……冒頭のお兄さんの独白、実は実体験だったり。 時間か筆力、勝手に生えてこないかなぁ…… 今まで書いたもの ふたば系ゆっくりいじめ 274 嘘つきゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 277 騙されゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 301 勘違いゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 314 仕返しゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 410 お尋ねゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 557 捕まりゆっくり 挿絵 byキリライターあき 挿絵 by嘆きあき トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る キリライターさんやっぱ画力すげぇわ… -- 2021-02-18 10 54 02 もう赤髪れいむ胴付きになっていいんじゃないか「正論」 -- 2016-11-13 23 52 47 ある種の実験で誕生した希少ならぬ奇形種ネタって好きw このアイディアで他の人も、体質変化型のゆっくりを描いて欲しい 今度はかれ~いむ(カレーれいむ)や、ゴマりさ(胡麻まりさ)とか・・・w -- 2014-05-10 18 40 37 危険が迫ると毒や血を噴出して威嚇するトカゲを思い出した -- 2014-03-08 10 29 59 んほぉおおおお!!!茶髪のありすも赤いれいむも素敵よぉおおおお!!!!! -- 2014-01-19 18 34 29 赤れいむいいわぁ… -- 2013-08-05 00 29 08 親れいむやっぱジコチューだなー。 -- 2013-07-26 14 49 36 赤髪霊夢大好き人間です⭐ -- 2013-07-12 17 43 30 親れいむアホウじゃんww -- 2013-02-18 17 49 47 息をするように死んでくな、こいつら・・・ -- 2012-10-03 21 47 02 赤髪れいむ以外はクズ過ぎwww -- 2012-09-15 21 55 47 赤髪れいむゆっくりにとっての兵器持ちすぎだろww -- 2012-08-09 14 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ぷはーRIMすき 基本情報 配信名 せんよう ジャンル アラド戦記 osu! LoL 性別・年齢 男・? マイク 有 相方 AOTIN他 配信時間帯 オールラウンド ブログ 無課金戦記 Twitter Sir1000 osu! こ↑こ↓ 今日は - 人完全無課金になり 昨日は - 人が完全無課金になりました せんよう詳細 ●アラド戦記配信者 ●1月4日現在サーバーはカインにて活動している ●主に60chや31chに出没 ●メインは至尊1の物理退魔師 ●東方Projectが好き ●他の配信に顔をよく出す アラド戦記プレイヤーでは非常に珍しい完全無課金のプレイヤー。 あのさぁ・・・イワナ、書かなかった? 配信中の名言・迷言 「チーム尊に負ける決闘厨とかやる気あんの?」 「死の宴(真顔)」 「言っとくけど俺ホモじゃないから」 紅玉よ、我に力を。蒼玉よ、我に智を。 白玉よ、我に技を。橙玉よ、我に活を。 碧玉よ、我に清を。 修羅の五玉よ…我に力を貸し給え…! 不動明王陣ッ!! 主のステータス 喋り C アラド A osu! B LoL B 曲のセンス B 無課金力 S
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SHio焼き砲 テト譜 このテンプレのメリット 塩焼き砲3号と牡蠣積み2号の理想形が組める ホールドの割にセットアップ確率が高い(Jで確定) このテンプレのデメリット 両方妥協が微妙
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『ある記念日』 15KB 虐待 調理 赤ゆ 現代 虐待人間 餡娘ちゃんおめでとうございます 注意書き *誤字脱字があるかも知れませんがご容赦を *虐待内容はあっさりです *過去のSSに登場した人物・ゆっくりがでます *ネタが被ってたらごめんなさい 『ある記念日』 ここはどこにでもある様な田舎の一軒家、その家の茶の間では一組の男女とその飼いゆっくり達が集まっていた 「さぁ!先輩!みんな!!お祝いするっス!!!!!!」 「ちょっと待て、何の脈略も無く祝うって言われても困るんだが?それにその祝うのとお前の後ろにあるソレは関係あるのか?」 「とうめいなはこさんとれいむたちがたくさんみょん」 男が指差した方向には男の飼いゆっくりで赤い目の銀バッチようむの言う通り、加工所産の透明な箱に詰められたゆっくりがいた 「まさかとは思うがそいつ等を祝うのか?」 「うー?れいむたちのおいわい?」 男と男のもう1匹の飼いゆっくりである銀バッチ胴付きふらんが首を傾げながら女に問いかけた 「いやいや、この子達『を』祝うんじゃなくこの子達『で』祝うっス!きめら丸ー、アレを持ってきて欲しいっス」 「承知しました」オオ、リカイリカイ 女は男の質問に笑顔で答えながら女の飼いゆっくりである金バッチきめら丸に何かを持ってくる様に依頼し きめら丸は積み重なった透明な箱の陰から一枚のパネルを取り出して女に渡した 「本日の主役はこの子っス!!!!!」 女は渡されたパネルを男とその飼いゆっくり達に見える様に設置した パネルには恐らく8歳程度と思われる白衣を着た赤っぽい髪の毛の少女が小さいダイヤル式金庫を持っている姿が描かれていた 「んー?何処のどちらさんだ?」 「うー?にんげんさんのおちびちゃん?」 「だけど、どこかでみたことがあるようなきがするみょん」 「どうして誰も分からないんっスか!!!!我らがアイドル餡娘ちゃんですよ!餡娘ちゃん!!」 男達の反応に驚いた女はパネルに描かれた少女について説明を始めた 「加工所公式マスコットっス!加工所産商品とかのパッケージとか取扱説明書にも載ってるっスよ!」 「あー、そうなのか?・・・・あ、本当だ」 男がたまたま近くにあった加工所産ゆっくりフードの袋を手に取ると、パッケージにはパネルと同じ少女が描かれていた 「それで、あんこちゃんのなにをおいわいするみょん?」 「本日2月17日は餡娘ちゃんの誕生日っス!」 「うー、おたんじょうびのおいわいなのさ!」 「そう!日頃から加工所にはお世話になってるんでその感謝の意味も込めて餡娘ちゃんのお誕生会を行うっス」 女からの説明を受けた男は再び女が持ってきたゆっくりに視線を戻して問いかけた 「祝いの理由は分かった、だがそれとこのゆっくり共は何の関係があるんだ?」 「何言ってるんすか?お誕生日会と言えばケーキ、ケーキと言えば甘味、甘味と言えばゆっくりっス!」 「で?」 「お姉さんはゆっくりでケーキを作ってそれでお祝いをしたいそうなんです」オオ、チョウリチョウリ 要領を得ない女の答えに替わってきめら丸が箱詰めされたゆっくりの使い道を説明した 「まぁ、そんな訳で本日はオーソドックスにデコレーションケーキを作るっス!」 男達は茶の間から台所へと場所を移し、女の進行の下でケーキ作りを開始しようとしていた 「なぁ、ケーキを作るのは良いがこの家に苺とかないぞ?」 「それなら心配ご無用!今日のケーキはフルーツ系は一切無しでスポンジケーキ以外はゆっくりだけっス!」 「うー!がんばってつくるのさ!」 「それじゃ、役割分担を発表するっスよー」 女は持ってきた材料(ゆっくり)を男達の前に並べて行く 「先輩はこのぱちゅりー達でホイップクリームを作ってもらうっス!」 「了解、中身を搾り出してハンドミキサーでかき混ぜればいいんだな?」 「いや、それだとすぐに永遠にゆっくりして甘さが足りないんでぱちゅりーを生かしたまま振り回して欲しいっス」 女は男の前に箱に入れられたぱちゅりーを2匹置くと、腕を上下に振るジェスチャーをしながら作業内容を伝えた 「生きたままって随分と難しいうえにしんどい注文を」 「そこは先輩の腕を信用してるからっスよ!片方は硬めにお願いするっス~」 そう言うと女は他の材料を持って飼いゆっくり達の所へ向っていった 「さて、そこまで期待されたらがんばらないといけないな」 男は独り言を呟きながら透明な箱から1匹のぱちゅりーを取り出した 「むきゅー!やっとでられたわ!まったくもりのけんじゃをあんなところにとじこめるなんてゆっくりしてないわ!」 「まずはー、中身が漏れない様にしないといけないか」 「けれどぱちぇはかんっだいだからしゃざいとばいしょうのあまあまでゆるしてあげひぎぃ!!」 男は喚くぱちゅりーを無視し、女が置いていった返しの付いた小さな楔をぱちゅりーのまむまむとあにゃるそれぞれに突き刺した 「いだいいいいいい!!!どっでえええ!ごれどぶぎゅううううう」 「良し!中身が漏れそうな所は全部塞いだし、気合を入れて頑張りますか!」 更に男はぱちゅりーの口が開かないようにしっかりと握ると勢い良くぱちゅりーを振り始めた 「(むぎゅうううう!!ぎもぢわるいいいいい、いだいいいゆっぐりでぎないいいいい)」 口を塞がれて中身を吐く事も出来ず、差し込まれた楔の痛みのせいですっきりーする事も出来ないままぱちゅりーは振られ続けた 「さー、ふらんちゃんときめら丸にはコレをお願いするっス!」 男に作業を伝えた女は飼いゆっくり達の前にれいむとまりさを1匹ずつとありすを2匹持ってきた 「この組み合わせからするともしや?」オオ、ハンショクハンショク 「その通りっス!ありすをレイパー化させてれいむとまりさを襲わせるから生えてきた茎を摘んで欲しいっス」 「うー、つんだくきはどうしたらいいの?」 女はふらんときめら丸に作業内容を伝え、ふらんからの質問にオレンジ色の液体の入ったコップを用意しながら答えた 「摘んだ茎はこの成長促進剤入り特製オレンジジュースに挿して欲しいっス」 「うー!ゆっくりりかいしたのさ」 「それでは作業に取り掛かるとしましょう」オオ、ハジマリハジマリ 「あー、今回使うのはれいむ種とまりさ種だけだからありす種は間引いて大体15~20位欲しいっス」 「「はーい」」 ふらんときめら丸の返事を聞きながらコップを設置し、次の作業へ移ろうとするとようむが近づいてきた 「おねーさん、ようむはなにをすればいいみょん?」 「ようむちゃんにはきめら丸達が摘んだ茎から生まれたちびちゃん達のお世話をして欲しいっス」 「おせわみょん?」 生まれたゆっくりはすぐに食材として加工されるものと思っていたようむは女の返答に頭と言うか全身を傾げた 「そうっス!生まれたちびちゃん達にこれを食べさせて太らせて欲しいっス」 そう言うと女はコップを置いたテーブルにようむを乗せ、その隣に『栄養過剰!特濃ゆっくりフード大型種用』を横倒しに置いた 「中身はちびちゃんでも食べれる様に砕いてあるからこのスプーンで中身を取り出すと良いっス」 「ゆっくりりかいしたみょん!」 女からプラスチックスプーンを受け取ったようむはいつでも赤ゆっくりの誘導が出来るようにコップの前に陣取りその時を待った 「それじゃコッチは任せるっスよ~、私は食器とかの準備をしてくるっス」 「「「ゆっくりいってらっしゃーい」」」 女が飼いゆっくり達にその場を任せて立ち去るとふらんときめら丸は作業を開始した 「さて、まずはれいむとまりさを動けないようにしないといけませんね」オオ、テイシテイシ 「うー、それならふらんにまかせるのさ!きめらまるはまりさをはこからだしてあんよをこっちにむけてほしいのさ」 きめら丸はふらんに言われた通りに箱からまりさを取り出すとあんよをふらんに向けるように差し出した 「やめるのぜー!まりささまにこんなことしてただじゃすまないのぜーーーー!」 「うーそれじゃ、いくのさ!」 「はなせええええ!まりささまにこんなことしてただですむといだいいいいいいいいいいいいい」 必死に抵抗するまりさだったがきめら丸の拘束から逃れる事は出来るはずも無く、まりさのあんよにふらんの指が突き刺さった 因みに胴付きふらんは自身の指先の皮の硬さをある程度変えられ、硬く尖らせた指先で獲物を突き刺したり引き裂いたりできるのだ 「あまり刺し過ぎると中身が出てしまいますよ?」オオ、シンパイシンパイ 「ふふふ、ふらんのてくにっくをなめてもらってはこまるのさ!さしたゆびさんをさーらーにーーーー」 「ゆびゃああああああ!まりさのしゅんっそくのあんよがあああああああ」 ふらんは刺した指を動かし、まりさのあんよに1本の切れ目を入れた 「これでもう、まりさのあんよはこんてにゅーできないのさ!」 「それでは続いてれいむにもお願いしますね」オオ、ゾッコウゾッコウ 「はなせえええ!れいむはもっとゆっくりするんだあああ!!」 「かっとかっとかっとかああああああっとおおおおおおお!!」 「ゆぎゃあああああああああああああ」 ふらんによってあんよを破壊された2匹は無事に饅頭製造機に生まれ変わることが出来たのだった 一方、ようむは饅頭製造機から摘まれた茎から小饅頭が落ちるのを万全の体制で待っていた 「そろそろ、おちそうだみょん」 女が用意した成長促進剤入りオレンジジュースのお陰で茎に付いた極小饅頭はあっという間に小饅頭サイズに育ち この後自分たちに襲い掛かる恐ろしい運命など露とも知らず、小饅頭達は次々と地獄へ生れ落ちていった 「きゃわいいれいみゅがゆっくちうまれちゃよ!」 「りりしいまりちゃもうまれちゃのじぇ!」 「ゆっくち~」 「ゆー?おきゃーしゃん?おとーしゃん??どきょいっちゃの?」 「おちびちゃんたちゆっくりしていってみょん!ようむはようむだみょん!」 茎に付いていた小饅頭があらかた落ちきった頃を見計らってようむが挨拶をしながら小饅頭達の前に姿を現した 「れいみゅはれいみゅだよ!ゆっくちしていっちぇね!」×たくさん 「まりちゃはまりちゃなのじぇ!ゆっくりしていっちぇね!」×たくさん その挨拶に本能のままに挨拶を返し、全ての小饅頭達はようむの方に向き直った 「ようむはおちびちゃんたちのおとーさんとおかーさんからおちびちゃんたちのおせわをおねがいされたみょん」 「ゆ?れいみゅのおちょーしゃんとおきゃーしゃんはどきょにいりゅの?」 「おとーさんとおかーさんはゆっくりプレイスでおちびちゃんたちをまってるみょん」 「まりしゃはおかーしゃんにあいたいよ!」 「あんしんするみょん!すぐにおちびちゃんたちもゆっくりプレイスにいけるみょん!けど、そのまえに」 ようむは小饅頭達の質問に適当に答えながら横倒しにされたゆっくりフードの袋にスプーンを差し込んで中身を取り出した 「まずはたっくさんむーしゃむーしゃするみょん!おかわりもまだまだあるからえんりょはいらないみょん」 「「「「「ゆわーーーーーーー」」」」」 「まりちゃがいちばんのりなのじぇ!!」 「ゆゆ!!!れいみゅがさきにむーしゃむーしゃしゅるんだよ!!」 山のように盛られたゆっくりフードに目を輝かせた小饅頭達は我先にとゆっくりフードへと進んでゆく 「むーしゃむーしゃ!じ、じあわぜえええええええええええええええ」 「うめぇ!!!まじうめぇ!!!」 「がーつがーつ!へぶんじょうたいなのじぇええええええ」 ゆっくりフードの山に群がる小饅頭達は何かに取り付かれた様に一心不乱にゆっくりフードを貪る 「そんなにいそがなくてもまだまだおかわりはあるみょん」 「もっちょ!もっちょれいみゅにちょうだいね!!」 「ゆっくちしないでごはんしゃんをよこすのじぇ!」 「はふっ!はふっ!しまふっ!!」 「げぷーーーーー」「もうたべれにゃいよー」 「こーろこーろするのじぇー」「すーやすーやするよ!」 限界までゆっくりフードを食べた小饅頭達はナスビ型に肥え、その場で好き勝手にゆっくりし始めた 「ようむちゃーん、そっちの具合はどうっスかー?」 「ごらんのありさまみょん」 「うん、良い感じのサイズっス」 「ゆーん?おねーしゃんはだれ?」 次の作業の準備を終えた女がようむの様子を見に現れると小饅頭達は一斉にそちらに視線を向けた 「おちびちゃんたちはよーくきくみょん、このおねーさんはおちびちゃんたちをゆっくりプレイスにつれていってくれるみょん」 「ゆゆー!おきゃーしゃんたちにやっとあえりゅんだね!」 「ゆっくちしにゃいでまりしゃをゆっくちプレイスにつれていくのじぇ!」 「え?ゆっくりプレイスっスか?・・・・・・あー、そう言うことっスか!」 ようむと小饅頭のやり取りを見て状況を察した女は側に置いていたステンレス製のボウルを手に持ちながら話し出した 「今からみんなをゆっくりプレイスに連れて行くっス!」 「ゆーーーー!!」×たくさん 「だけど、いっぺんに全員は連れて行けないから2回に分けて連れて行くっスよ!」 「ゆっくりりかいしたよ!」×たくさん 女は慣れた手つきでナスビ型小饅頭を10個ほどボウルの中へと移しそのまま台所にあるガスコンロの前へとやって来た 「それじゃ、みんな!ゆっくりプレイスへ行ってゆっくりしていってねっス!」 「ゆー!れいみゅ(まりしゃ)おそらをとんでるみたーい!」×たくさん そして、ボウルを逆さにしコンロの上に置いてある鍋へと小饅頭達を放り込んだ ジューーーーーーーー 「「「「ひぎゃあああああああああああああああ」」」」 鍋の中は熱せられた油で満たされており、小饅頭達は悲鳴を上げながら油の中を暴れまわる 「あじゅいのじぇえええええ」 「ごぼばっ!!ごばっ!!!」 「たずげべぇえええ」 油から逃れる為に必死で身体を動かすが当然のごとく鍋から逃れる事などできず、そのせいで反転し全身くまなく油を浴びてしまう そんな事を繰り返していると油の熱で目玉は破裂し歯は溶け、口の中は焼け爛れ喋る事すら出来なくなって行く 「いやー、自分で綺麗に揚がってくれるなんて楽っスね~」 その様子をにやにやしながら眺める女にホイップクリーム作りを終えた男が話しかける 「おーい、クリームは完成したんだが次は何をすればいいんだ?」 男はそういうと2匹のぱちゅりーを女に手渡しながら辺りを見回した 「それなら向こうに残ってるちびちゃん達の処理をお願いするっス」 「オーダーは?」 「殺さず、ぺにまむあにゃるとあんよ破壊のアマ舌斬りでお願いするっス」 「了解、おーい!ふらん!ちょっと手伝え!」 「うー!」 男はふらんを呼ぶと慣れた手つきで残っていた小饅頭の処理を開始し、ふらんもソレを手伝い始めた 「おねーさん、つぎはなにをするみょん?」フ、フランダーーーーーーー! 「次はそろそろ仕上げに入るっスよー」レイミュハマダシニチャクユギャアアアアアアア そう言うと女は鍋から揚げ饅頭を取り出し、男が準備したぱちゅりー2匹とスポンジケーキを用意した 「まずはー、スポンジケーキを半分にするっス」マリシャノシュンッソクノアンヨギャアアア 「みょーん!おねーさんのほうちょうさんさばきはすごいみょん!」オメメギャアア!ナニモミエナイノジェエエ 「次は半分にしたケーキの下の方にクリームを塗るっス」ヤメチェネ!レイミュノマムマムニヒドイコトシナイデユンヤーー! 女はぱちゅりーを引っ繰り返し、あんよに円を描くように切り目を入れて切り離しゴムベラで中身のクリームを取り出した 「流石先輩、良い感じのクリームっス」マリチャノオオオオオアニャルシャンニヘンナコトシナイデエエエ そのクリームをケーキの切断面に均等になるように塗り終えると今度は完成した揚げ饅頭をまな板の上に並べ始めた 「こんどはなにをするみょん?」ユンヤー!モウユックチデキニャイイイイ 「こうするっス」 女は揚げ饅頭を5ミリ間隔で輪切りにし、切ったものをクリームを塗った部分に綺麗に並べていく 「そして、並べ終わったらまたクリームを塗るっスよー」 クリームを塗り終わるとその上に避けてあったケーキを乗せ、今度はケーキ全体をクリームでコーティングし始めた 「更に別のぱちゅりーを使ってデコレーションするっス!」 もう1匹のぱちゅりーのあにゃるに市販の絞り袋に付いている金具を取り付け、金具の方向へ中身を絞っていく 「うー!おねーさんこっちはおわったのさ!」 ケーキのデコレーションが終わった頃、残りの小饅頭が入ったボウルを持ったふらんが女の所へやって来た 「お疲れ様っス!完成したらもって行くから皆は茶の間で待ってて欲しいっス」 「「ゆっくりりかいしたのさ」みょん」 女はボウルを受け取るとふらん達に戻るように伝え、最後の仕上げに取り掛かった 「うー、たのしみなのさ」 「お姉さんの料理はとてもおいしいんですよ」オオ、ビミビミ 「お待たせしたっス~」 女は完成したケーキを持って茶の間に現れ、飼いゆっくり達は身を乗り出してケーキを眺めた 「へー、中々良い感じのケーキだな売り物にしても良いんじゃないか?」 「えへへ、そんなに褒めても飲み物位しか出ないっスよ」 「まぁ、これを買うのは虐待鬼意惨達位でしょうけどね」オオ、コワイコワイ 完成したケーキは一見どこにでもありそうな生クリームのデコレーションケーキだがトッピングとして足焼きをされ 目と舌を切れ取られうめき声を上げる赤ゆっくりが乗っており、その内の3匹には火の付いたローソクが刺さっていた 「それじゃ、切り分けるか」 「そうっスね!あ!流石にようむちゃんときめら丸にはこのケーキは厳しいと思ったから別なのを用意してあるっス」 「ゆっくりしょっぷさんのごほうびけーきさんみょん!」 女は作ったケーキとは別に飼いゆっくり用に作られたケーキを取り出しようむときめら丸の前に置いた 「なら、このケーキは3等分でいいのか?」 「何言ってるんっスか!今日の主役を忘れてるっス!4等分っス!」 男はケーキを4等分にすると女とふらん、そして餡娘ちゃんの前にそれぞれ置いた 「うー!それじゃたべるのさ!」 「まだっス!まずは餡娘ちゃんをお祝いしてからっス!」 「おいわいはなにをするみょん?」 「誕生日のお祝いって言ったらあれしかないっス!お誕生日の歌っス!」 女の手拍子に合わせて男達は餡娘ちゃんを祝福する為に歌い始めた 「「「「「ハッピーバースデートゥーユー、ハッピーバースデートゥーユー」」」」」 「「「「「ハッピーバースデーディア餡娘ちゃーん、ハッピーバースデートゥーユー」」」」」 「「「「「ヒャッハー!!!」」」」」 こうして餡娘ちゃんの誕生日は各地で盛大に行われ、虐待鬼意惨達の雄叫びとゆっくり達の悲鳴で彩られて行くのであった あとがき 餡娘ちゃんお誕生日おめでとうございます 底辺作家からのささやかなプレゼントです あるあきの今まで書いた物 anko1826 『殴る』 anko1842 『伝える』 anko1862 『蹴る』 anko1989 『ある日の午後』 anko2040 『加工所in宮城』 anko2238 『ある山で』 anko2269 『ある公園で』 anko2492 『ある秋のゆっくり』 anko2581 『ある赤い目のゆっくり 前編』 anko2670 『ある赤い目のゆっくり 後編』 anko2834 『ある男の気分転換』 anko2871 『加工所in宮城 2』 anko2942 『ある幸せなゆっくり』 anko3024 『ある騒がしい午後』 anko3297 『ある遊びとれいむ一家』 anko3454 『ある選ばれたモノ達』 anko3473 『あるすーぱーむーしゃむーしゃたいむ』 anko3618 『あるドアとゆっくり』 anko3856 『ある迷信』
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※ぺにまむ描写を含むので、苦手な方はご注意ください。 ※人間臭いゆっくりが苦手な方もご注意ください。 「むきゅ、ご飯さんいっぱいとれたわね」 「そうね、とかいはなおうちに持って帰りましょう」 山に挟まれた盆地の中、いくつもの群れを擁するゆっくりプレイスがあった。 森はなだらかな起伏に沿って広がり、その葉は紅く染まっている。 秋の山道を踊るように跳ねていくのは、ぱちゅりーとありすのつがいだった。 二匹は狩りちょうどを終えて巣に帰るところだった。 ありすの頭には虫が、ぱちゅりーの帽子には木の実が入っている。 二匹が仲よく歩いていると、 突然ありすが「ゆっ」と呟いて脇道の草むらに入っていった。 ぱちゅりーは草むらの向こうのありすに尋ねる。 「どうしたのよ、何か見つけたの?」 「ぱちゅりー、こっちへきて……」 いぶかしく思いながらも、ぱちゅりーは草を掻き分けて脇道に入った。 ぱちゅりーにはありすの後ろ姿だけが見えていた。 だから、ありすが何をしているのかすぐに気付かなかった。 「ゆふっ、ゆふっ」 「やめちぇぇ~!」 ありすは粘液まみれで小さなゆっくりに全身を打ち付けていた。 その目は血走り、金髪を振り乱している。 ぱちゅりーは驚愕した。 「あ、ありす、何やってるのよ!」 「んほほ、ぱちゅりぃ、あなたもすっきりしましょぉぉぉ!」 「ありす、元にもどって! おねが……い!」 子ゆっくりを無理やりすっきりさせていたありすは、振り返ってぱちゅりーに襲い掛かる。 ぱちゅりーの悲鳴はれいぱーありすの嬌声に掻き消された。 しばらくしてれいぱーありすが道に戻ると、どこからともなくありすたちが現れた。 皆れいぱーばかりだった。 巣穴から、草むらから、木のうろから、どこにいたのかと思うほど大勢のれいぱーが出てくる。 それらのつがいやそばにいたゆっくりたちは、 かつてありすだったれいぱーたちによって残らずすっきりさせられていた。 先頭を行くれいぱーありすに、一匹、また一匹とれいぱーありすたちが合流する。 れいぱーたちはある一つの目的に従って、静かに森を進んでいく。 それは、目に付くゆっくり全てをすっきりし尽くすことだった。 数十年に一度起きるれいぱーの大発生。 れいぱーの発現はありすからありすへ伝染し、いくつもの群れを襲い、 全てのありすが死に絶えるまで終わらない。 かつてない危機がゆっくりプレイスに迫っていた。 子まりさとれいぱー 盆地の中央に広がる草原から藪を挟んだ広い森の中に、ひとつの群れがあった。 木の根元や、石の陰、土の中などにいくつもゆっくりの巣穴が見える。 そのうちの一つ、柔らかい土を掘り抜いた洞窟の中に子まりさの巣はあった。 子まりさは元気よく目を開けた。 隣で眠っている両親を起こさないようにそっと巣の外に出る。 太陽が木々の間から顔を覗かせていた。 朝の光を浴びながら子まりさが大きくのーびのーびをする。 「のーびのーびしゅるよ! もうちょっとでたいようしゃんにとどくにぇ!」 小さな体を精一杯に伸ばす。 伸びきった体がバランスを崩して土の上に倒れかけたとき、 後ろから伸びてきた父まりさのおさげが子まりさを支えた。 「おちびちゃんあぶないよ、きをつけてね!」 「ゆぅ~ゆっくちわかっちゃよ」 父まりさが起きてきていつのまにか子まりさの後ろにいた。 お互いに顔を舐めあって、顔を洗う。 「ぺーろぺーろ! ゆっくりおはよう、おちびちゃん」 「ぺーりょぺーりょ! ゆっくち!」 二匹が穴の中に戻ると、母れいむが待っていた。 母れいむは穴の隅に詰まれていた草を少し噛んで吐き出した。 乾燥した草を口に含んで戻した、簡単な朝食。 「むーしゃむーしゃ! くささんおいしいね!」 「むーちゃ! むーちゃ! ちあわちぇぇぇ~!」 子まりさは三番目の子供だったが、他の兄弟は生まれてから一年以内に れみりゃやゆゆこに食べられて死に、子まりさだけが生き残っていた。 子まりさは、粗末な食事にも顔を輝かせている。 母れいむの唾液でふやけた草は、わずかに甘い味がする。 食べ終わると、父まりさが言った。 「今日は、おちびちゃんといっしょにかりに行こうね」 「ゆゆ! かりきょわいよ!」 「大丈夫、ゆっくりなれていこうね」 「おきゃーしゃんは? おきゃーしゃんはいっちょにくるにょ?」 「みんなでいっしょに行こうね! れいむもおちびちゃんとかりをするよ!」 「ゆわーい!」 母れいむは父まりさが狩りに行っている間、子まりさの面倒を見ていた。 子まりさが成長し母れいむが育児から解放されたため、 一家揃って狩りにいけるようになったのだった。 「おちびちゃんが早く起きちゃったから、今日は早めに狩りに行こうね」 「ゆゆ? まりちゃ、がんばる!」 その日の狩りは子まりさの初めての経験であり、 成ゆんへの重要な第一歩になるはずだった。 彼らが来るまでは。 すっかり顔を出した太陽が草原を眺めている。 草原は群れからは藪を挟んで少しの距離があった。 近くには小さな川が流れ、その向こうには森が広がっている。 遠くには頂上に雪を頂く峰がうっすらと姿を見せていた。 他の群れはまだ来ていない。 この草原は群れの狩場であり、まりさ一家は一番乗りだった。 「ゆっ! ゆっ! しゅごいよぉ~! くさしゃんと、むししゃんと、それから……」 「あんまりお父さんからはなれすぎないでね」 「ゆ? まりちゃはゆっくちしてるよ?」 ゆっくりした花や虫などを見てはしゃぎ、父まりさにたしなめられる子まりさ。 子まりさには、外で見るもの全てが珍しかった。 走り回る息子に注意を向けながら、父まりさは狩れそうな虫を探している。 別の場所では母れいむが地面に落ちた木の実などを集めている。 お互いに視界の届かない場所には行かないようにしている。 捕食種に襲われたとき、警告しあうための行動だった。 草原を跳ね回る子まりさは、変なものを見つけた。 花を咲かせるノコンギクの中の一本が、奇妙に膨れている。 本来花になるはずの花芽にいくつも穴が開きこぶのようなものができている。 それはタマバエの虫こぶだった。 タマバエはヤナギやブナ、ヨモギなどの植物に卵を産み付ける習性があり、 卵を産み付けられた部分は異常発達し、虫こぶとなる。 葉や花など、生みつけられる部位は種類によって様々だが 1~数匹の幼虫は虫こぶの中で育ち、春を迎えると羽化する。 成虫は口がないため2日程度しか生きられず、 雌と交尾し新たな卵を産み付けると死んでいく。 子まりさは珍しい外の景色の中でも、一際変わった形の花を見つけてすっかり興奮していた。 何とかして自分のものにしたいが、まりさの小さな身長ではとても花に届かない。 「はなしゃん、ゆっくちまりちゃにとられちぇにぇ!」 繰り返しジャンプをしたり、のーびのーびをした。 花はそしらぬ顔をして揺れている。 「はなしゃんまりちゃがきらいなのぉ~!? ゆっくちおりてきてにぇ!」 子まりさは顔を真っ赤にして今にも泣きそうになる。 そこへ父まりさが現れた。 おさげで茎の中ほどを押さえて、口まで届いた部分を噛み切る。 あっという間に子まりさの前に折り取られた花が落ちてきた。 「ほら、おちびちゃん、お花さんとれたよ!」 「ゆわぁぁぁ~! おとーしゃんしゅごい~!」 子まりさは体をプルプルと震わせて、父まりさと花に交互に熱い視線を注いでいる。 今にもうれちーちーを漏らしそうなほどに感動している。 「おはなさんはてれやさんだから、ちゃんとおねがいしなきゃだめなんだよ」 「ゆっ、おはなしゃん、ゆっくちありがちょ!」 「よくできたね。じゃあ、次はいもむしさんをとりに行こうか」 「ゆっ! まりちゃはかりのてんしゃいなんだよ! いもむししゃんもちゃんととれるんだよ!」 「はいはい、そうだね」 子まりさは花を帽子の中に大事にしまい、父まりさの後をついていく。 柔らかな風が吹いて二匹の周りの草を揺らした。 ノコンギクの花が静かに二匹の後を見送った。 同じ頃、群れの方角。 藪の中を一匹のゆっくりが走っている。 絡み合う枝葉の間をくぐり抜け、何度も転びそうになりながら必死で飛び跳ね続けている。 荒い息と葉の擦れる音が辺りに響いた。 「わからないよー……どぼじでぇ……!」 長く暗い藪の終わりが見えて、そのゆっくりは光の中に飛び出した。 草むらを跳ねていたバッタが急に動きを止めた。 触覚をうごめかせ、何かを察知したようだ。 素早く伸びてきたおさげがバッタを掴む。 バッタは暴れるが、捕まって頭をかじられてしまった。 父まりさが狩りをしている。 動きの速い虫を捕まえるのは父まりさの仕事だった。 「残りはみんなで食べるよ!」 帽子の中に獲物をしまう。 父まりさのあとをついてきた子まりさは、 前方を行く父まりさが急に止まったので、見事にぶつかった。 「ゆぴ! おとーしゃんどぼちたのぉ!?」 「ばったさんをとったよ、これでゆっくりできるね」 「ゆわ~い!」 子まりさはすぐに笑顔になる。 ころころと表情が変わり、子供らしく感情の起伏がはっきりしていた。 二匹が母れいむのいるところに戻ろうとしたその時、藪ががさりと音を立てた。 中から一匹のちぇんが勢いよく現れる。 「ゆわぁぁぁぁぁ!」 何かから逃げてきたようだ。 ちぇんの体には細かい傷が無数に走り、折れた茎が何本も生えていた。 帽子に枝や葉がくっついている。 まりさ一家を見るなり、あらん限りの大声で叫んだ。 「れいぱーがきたよぉぉ! むれが、むれが……! ゆけほっ!」 「ちぇん、どぼじだのぉ!? おちついてねぇぇ!」 「ゆぅ……?」 父まりさが慌てて駆け寄る。 子まりさは何だかゆっくりしていないゆっくりが現れたとそのときは思った。 しかしすぐに事態の重大さを思い知ることになる。 ちぇんの言葉を聞いて、父まりさが青ざめた。 「む、むれがぜんっめつっしちゃったぁぁぁ!?」 「れいぱーありすが、いち、にい、たくさんきたんだよー! すぐにこっちにもくるんだよー!」 「ゆゆっ、おちびちゃんとれいむを……」 そう言いかけたとき、父まりさはかすかな振動を感じた。 それは徐々に大きくなっていき、やがて地鳴りのような重低音が草原に響く。 藪の向こうから聞こえてくるその音は、ゆっくりできない何かの襲来を告げていた。 「ゆぎゃあああああああああ! もうぎだぁぁ!」 ちぇんは真っ青になって、その場から逃げ出した。 父まりさも家族に注意を呼びかけた。 「れいむ! おちびちゃん! にげるよぉぉぉ!」 父まりさが子まりさと母れいむを追い立てるように走り、あっという間に藪のそばから離れる。 少し離れたところにいた母れいむは、もみあげで子まりさをひょいと持ち上げると頭の上に乗せた。 「ゆゆ……おきゃーしゃん、おとーしゃん、どうちたのぉ……?」 返答はない。 皆逃げるのに精一杯で、子まりさの小さな声は誰にも聞き取れなかった。 両親に囲まれてゆっくりした草原で宝物を見つけたり、虫を追っていた 幸せな時間が、あっという間にどこかへ行ってしまった。 子まりさは胸の餡子が押し潰されるような不安を感じた。 地響きはどんどん大きさを増していく。 さっきまで父まりさがいた場所の近くの藪の奥で何かが一度だけ動いた。 次の瞬間、藪の一部が爆発したようにはじけ、れいぱーありすの集団が姿を現した。 「「「んんっほお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛ぉぉぉぉぉ!!!」」」 何十体というれいぱーありすが獲物を求め猛進していた。 血走った目はあらぬ方向を向き、 常に反り立ったままのぺにぺにからは精子餡が迸っている。 れいぱーありすたちの周囲には土煙のようなものが巻き起こっている。 彼らの撒き散らす精子餡がれいぱーたちの体にぶつかって弾け、 霧のように空中へ舞い上がっているのだった。 「うー☆ ごはんさんどこなんだどー」 一匹のれみりゃがれいぱーたちの真上を飛んでいる。 漂ってくる煙をもろに浴びてしまった。 「う、うわぁぁぁぁ! ざぐ……っ……!」 付着した精子餡が茎を生やして、れみりゃはあっという間に黒ずんだ。 バランスを崩して墜落したその体を、れいぱーありすの一匹が 口でキャッチしてそのまま飲み込んだ。 隊列の後方では精子餡の霧によってにんっしんっする者もいたが どういうわけか、少々茎が生えても死なずに走っている。 同種の出す精子餡に耐性があり、精子餡をまともに浴びてもそれほど茎が生えないためだった。 草原を走っていたまりさ一家は、振り返った先にいるれいぱーを見た。 あれに捕まれば最後、死ぬまですっきりさせられる。 まりさ一家は必死で逃げた。 「ゆふっ、ゆふっ、か、かわさんがみえたよ!」 「おちびちゃん、もうちょっとだよ!」 川は静かに流れていた。 水深は浅く、流れも速くない川だった。 それでもゆっくりにとっては絶望的な深さだった。 先に着いていたちぇんは、渡る方法が見つからず焦っていた。 追いついたまりさ一家の後ろに、今にも追いつきそうなれいぱーの集団を見て叫ぶ。 「れいぱーがきたぁぁぁ!」 ちぇんの脳裏に先ほど群れを襲撃された時の光景が浮かび上がってくる。 地響きが襲い、れいぱーの雪崩が群れを覆う。 平和な群れはあっという間に、ゆっくりたちの悲鳴と精子餡が飛び交う地獄と化した。 四方をれいぱーに囲まれ、逃げ場のない状態ですっきりを強要されるみょん。 まむまむとあにゃるにはすでに前後のれいぱーたちのぺにぺにが突き込まれ、 みょんの体内に精子餡を途切れなく注ぎ込こむ。 「ふぃすとふぁっぐぅぅ! すっきり……やべで……あかちゃんできぢゃうぅぅ」 すぐそばに落ちている小枝をくわえようとしてもがくと、 皮が触れあったところから茎が生えてきた。 れいぱーの粘液は触れるだけでにんっしんっする。 「こえだざぁぁん! どぼじでこっちきてくれないみょん!?」 小枝はうんともすんとも言わず転がっている。 「ゆ……ぐ……」 みょんは耐えることしか出来なかった。 既にいくつもの茎が生え、肌は黒ずみ始めている。 れいぱーたちの宴は続いた。 別の場所では、二匹のれいぱーありすが一匹のまりさを奪い合っている。 それぞれまりさの髪とあんよを口にくわえて引っ張り合う。 まりさは体を上下に引き絞られ強制的にのーびのーび状態になっていた。 「いだいいだいぃ! ま゛りざのがみのげとあんよひっぱらないでぇぇ! ゆっぐりでぎないぃ!」 「わたしとすっきりしましょぉぉ!! んほぉぉ!」 「まりさはわたしととかいはなあいをかたるのよぉぉ!」 まりさの皮がちぎれて二匹と一匹は横に吹っ飛んだ。 「あぁああぁぁ……ま゛りざのかもしかさんのようなあんよがぁぁ」 れいぱーにくわえられていた部分が破れて餡子が漏れ出している。 まりさはもう歩くこともできず、ただれいぱーにされるがままになっていた。 そこへしつこくれいぱーありすが這いよってきて、再びまりさにかみついた。 もう片方も負けじと引っ張り返す。 「まりさぁぁ! あら? なんだかあまいあじがするわぁぁ!」 「ゆ、ゆぎゃあ!? やべでぇ! ま゛りざのあ゛んごだべないでぇぇ!」 あんよにかみついたれいぱーの口に、 まりさの破れた場所から出てきた餡子が偶然入った。 髪がちぎれて、そこからも餡子が露出する。 「んほぉ! こっちもあまいわぁぁ!」 「どぼじでごんなごどずるのぉぉ……」 その甘さに、二匹は当初の目的を忘れてまりさを貪りあった。 まりさは生きながら体を少しずつちぎられて食べられた。 後には精子餡でべとべとになった帽子だけが残った。 群れのいたるところで同じような光景が繰り広げられている。 巣の中にいた赤ゆたちは、れいぱーに無理矢理すっきりさせられるか、まとめて大量の精子餡をかけられた。 つがいは、それぞれの見ている前で嫌がりながられいぱーたちにすっきりさせられた。 冬篭もりのために溜めた食料は、れいぱーの激しいエネルギー消費を賄うために食べ尽くされた。 それは、ゆっくりたちの死体も同様だった。 森の片隅で平和に暮らしていた、何の罪もないゆっくりたちの群れは 一瞬にして壊され、何もかも奪い尽くされた。 後には何も残らなかった。 ちぇんはつがいのらんと木のうろの中で体を寄せ合って震えていたが、 そこにもれいぱーはやって来た。 「んっほほほぉ! おいしそうなえものねぇぇ!」 ちぇんよりふた回りは大きい巨体を揺らして近づいてくる。 「わからないよぉー……」 「ちぇん! にげろ!」 らんが飛び出してれいぱーに体当たりをした。 れいぱー程ではないが体が大きく、力も負けないほど強い。 れいぱーありすは吹っ飛ばされた。 「らんしゃまぁぁぁ!」 「おちびちゃんをたのむ!」 らんはれいぱーの群れに単身突っ込んでいった。 いくら希少種のらんでも、同じくらいの強さのれいぱーに囲まれて無事ではいられない。 さらに一匹にぶつかってカスタードを吐き出させたが、 寄ってたかってすっきりさせられ、茎が生えてしまっていた。 「ごめん、らんしゃま……!」 ちぇんは頭に3匹の赤ちぇんと赤らんを乗せて走り出した。 らんに似た子は一匹しか生まれなかった。 ちぇんはれいぱーのいないところまで走ると、足を止めた。 赤ちぇんと赤らんは頭の上で泣いている。 目の前でらんがれいぱーたちに襲われるところを見たのだから仕方なかった。 ちぇんは赤らんを尻尾で掴んで目の前に掲げた。 「らんしゃまのぶんまで、この子たちをそだてるよー……」 その時、木の陰から何かが飛んできて赤らんにかかった。 一匹のれいぱーが飛ばした精子餡が尻尾の上の赤らんに命中していた。 「おちびちゃぁぁぁぁん!?」 「んほほ、すないぷせいこうだわぁー!」 赤らんはちぇんが精子餡を拭い取る暇もなく、ちぇんの見ている前で しおしおとしぼみ、黒ずんでいった。 「ぉきゃぁ……しゃ……もっ……ょ……ゆ」 「あ……あ……あ……あ」 ちぇんは死んでいく赤らんに何もすることが出来なかった。 すでに茎は身体中を覆い尽くしている。 無理に引っこ抜けば、赤らんはご飯粒しか残らなくなってしまう。 茎が邪魔で体を舐めることすら出来ない。 もし舐めていたら、ちぇんにも茎が生えていただろう。 ちぇんは動かなくなった我が子をそっと地面に置いた。 ひどい絶望感で体が動かなかった。 だから、その次の事態にもとっさに対処できなかった。 「よきゅもちぇんのいもうちょをー!」 「おねえしゃんをかえちぇー!」 「れいぴゃーはゆっくちちね!」 頭の上の赤ちぇんが、前方のれいぱーに挑みかかっていく。 よたよたと跳ねる三匹の赤ゆは、れいぱーの格好の餌食だった。 「お、おちびちゃん! やめてね! いっちゃだめだよー!」 「んふぉ! んふぉぉぉぉぉ!」 れいぱーがぺにぺにをひと薙ぎすると、びゅぐっという音がして 精子餡が半円状に発射される。 それは一列に並んで向かってきていた赤ちぇんたちに見事に降りかかった。 「ゆぴぇぇ! いきができにゃいぃ!」 「これとっちぇぇ!」 「わきゃらな……」 たちまち茎が生え、黒ずみ、赤らんと同じ運命を辿る。 ちぇんは予想外の事態にただ呆然としていた。 その場でじっとして、滂沱の涙を流す。 「わからないよー……おちびちゃん、どうじでぇ」 れいぱーが近づいてくる。 ちぇんはとっさに藪の中に逃げ込んだ。 そのときにはもうれいぱーの放った精子餡がちぇんの体に付着していた。 たちまち茎が伸びてくるが、藪の中を走っているうちに、折れていった。 絡み合った枝葉に引っ掛かって身体の表面に傷はついたが 餡子が全て無くなるよりはましだった。 ちぇんは思った。 自分はれいぱーの脅威を赤ゆにちゃんと教えていただろうか? もし教えていれば、赤ちぇんは死なずに済んだかも知れない。 逃げている間じゅう、暗い後悔がちぇんのチョコを満たした。 藪を抜けたところで、まりさ一家に出会った。 運良く群れを離れていた、最後の家族だった。 「おとーしゃん! れいぴゃーがきちゃよぉぉぉ!」 ちぇんは子まりさの声で現実にかえった。 行く手は川に阻まれ、後ろにはれいぱーが迫っている。 「ごめん……おちびちゃん……ごめんね。 らんしゃま、らんしゃまのこども……まもれなくてごめんなさい」 ちぇんはれいぱーの只中に突っ込んだ。 素早く高く跳躍し、れいぱーのかちゅーしゃを口でくわえて奪った。 たちまちそのれいぱーに他のれいぱーの攻撃が集中する。 「まりさたちは、いまのうちににげてね! わかれよー!」 「んほぉぉぉぉ!」 れいぱーの声で後半がかき消される。 ちぇんの抵抗にれいぱーは怒ったのか、その巨体でぺにぺにごとちぇんに体当たりした。 「ゆぎゃぁぁ!」 ちぇんの体が舞い上がり、穴の空いた皮からチョコが飛び散る。 そのまま勢いよく川に投げ出された。 ちぇんの体がぷかりと浮かび上がるが、水に翻弄されるばかりで泳げない。 水面から顔を出したり尻を出したりしてくるくると回転していたが やがて皮に水が染みこんでいき、重くなった身体は水底に沈む。 最後に一つとぷんと沈んだきり、ちぇんは浮かび上がってこなかった。 そんなちぇんの姿を見ていた父まりさは決意を固めた。 まりさ一家に残された時間はわずかしかない。 母れいむの頭の上にいた子まりさを地面に下ろす。 「おちびちゃん、よく聞いてね。お父さんたちはおちびちゃんをにがすよ」 「ゆ……?」 「おぼうしで川さんをわたってね。れいぱーも川さんの向こうまでは追ってこれないよ」 「おとーしゃんとおかーしゃんはぁぁぁぁ!?」 「おちびちゃんを逃がすので精一杯なんだよ、ゆっくりりかいしてね」 「やじゃぁぁぁぁ! おとーしゃんとおかーしゃんといっしょがいいぃぃ!」 子まりさは聞きいれなかった。 無理もなかった。 生まれて一年くらいしか経っておらず狩りも今日から覚えるはずだった。 まだまだ親に甘えたい時期だった。 「おちびちゃん、言うことを聞いてね!」 「やじゃぁぁぁ!」 父まりさは子まりさの帽子をとると水に浮かべた。 流されないように押さえながら子まりさ自身もそれに乗せる。 「……おぼうしはまだ教えてなかったね。でもおちびちゃんならきっとだいじょうぶだよ」 「まりしゃものこりゅううう!」 子まりさは父親のおさげをくわえて離そうとしなかった。 母れいむが困った顔をする。 「おちびちゃん!」 父まりさはぷくーをした。 子まりさは初めて見る父親の本気のぷくーに怯えた。 「ゆぴぃぃ!」 子まりさは叫んだ。おさげを離した。 父まりさがにっこり笑って帽子を一度だけ押すと、帽子は水面を滑って岸を離れた。 その後ろかられいぱーたちが迫っていた。 「おとーしゃぁぁぁん! おきゃーしゃぁぁぁぁぁん! ゆわあああああああ!」 子まりさを乗せた帽子は、れいぱーが来る前に川を渡った。 帽子は大きく傾くこともなく、川の流れに乗って進んだ。 子まりさは反対側の岸にたどり着いていた。 その間に、子まりさは両親が無理矢理すっきりさせられ、茎が伸びて全身が黒ずむところを見た。 見ていても何も出来なかった。 帽子はすでに川岸から遥かに離れていたし、子まりさはオールを持っていなかった。 優しかった母れいむのふかふかの顔が、見る影もなくしぼんで真っ黒になった。 よく遊んでくれた父まりさのおさげは、れいぱーの一匹に隈なくしゃぶられて食べ尽くされた。 押し寄せるれいぱーの圧力に耐え切れず、死体は川に落ちて流された。 いっしょに何匹かのれいぱーも落ちたが、全体から見れば少ない数だった。 子まりさは逃げるように帽子を降りると、かろうじて頭に被せた。 びしょびしょになった帽子は重かった。 両親の最期の場所から目を逸らすように、岸を離れた。 川から少しでも遠くへ行きたかった。 後ろを振り返る余裕はなかった。 れいぱーたちは父まりさたちをすっきりさせた後も止まらなかった。 後から後から押し寄せるれいぱーが川べりのれいぱーを押しのけ、 自らも川に突進しては沈んでいく。 全てのれいぱーが沈みきった頃、川の下流はカスタード色に染まった。 水中はありすだったゆっくりで埋め尽くされている。 水面にゆらゆらと金髪が舞い上がって日光に反射していた。 それらを見ているものは誰もいなかった。 草原が終わり、走っている子まりさの目の前に森が立ちはだかる。 川向こうからこっちは子まりさの知らない場所だった。 そもそも狩場に来たのさえ今日が初めてだった。 森は暗く、恐ろしい雰囲気だった。 子まりさは勇気を出して踏み込んだ。 子まりさは小さな虫の声や葉ずれの音を聞いた。 気の早いゆっくりたちはもう冬籠りを始めている。 あちこちの木の根元に結界が張られているが、子まりさはそれに気がつかなかった。 子まりさはかつての境遇を思った。 両親と一緒に暖かい土中のゆっくりプレイスで冬を越す。 お腹が空いたらおかあさんの採ってきた木の実や虫さんを食べ、 両親のゆっくりしたほっぺたに囲まれて春までゆっくり過ごす。 今日までと何ら変わらない日々が続くはずだった。 今の子まりさには、ご飯も寝床もない。 ただ森の中をあてもなく進んでいく。 虫や小動物などの様々な生き物の気配はするが、 子まりさの未熟な感覚ではどこにいるのか全くわからなかった。 やがて小さな洞窟を見つけた。 入り口は子ゆっくり一匹が通るのがやっとの小さな穴だった。 いちばん奥まで行くと少し広がった空間がある。 子まりさは腰を落ち着けて、穴から空を眺めた。 ぼーっとしていると、そのうち空腹になった。 帽子から先ほど取った宝物の菊の花を取り出した。 それを見た瞬間、子まりさの目に父まりさの顔が浮かぶ。 つい先ほどまでの幸せな記憶が蘇ってきた。 父まりさの力強いおさげ。 母れいむの笑顔。 その間には自分がいた。 子まりさは涙をこぼさなかった。 子まりさにとって、過去の光景こそが現実だった。 全てを失い、空腹で一人森の中をさまよっている現状を認めたくなかった。 花を食べたら、それを認めたことになる気がして、どうしても食べられなかった。 代わりに壁の奥を掘って食べるものを探した。 柔らかい土で子まりさにも何とか掘ることができた。 しばらく掘り進むとミミズを見つけた。 この洞窟の前の住人も、こうやってご飯をとっていたのかもしれないと思った。 無理やりミミズを腹に収めると、少しだけ気力がわいてきた。 まだ自分の身に起こったことを全て受け止めるだけの心の余裕はなかったが、 つい先ほどまでの暗い気持ちからは抜け出せた気がした。 子まりさは洞窟の中から空を見上げた。 森に入ってきたときは気付かなかったが、 色づく木々の葉が狭い洞窟の入り口いっぱいに見えた。 その隙間からのぞく太陽が眩しい。 傾いてきた太陽が穴の中を照らし、子まりさの身体に当たった。 子まりさは丸く切り取られた森の景色を、何と呼んでいいのかわからなかった。 「ゆっくりしている」とは少し違う気がした。 きれいな石さんや輝くちょうちょの翅の模様を見た時と同じ感覚だと思ったが、 それを何と表現するのかはわからなかった。 景色につられて、ふらふらと子まりさが外に出ようとしたとき、 洞窟の奥に置いた花がかさりと音を立てた。 子まりさは立ち止まって振り返った。 何もなかった。 子まりさが再び外に出ようとしたとき、それが飛び込んできた。 それは子まりさの顔の寸前で止まった。 先端から透明な砂糖水が一滴たらりと地面に落ちる。 卵色のぷくぷくと太った棒が洞窟の入り口から 子まりさのいる場所までのスペースを占拠していた。 それはれいぱーありすのぺにぺにだった。 洞窟の入り口に覆い被さったれいぱーありすは ぺにぺにを一旦引っ込めると、めちゃくちゃに穴の入り口から突き入れを繰り返した。 がりがりと土が削られ、空気の弾ける音が響く。 「んっほぉぉぉぉぉ――――ッ! ゆぺろろろろぺろろろぺろォ――ん! とかいはねェ――ッ」 子まりさは恐怖に声も出ない。 かろうじてぺにぺにの先が当たらないように後ずさった。 ぺにぺには子まりさを突き殺さんばかりの勢いで 差し込まれているが、洞窟の奥までは入ってこれない。 「でていらっしゃい、ありすととかいはなあいをかたりましょぉぉぉ!」 子まりさは知らなかったが、あまりにも大量のありすが 一度に川になだれ込んだ結果、川の中にゆっくりにも渡れる場所が出来ていた。 飛び石のように同じありすの死体を踏みつけながら、 れいぱーありすは子まりさを追ってきたのだった。 子まりさは穴の奥に身を潜めた。 帽子を目深にかぶり、ぷるぷると身体を震わせている。 体を縮こまらせて、とにかくぺにぺにに触れないようにした。 触れれば両親のように、体中から茎が生えて永遠にゆっくりできなくなってしまう。 「まりさはいないよ! ここにいないよ!」 永遠とも思える時間が過ぎて、子まりさが顔を上げると、ぺにぺにはなくなっていた。 一瞬夢かと思ったが、洞窟の壁のあちこちに付着した精子餡がそうではないことを告げていた。 まりさは、このままここでじっと待とうかと思った。 全ての事から目をそらして、安全かどうかもわからない洞穴の中で震えて過ごすこともできる。 だがそれは嫌だと思った。 外にはまだれいぱーがいるだろう。 出て行けば、自分は間違いなく両親のように殺される。 だがたった一人でれいぱーの軍団に向かっていったちぇんや、 自分を逃がしてくれた両親のように、最後まで立ち向かうことならできる。 小さな覚悟が子まりさの恐怖に凍えた心を溶かした。 まりさは宝物の花をお守り代わりに、外へ出た。 穴の外では二匹のれいぱーありすが争っているところだった。 片方のありすは体が小さいがぺにぺにが大きかった。 最初に子まりさを襲ったありすのほうが体が大きかった。 互いに、子まりさとどちらがすっきりするかで争っていた。 「あのま゛りざはわだしのものよぉぉぉ!! いなかもののれいぱーにはわたさないわぁぁ!」 「ぞっぢごぞれいぱーでしょおぉぉぉ! ゆっくりしねぇぇ!!」 相手の体のいたるところにぺにぺにを突き刺し、カスタード塗れになって 争っている姿は子まりさの目から見てもゆっくりできていなかった。 それは最早ゆっくりではなかった。 れいぱーという怪物だった。 まりさは自分の中に、わずかな怒りと闘志が満ちてくるのを感じた。 頭の中の餡子がすっと冷えて、冷静に相手を見ている自分に気付いた。 子まりさはもう震えていなかった。 子まりさの見ている前で、最初のありすがもう小さいほうのありすの目にぺにぺにを突き刺した。 精子餡が注ぎ込まれ、小ありすの口と片方の目を押し出した穴から精子餡が噴出した。 あのまま穴の中にいたら、ぺにぺにから噴出した精子餡をかけられていたかも知れない。 小ありすは息絶えた。 その体から茎が伸び始める頃には、最初のれいぱーありすはこちらに向き直っていた。 「んほほ、「でれき」にはいっておちびちゃんのほうからでてきてくれたのねぇ~!」 「まりちゃはつんでれじゃないもん!」 まりさは鋭く一言反論すると、踵を返す。 少しでも長く生き延びるために、逃げ出した。 「むだよぉぉ、そんなちいさなあんよでにげきれるとおもってるのぉぉぉぉ」 れいぱーは、余裕を持っている。 体格差は五倍以上あり、子まりさに勝ち目はないように見えた。 「ゆっ、ゆっ」 子まりさは必死にれいぱーから遠ざかろうとするが、その歩みは遅い。 れいぱーが数回大きく跳ぶと、その距離はあっけなく縮まった。 子まりさの行く手をふさぐように大きな体を揺らしている。 「おちびちゃんのきつきつのあにゃるをゆっくりあじわってあげるわぁぁ」 「もう、おまえなんか、きょわくないよ……」 その瞬間が、子まりさの待ち望んでいたものだった。 れいぱーが自分を仕留めるために、ぺにぺにをゆっくりと突きつける時。 もっとも敏感な部分が、攻撃してくれと言わんばかりに子まりさの目の前にあった。 「きゅらえぇぇぇ!」 子まりさは精一杯の勇気を振り絞って跳んだ。 大きく口を開けて、芋虫のようなぺにぺにに噛み付いた。 これ以上ないというくらいにあごに力を込めて、ぶら下がった。 「ゆぐぅぅぅぅ! うううぅぅぅ!」 「んほぉぉぉぉぉ!」 ぺにぺにが上下左右に大きく振られるが、子まりさは必死に食いついた。 噛み付き続ければ、ダメージを与えられる、そう信じて。 だが次に発せられたれいぱーありすの言葉に、子まりさはショックを受けた。 「んほぉ、とかいはなわざねぇぇぇ! ぎこちなさがたまらないわぁぁ!」 れいぱーありすは痛がる様子もなく、むしろ心地よい刺激を受けていた。 普通のゆっくりがドスに勝てないのと同じように、 子まりさがれいぱーと化したありすに勝てるわけがなかった。 子まりさの全力の抵抗は、ありすにとってゆっクスの前戯と大して変わらなかった。 絶望する暇さえなく、ぺにぺにから精子餡が放たれた。 子まりさの口の中を一瞬で満たした精子餡は、その周りから溢れる。 圧力に耐え切れなくなった精子餡が、栓を抜いたシャンパンのように噴き出る。 その栓となった子まりさは遠くまで吹き飛ばされた。 子まりさの体が木の幹にぶつかるべしゃりという音が聞こえた。 あっという間に子まりさの体は茎に覆われた。 父まりさが希望を託し、ひとつの群れの最後の生き残りの子まりさは、 れいぱーありすに歯形すらつけられずに死んだ。 ありすは子まりさだったものの残りかすを舌でぺろりとすくって飲みこむ。 「ふぅー、とかいはだけど、ちょっぴりものたりないわね」 れいぱーありすは子まりさの側に落ちていた花を見つけた。 吹っ飛ばされた時にとれた帽子から落ちたものだった。 「これもたべてあげるわ!」 れいぱーありすは一口で花を丸呑みにした。 その目はなおぎらぎらと輝き、ぺにぺにもいっそう反り立っている。 森の中にその歩みを阻むものはなかった。 れいぱーありすは、新たな獲物を探して走り始めた。 この群れのありすが一匹でもれいぱーありすに触れれば そこかられいぱーが発現し、れいぱーはありすのいる限り増えていく。 やがてまりさ一家のいた群れの惨劇が再現されるのは間近だった。 数時間後、れいぱーありすは冬籠り中のゆっくりに狙いをつけていた。 木の幹の根元にあるうろに木の枝が立てかけられている。 冬篭り用の結界だった。 「とかいはなおうちねぇぇ、ありすがもらってあげるわぁぁ!」 体当たりで結界をぶち破り巣に侵入する。 中には、突然の闖入者に驚愕して固まるまりさとぱちゅりーがいた。 赤ゆたちは目を見開いて、今にも死にそうな程驚いている。 赤ぱちゅりーの一匹がクリームを吐いた。 「えれえれえれ……」 「おちびちゃん!」 「れ、れいぱーだぁぁ!」 逃げようにも、唯一の出口はれいぱーありすが塞いでいた。 哀れな獲物に精子餡を注ぎ込もうと一歩巣に近づく。 「んふぉふぉ、すぐおわるわぁぁ、てんじょうのしみでもかぞえてなさいぃぃ」 「こっちくるなぁぁ!」 まりさがれいぱーの前に立ちはだかる。 れいぱーありすは愚かなまりさから先にすっきりしようとぺにぺにを伸ばした。 その時、れいぱーありすは急激な腹痛を感じた。 身体の中で何かがうごめいているような感覚がある。 その場でのたうちまわるれいぱーありすとぽかんとする巣の中のゆっくりたち。 「いだいわぁぁ! なにごれぇぇ! おながのなががぁぁ!」 そのうち痛みはどんどん激しくなり、一瞬も耐えられないほどになった。 白目をむき、全身から砂糖水を搾り出している。 「ゆごぉ……ゆぐげぇぇあ゛あ゛あ゛あ゛!! どがいはなありずがぁ、どぼじでごんなめ゛に゛い゛い゛い゛い゛い゛!!」 れいぱーありすの体内には、子まりさの持っていた花が消化されずに残っていた。 その虫こぶから、何かが這い出てこようとしている。 それはタマバエの幼虫だった。 冬に枯れる植物に産み付けられた幼虫は、 秋までに大きく育ち、その後虫こぶを抜け出し地中で繭を作る。 今まさに、虫こぶを出ようとする幼虫たちがありすの体内で暴れまわっている。 やがてれいぱーありすの目といわず口といわず、 半透明の幼虫がカスタードまみれになって出てきた。 眼球がぽろりと地面に落ちた。 「ありずのおべべぇぇ!」 れいぱーありすのぺにぺにが醜く膨れ上がる。 「ゆぐがががが! ありずのじま゛んのべにべにがぁぁぁ!」 ぺにぺにの先端が弾け、一匹のタマバエの幼虫が飛び出した。 同時に大量の精子餡が飛び出す。 「ゆぎっひぃぃぃっぃ……」 れいぱーありすはぴくぴくと全身を震わせて、言葉にならない呻きを発している。 最後の幼虫はクリームを振り落とすと、居心地のよい地中を求めて這って行った。 後には、両目とぺにぺにを失ったれいぱーありすだけが残された。 「ゆふひぃ……なんだがずっぎりじだいわぁ……いだいのにどぉじでがじらぁ……」 れいぱーありすが起き上がる。 幽鬼のようなその執念が、黒くくぼんだ両の眼窩に燐光となって凝縮されているようにも見える。 動こうとするたび、ぺにぺにのあった場所の穴からカスタードが迸り、しぼんだ体に激痛が走った。 「いるのねぇ、まりざぁ、わだじとずっぎりじまじょぉぉぉぉ」 先ほどまでの感覚を頼りにまりさをすっきりさせようとする。 しかしぺにぺにが使えない今となっては、嫌がるゆっくりをねじ伏せてれいぽぅすることもできない。 一匹だけでは、囲んで無理矢理すりすりすることもできない。 すっきりすることしか考えていなかったれいぱーは、 自らの貪欲さによってすっきりすることを奪われた。 その上なおすっきりを求めるれいぱーは、 ゆっくりたちの目にこの上なく醜く映った。 「何だかわからないけど……まりさたちのおうちにかってに入ってきたれいぱーは、さっさと出て行ってね」 「んほぉぉ、どぉじでぞんなごどいうのぉぉ!」 「じぶんかってなことばかりいうからよ! とかいはだなんて、じょうだんじゃないわ、むきゅ」 「ばぢゅでぃーでもいいわぁぁ、ずっぎりしましょぉぉ」 「まりさのぱちゅりーにへんなこといわないでね!」 まりさはれいぱーありすの大きな体を押しのけて巣の外まで運んだ。 抵抗する力は残っていなかった。 れいぱーありすが放り出されると、結界は再び閉じられた。 「だれか……ずっぎりじでよぉぉ」 空には水をたっぷり含んだ雲が垂れ込めていた。 ぽつりぽつりと降り始めた雨は、やがて本格的に振り出した。 雨粒がれいぱーありすの皮をうがち、カスタードを溶かす。 もの言わぬれいぱーありすの体は降りしきる雨の中で形を失っていく。 先ほどの巣の中では、子ぱちゅりーが震えていた。 「むぴゅ? れいぴゃーさんはどうちたの?」 「大丈夫、もう来ないわ」 「もしまた来ても、お父さんがまもるからね。おちびちゃん」 まりさは子ぱちゅりーに寄り添った。 ぱちゅりーも近づき、お互いに体を温めあう。 木のうろの中のゆっくりの一家は、ずっとそうしていた。 もう誰にも邪魔されることはなかった。 雨音が強さを増した。 雨はかつて群れがあった場所にも降り注いだ。 茎の生えた死体も、辛うじて生き残った赤ゆも、全て押し流されていく。 川の水面には波紋が立ち、今はもう水底のありすたちは見えない。 草原はざわざわと草が波立ち、静かに雨が降っている。 れいぱーありすだったものの残骸は、雨に流されて跡形もなくなっていた。 雨が止んで、晴れ間が見えた。 再び太陽が草原を照らした。 ゆっくりプレイス全体を揺るがすれいぱーの大発生は、 一つの群れが壊滅したことで終わりを告げた。 やがて草原にも他のゆっくりがやってくるだろう。 藪の向こうに群れを作り、そこで数を増やすだろう。 全てが元通りになっても、その陰に小さな子まりさがいたことを、 今はもう静かに揺れるノコンギクの花しか知らない。 了 あとがき ゆっくりが勇気を出すようなお話が好きで、 今回挑戦してみましたが、上手く書けたか自信がありません。 読みづらいところがあったらすいません。 感想や指摘などいただけると嬉しいです。 過去に書いたもの ふたば系ゆっくりいじめ 898 赤ゆ焼き ふたば系ゆっくりいじめ 928 贈り物 挿絵:M1
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【セールスあきの描く未熟児について…ウノ】 セールスあきの未熟児についていくつかの質問がありましたので、 図も挿入して語っていきます。 任振真っ只中の茎に3つぐらい実ゆが実っている。 先端から順に、れいむ、れいむ、まりさとなっているが、 その先端のやつが・・・プチッ 「ゆきちちぇちぇっちぇにぃ!」 「ゆ!!はやすぎるのぜ!;」 私の描く未熟児は胎生でうまれるのではなく、植物型で早期に生まれたゆっくりです*(実際後付です)。 未熟児だからといって、すぐ死ぬことはありませんが、身体は貧弱です。 皮も普通の赤ゆより薄いので、ジャリの上を歩くとすぐ餡子がでちゃいます。 種類ですが、希少種にも未熟児は存在するという設定です、発見されてないだけということです。 ここでは図がないので文法的に解説るに 左は順に『まりさ』『れいむ』『れいぱー』 「のじぅぇ!のじぅぇ!」 ポヨ ポヨ 帽子と髪が極端に小さい『まりさ』 ピコピコ 「ゆきっちプレーチュ!! ゆゆっちプローチ!!」 飾りと髪が極端に小さい『れいむ』 「ちょきぃは!」 飾りと(略)小さい『れいぱーありす』 うん!ピコピコポヨポヨかわいいですね! 自然界同様、身体が弱いので敵にすぐ狙われます! 時にはれみりゃに捕まり 「う~」 「ゆきっち ちゃちち!!;」 「おちびちゃあぁん!;」 あるいはレイパーにレイプされたり 「しまるわぁぁぁ!!」 「ゆきち・・・ゆげぇぇぇ!;」 成体にレイプされると中核枢餡が破壊されて死んでしまいます。 未熟児は生存率がかなり低いのです 行動ですが、ゆっくりができる基本行動はだいたいできます 「のーびのーびするよ!」 「みょーびにゃーび♪」 (のーびのーびはできない?) 「ぷきーっ!」 ですが、このプクー、未熟児だと迫力に欠け、 ブチ ブチ 「ゆきゅくちできゃにぃぃ!」 即捕食されてしまいます 意味がないということです。 成長しないか?の質問ですが 未熟児→「ゆっくちゅちちっにぃ♪」 中期→「ゆっくりしにゃいで あみゃあみゃもっちぇこい!」 成体→ ワナ ワナ ぷくーしながら ちゃんと成体にはなります、 ただ普通よりも小柄になります、 豆ゆの基盤はここから始まりました! ですが部分的に知能が低いです ぷに ぷに 「ゆっゆっ♪(ハート) ゆちきちぇちぇっちに」 最後に、加工所で生まれた未熟児は? グチュ グチュ 「ゆぐぢっ だぢゅげ ぶぎゅち」 潰して餡子にしちゃいます、 これを餅につめたりどらやきにしたりします 【セールスあきの描く未熟児について…ドス】 ピコ ピコ 「ゆきゃくちちゃちぃちぇにぇ!!」 ピコ ピコ ショーケース内にいる未熟児なんまりさとれいむ。 うんこが散らばってるが、通常ゆっくりは自分のうんこの臭いでさえ嫌うが、 未熟児どもはうんこが傍らに、こちらを見てなんか言ってると、どうやら平気なようだ。 未熟児はペットゆっくりショップ『YUN-YHA』で販売されています。 販売する際に『未熟児』と表記すると まったく売れなかったので 『あずき豆ゆっくり』 などという名前がついています (店が勝手に付けた名前です、店舗によっては名前が異なります) れいむ種、まりさ種、レイパー種が安く手に入りますが、人間が育てると すぐ死んじゃうこともあります。 捕食種の高級な生餌にも使用できますん あずきゆっくり ペットのれみりゃに1匹いかが? 200円のところを・・・大安売っ!!!! [50円]←貼り付け お飾りですが・・・ 「ぴゅきゆうー!!」 ワナ ワナ ワナ 「まちちゃにょ おびょちちー!!;」 普通の赤ゆ同様に奪われると泣きます。 れいむ種は大丈夫ですが、まりさ種は遊ばせていると良くお飾りをなくします! 探すか、楽にしてあげるか・・・ どちらかにしてあげましょう。 肌の張りですが、豆ゆよりも モチモチのぷりっぷりです みてください・・・・ そぉい!! プチッ 「ゆぴょっ!」 ←捻る断末魔 と、このように心地よい音がなる程! 商品として発売したいですが、生まれるのは稀なので行っていません。 前回、身体が貧弱と表記しましたが、 パチュリー<未熟児<赤れいむ です、ぱちぇ種の未熟児も存在するそうなのですが、 生まれてすぐ死ぬ程貧弱(病弱?)だそうです。 「ゆききゃちゃ できゅにやいぃぃ!;」 ピクン ピクン 身体にマチ針を刺してみましたが、元気そうですので、強い衝撃意外なら そこそこ耐えられそうですね。 味はどうなの?という質問ですが アシ(底辺)を焼いたれいむと一緒に放置した部屋にれみりゃ2~3匹放ったところ 「ゆうぅう!?うごけにゃぃ;」 皿に入れられたアシヤキれいむ みぢっ みぢぢ ぢ 「ゆきゃちぃ!!;」 ぶぢっ ぶぢっ 3匹とも逃げ回ることができる未熟児を優先して襲ってました。 ただ単に栄養価が高い、もしくは上で述べたように 食感が良いからかもしれませんが、一部の人は未熟児を 珍味 と表現しています、なんでも水水しいとか・・・・ 未熟児ですが、秋~冬に一番多く 獲れるそうです、食料が少ない時期に獲れる・・・ということです。 【セールスあきの描く未熟児について…トレス】 いつやるの? そのうちでしょう。 今でしょ? 嫌!
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塩焼きチキン 電気屋でテトリス99の広告を見てテトリスを始める。 2019年12月、ぷよテトDS版購入。 2020年4月、ぷよテトS購入。 2020/11/14 たちばな*PGさん開催の段位戦に参加し、同率2位、2段に昇格 ぷよテトDS版 レート8900(最大ワールドスターS) ぷよテトS レート13000(グラマス) ぷよテトS ビッグバンモード最大49連勝 そこそこのBT厨。開幕テンプレ困ったらBT砲 好きなキャラはあやしいクルークとサタンです。 使用開幕一覧 開幕TSD リライアブルTSD(優先) はちみつ砲 MKO積み パラレルDT BT砲 いんたい砲 合掌TSDパフェ(妥協気味) SDパフェ(妥協気味) TTパフェ(妥協気味) DT砲(妥協気味)